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劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」ディスプレイデザインの青木 隆氏が緊急参加‼ 8/3開催 スタッフトーク付き上映会第1弾 オフィシャルレポート到着!

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ポスト宇宙世紀とも呼べる「リギルド・センチュリー(Regild Century=R.C.)」を舞台に、『機動戦士ガンダム』の原作者である富野由悠季自身が総監督・脚本を手がけ、今夏2作連続公開される劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」(2022年7月22日(金)より公開中)と、劇場版『Gのレコンギスタ Ⅴ』「死線を越えて」(2022年8月5日(金)全国公開)

この度、7月22日(金)より公開中の劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」の大ヒットを記念して、8月3日(水)にスタッフトーク付き上映会第1弾が開催されました
TVシリーズより参加しているディスプレイデザインを担当する青木隆氏が参加。登壇予定であったハセガワダイスケ氏が体調不良のため、急きょ青木氏の参加が決定。進行は仲寿和プロデューサーが担当し、ディスプレイデザインの作業内容や青木氏から見た『G-レコ』の注目ポイントがたっぷりと語られました! 

劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」スタッフトーク付き上映会第1弾 オフィシャルレポート到着!

絶賛公開中の劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」。恒例となっている作品関係者が舞台裏を語るスタッフトークイベントが8月3日に新宿ピカデリーにて開催された。今回は、本作のディスプレイデザインを担当する、青木隆さんが登壇。急遽登壇が決まった青木さんは、「ひと晩でテレビシリーズを含めた10年近く前のデータを探して持ってきました」と挨拶をし、早速スタッフトークがスタート。


▲左から 仲寿和(プロデューサー)、青木 隆(ディスプレイデザイン)

劇場版『Gのレコンギスタ IV』「激闘に叫ぶ愛」スタッフトーク付上映会
【開催日】2022年8月3日(水) 20:40~21:10
【場所】新宿ピカデリー シアター3
【登壇者】青木 隆(ディスプレイデザイン)、仲寿和(プロデューサー)

スタッフトーク付き上映会第1弾にディスプレイデザインの青木 隆氏が緊急参加‼ 

最初にスクリーンに映し出されたのは、ここまでの形で紹介されるのは初めてだという劇中のディスプレイに表示される文字フォント。テクノロジーが大きく進化した『G-レコ』の世界観を象徴するモニターに表示されるアルファベットや記号などの文字は、劇中で使用するためにすべて新たにデザインされたとのこと。青木さんから「アルファベット読みしやすいものと、それっぽく見えるデザインのものを2種類用意して、本編内のモニターで使っていました。あんまりモニターで読ませる演出をするのが少ないということだったので、それっぽく見せるためにこういうデザインにしました」とデザインの意図の説明がなされた。劇中では、ディスプレイはしっかり見せないものの、よく見るとモビルスーツ名や戦艦名が確認できるそうだ。
「このフォント名を“ニュータイプ”と命名して、フォントデータとして使っていました。フォントを切り替えるとちゃんと使えるようになっています」と青木さんが言い、仲さんが「これ、聞いたら欲しがる人がいるんじゃないかと思いますけど」と感想を述べると、「欲しい!」とばかりに会場から大きな拍手が。それを聞いた仲さんは「では、要検討ということで」と、フォントの配布に対して前向きな考えであることを示した。

続いて画面に映し出されたのは、キャピタル・タワーに配置され、人々や物資を載せて往復する乗り物「クラウン」の運転席のディスプレイとタッチパネルのデザイン。仲さんが「世界観的にはすごく大事なものだったんですが、ブリッジは序盤の話数しか出て来なかったですね」と語ると、青木さんは「ずっとこれに乗って旅をすると思っていたので、わりと重要度が高いと思ってデザインしたんですが、わりとすぐに出番が無くなってしまって」と当時を振り返る。
デザインのラフからブラッシュアップ、彩色版、そして美術ボードに張り込んだイメージなど、ディスプレイデザインの流れがスクリーンに映しだされ、どのように劇中で採用されていったのかが理解できるように説明がなされた。彩色もいくつかのパターンを提示するなど、画面の主役にならないながらも、ディスプレイデザインも徹底したこだわりで作られているのがわかる。
その流れで、仲さんから「青木さんは、他のお仕事はどのようなものを手掛けられていますか?」という質問が。「ガンダム関係は、『機動戦士ガンダムUC』、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』、最近では『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』もやっています。他社さんだと『銀河英雄伝説』はメインでやらせていただきつつ、『宇宙戦艦ヤマト2199』や『蒼穹のファフナー』、などをやっています。元々撮影出身なので、日本で作った短編集的な作品であるDisny+の『スター・ウォーズ:ビジョンズ』では撮影監督などをやらせていただいています」と、その手腕を買われて、多くの作品に関わられていることが語られた。
話は戻って再びディスプレイのデザインについて。タッチパネルなどは、美術に貼り付けられると折れ曲がってしまうことも想定した形でデザインされていること、寄りにならないが、オペレーションシステムの名称やキーボードにフォントが書かれているなど、細部の作り込みも解説してくれた。
青木さんによると「『G-レコ』は、四角いディスプレイがほとんどなくて、特殊に張り込むものが多かったです」と、形状のデザイン面での苦労もあったそうだ。
その他にも、壁に貼られていたザンクト・ポルトの路線図なども担当。「路線図は、最初はシンプルめに一直線だろうと思って作ったら、144個のナットがあるんだと言われて、路線を増やしました。路線図には序盤に登場するナットの名前とかも入っています」と、富野監督による設定の細かさが伝わる話も披露してくれた。

