フィルム作品の情報量がありのままに蘇る4Kデジタルリマスター
4K ULTRA HD Blu-rayは、4Kの高解像度、HDRの高輝度、BT.2020の広色域の3つが大きな魅力です。
フィルム作品の4Kデジタルリマスターは、5K/16ビットのスキャンによってデジタル化されます。ここが最近のデジタル制作の作品との最大の違いで、35mmフィルムの情報量をほぼすべて取り込み、4Kの高解像度で再現します。描線のタッチまで鮮やかに蘇るクオリティです。そして、フィルムの修復やリマスター作業を4K解像度で行います。HDRのための色や階調再現を調整するHDRグレーティングも重要な作業です。透過光のような実際の光を使った技法は、しっかりと力強い光で再現し、作品の意図をより正確に伝えます。これまでは埋もれて見えにくかった暗部の再現性を大きく向上。作品の魅力である緻密な映像をさらに豊かに再現しています。また、暗いシーンでも豊かな色彩を蘇らせることができ、宇宙空間の深く沈んだ闇や美しい星々を鮮やかに再現するなど、今までとは別物と思えるほどに豊かな映像が蘇っているのです。
映像の緻密さが大幅に増した
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』
押井守監督の代表作のひとつ『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』では、その情報量豊かな映像に改めて驚くことでしょう。膨大な数の看板の文字が並ぶ街中のシーンでは、その細部までが鮮やかに描かれ、舞台となる世界のリアリティが大きく増しています。当時の最新の技術でとことんまでこだわった映像がより緻密な映像となって蘇りました。
押井守監督自らが「黒の再現にこだわった」という本作では、室内は暗いシーンが多いことが印象的です。そこに照明効果による光の演出が加わり、作品の世界を構築しています。4Kリマスターされた4K ULTRA HD Blu-ray版では、こうした暗いシーンも細部まできちんと再現され、しかも照明や光の効果がよりはっきりと描かれることで、より深みを増した映像になっています。この鮮明な再現は、当時としては最新鋭のデジタル技術を駆使したアクションシーンにも発揮され、光学迷彩で姿を消したキャラクターが水を浴びて姿を現す様子、電脳にダイブする仮想現実シーン、巨大な多脚戦車との激しい格闘戦など、印象的な場面の迫力とリアリティが大幅に高まっていることがわかります。シーンによって肌の色を調整したという主人公、草薙素子の表情の真に迫った凄みなど、あらゆる場面が見どころとなっています。
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『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』4Kリマスターセット(4K ULTRA HD Blu-ray&Blu-ray Disc 2枚組)