続いて紹介されたのは、主人公機であるG-セルフのコックピット内のコンソールパネルのデザイン。「いろんなガンダムの中でも、一番特殊な形をしていると思います」と青木さんはコンソールパネルの特殊な形状を解説。こちらもラフイメージから完成版のデザインに至るまでの経過を見せてくれた。青木さんは「最近だと『閃光のハサウェイ』などはコックピット内も3Dで作って、コンパネもCGでやっているんですが、それに3Dを貼り込むとやり易いんですよね。でも、『G-レコ』は全部作画なので。G-セルフは作画さんのカットによって形がすごく変わってしまう。僕はこの素材を出せば作業としては終わりなんですが、撮影スタッフの方々は形状を合わせるのに相当苦労されたと思います」と『G-レコ』だからこそのコックピットまわりの表現にまつわる苦労に関しても解説。「余白の素材を出すことで、多少はみ出したりしても形が崩れないように見えるデザインにしたつもりです」とデザインの際の気遣いを語ると、仲さんから「サラっと言っていますけど、すごく大変なオーダーでしたよね」との言葉が。それに対して、青木さんも「凄く大変でした」とデザイン作業に苦労があったことを語った。
一方で、細部まで細かく作っていながらも、作劇の関係で「あまりタッチパネルを押しているところとか出て来なかったですね」と活躍の少なさを嘆くひと幕も。
ちなみに、青木さんの説明によると、テレビシリーズの時のディスプレイなどを使用したのは、全26話で約360カット。青木さんが関わったロボット系のアニメーションに比べると数字的には少ないそうだ。「富野監督の演出方法で、話す時はモニター映像を使わないでカットインで話して、戦況説明はセリフでしてしまうので。他の作品だと状況説明はモニターを使ったり、通信カットを使うので、平均すると少ないんですが、タイトな中でやっていたので大変でしたね」と当時の作業を振り返った。

続いて、作業用モビルスーツのレクテンのモニター紹介。「序盤に登場するメカだったので、結構作り込んでいて、気に入っているんですが、あんまり見せる機会が無かったです」とちょっと残念そうに語った。仲さんは「レクテンは、外観のデザインやコックピット内部も含めて、スタッフも気に入っている人が多かったです」とスタッフ人気があった機体だったと振り返る。
続いて、キャピタル・アーミィやアメリアなどの各陣営のコンパネまわりのデザインを紹介。「モビルスーツは入れ替わってどんどん出てくるので、外観的には敵か味方か判りづらいところがあるので、コックピットの内装と表示で陣営の差別化をしようとしています。でも、クリムもマスクもあんまりコンソールを操作したりしないで、フィーリングで操縦して、セリフを叫んでいる感じなので、一応作ってあったよ、という感じです」と陣営ごとの違いなどのこだわりを披露してくれた。

ここにきて残り時間が少ないことがわかり、大量に用意した資料を駆け足で紹介。ロックオンの表示が陣営ごとに違いがあること、大型の艦船などのモニターデザインが各艦ごとに違うなど一気に見つつ、主人公であるベルリたちの母艦、メガファウナのモニター類をチェック。ここでも、設定画に描かれている多数のモニター類を埋めるというオーダーからラフ画、完成版などが紹介された。「通信用や艦長用のタッチパネル、機関制御や速度制御、モビルスーツの発着艦などのシーンに対応できるように作っています」とここでも細部へのこだわりを教えてくれた。
そして、劇場版第4部用に新たに作られたビーナス・グロゥブの管制センターがスクリーンに登場。仲さんから「『G-レコ』では珍しく、3Dでガイドが作られたところです」と劇場版での新たな試みであることが語られ、青木さんも「CGじゃないと貼り込みが大変過ぎるので助かったんですが、これのモデリングをポンと渡されて、“中身全部作って”って言われて大変でした(笑)」と作業の大変さを振り返る。密度の高い作り込みがされていながらも、「ここのシーンは本当はもっとカットが沢山あったんですが、欠番が滅茶苦茶出ました」と仲さんが語ると「本当は、第4部に出て来た倍くらいのカットがコンテ段階ではあったんですが、半分くらいに削られてしまいました」と編集によって、作り込みを見せられなかった状況なども語られた。

最後にはちょっとした裏話として、テレビシリーズの第4話でG-セルフのモニターに武装管制表示が現れるのだが、その中に「ガンダムハンマー」が描かれていることが明かされた。劇中ではわりと速いスピードでディスプレイがスクロールしていくので、ほとんどの人が気付いていないディスプレイデザインとしてのお遊びがなされていたのだ。「メインはコア・ファイターの位置を調べるためのものだったんですが、演出の吉沢俊一さんのメモで“ハンマー”って書いてあって。序盤の話でハンマーは使わないけど、入れていいのかと確認したら“入れちゃおう”と。既成事実として入れちゃったら後半で富野さんが拾ってくれるかもしれないと、打ち合わせの場では言っていたんです。小さいメモで渡されたお遊び程度のものですが、画面にはしっかりとモデリングをしてハンマーを入れていたんです。ただ残念ながら、テレビシリーズの本編では拾われず仕舞いでした」と、まさに隠し要素的な存在であったことを告白。仲さんも「本編で拾われなかったので、いつかゲームとかで出たりするかもしれないですね」と語った。

トークの後は来場者へプレゼント抽選会を挟んで、青木さんが締めの挨拶。「今日、急遽代役という形での登壇でしたが、大丈夫でしたか? 楽しめたでしょうか? なかなかこうしたディスプレイデザインの話を聞いてもらえる機会がないので、ぜひまたやりたいですね。『G-レコ』をやり始めたのが2013年くらいからなので、結構長い旅になりました。僕もガンダムが超好きで、ガンダム作品をやりたいなと思っていまして。ましてや、今回声をかけていただいて、それも富野さんの作品だということで、参加できてとても光栄でした。こんな機会は滅多に無いと思うので、お仕事を受けた時は超忙しい時期ではあったんですが、もうふたつ返事で受けた仕事でした。作品に関わることができて、とても誇りに思っています。アニメの仕事は続けたいし、続けると思うんですが、『G-レコ』は何年かして見返した際にも“ずっと続けていいよ”と言い続けてくれるような作品に、自分の中でなったと思っています。ありがとうございました」

青木さんの作品への思いが詰まった挨拶によって、ディスプレイデザインの裏側がわかる貴重なトークイベントは幕を閉じた。

劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」                
劇場版『Gのレコンギスタ Ⅴ』「死線を越えて」情報

【タイトル】
劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」
劇場版『Gのレコンギスタ Ⅴ』「死線を越えて」

【公開日】
第4部:2022年7月22日(金)より公開中
第5部:2022年8月5日(金)公開

【メインスタッフ】
総監督・脚本:富野由悠季/原作:矢立 肇、富野由悠季/演出:吉沢俊一(G-レコⅣ、G-レコⅤ)、進藤陽平(G-レコⅣ)/キャラクターデザイン:吉田健一/メカニカルデザイン:安田 朗、形部一平、山根公利/デザインワークス:コヤマシゲト、西村キヌ、剛田チーズ、内田パブロ、沙倉拓実、倉島亜由美、桑名郁朗、中谷誠一/美術監督:岡田有章、佐藤 歩/色彩設計:水田信子/ディスプレイデザイン:青木 隆/CGディレクター:藤江智洋/撮影監督:脇 顯太朗/編集:今井大介/音楽:菅野祐悟/音響監督:木村絵理子/企画・制作:サンライズ/製作・配給:バンダイナムコフィルムワークス/劇場版『Gのレコンギスタ』テーマソングアーティスト:DREAMS COME TRUE/エンディングテーマ:ハセガワダイスケ「カラーリング バイ G-レコ」(G-レコⅣ)

【メインキャスト】
ベルリ・ゼナム:石井マーク/アイーダ・スルガン:嶋村 侑/ノレド・ナグ:寿 美菜子/マスク:佐藤拓也/クリム・ニック:逢坂良太/マニィ・アンバサダ:高垣彩陽/ラライヤ・マンディ:福井裕佳梨/ミック・ジャック:鷄冠井美智子/バララ・ペオール:中原麻衣

【イントロダクション】
さらなる進化を経て、Ⅳ、Ⅴ、2部作連続公開でついに完結!
富野由悠季が原作・脚本・総監督を務め、2019年に全5部作として始動した『Gのレコンギスタ』の劇場映画化が、ついに最終局面に突入! 物語も折り返しを過ぎ、クライマックスへと突入していく第4部「激闘に叫ぶ愛」、第5部「死線を越えて」の2部作が、この夏、連続公開されることが決定した。
テレビシリーズの素材をベースに、ハイクオリティ化を図る形で進められてきた劇場映画化だが、第4部と第5部では、完全新規カットの量が大幅にアップ。その結果、物語自体もテレビシリーズをアップデートした形へと進化。富野由悠季総監督が新たに目指す、劇場版『Gのレコンギスタ』の最終局面はどのように描かれるのか? 人類の未来を見据える壮大なスケールの物語の決着がついに訪れる。

関連記事:劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」公開直前記念!富野由悠季史上最大迫力のクライマックスバトル!ベルリVSマスク激闘の1分抜き映像 特別公開‼


▼『Gのレコンギスタ』公式サイト
http://www.g-reco.net/
▼『Gのレコンギスタ』公式Twitter
@gundam_reco / 推奨ハッシュタグ: #gレコ

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