7月28日発売!『NOMAD メガロボクス2』Blu-ray BOX特典の特製ブックレットから【INTERVIEW 2 「森山 洋(監督)×藤吉美那子(プロデューサー)」】を抜粋して公開!
2018年に放送され、国内外で好評を博したTVアニメーション『メガロボクス』。その続編となるオリジナルTVアニメーション『NOMAD メガロボクス2』のBlu-ray BOXが、いよいよ7月28日に発売されます。そのBlu-ray BOXに封入される特製ブックレットより、スタッフの対談を抜粋してご紹介(全2回)。今回はINTERVIEW 2 森山 洋(監督)×藤吉美那子(プロデューサー)対談をお届けします。
キャラクターの死をドラマチックに描かない</
――物語冒頭で、すでに南部が死んでいるというのは衝撃的でした。
森山キャラクターの死を描くということは本作のテーマのひとつではありますが、脚本チームと意図的に示し合わせたわけではないんです。ジョーが生きていく世界を描くには登場人物の死を扱うことは必然だったし、続編である『NOMAD メガロボクス2』でジョーの別の部分を描けるとしたら、彼が人の死に触れて変化していくという点だろうというのが物語の出発点にもなっています。逆に前作の『メガロボクス』ではキャラクターの死については、ほとんど触れていないんですよね。
藤吉私の個人的な経験なんですが、出﨑統さんとお仕事をした時にお話をしていただいたことがあって、それは「死を描くのはとても安易で、それをやれば人を感動させたり簡単に泣かせたりすることができる。だから僕は『ガンバの冒険』の中でボーボを死なせなかったんだ」ということだったんです。それは『メガロボクス』のこととはまったく関係なく、ひとつの経験談として真辺さんや小嶋さんにもお伝えしたことはありました。何かを作っていく上で、驚かせたいから過激な映像を入れるとか、感動させたいからキャラクターの死を描くということは、このメンバーでは絶対にしないことだという共通認識はありますね。
森山真辺さんも小嶋さんも脚本家として経験豊富ですし、実写映画の世界で活躍されているから、作劇の中で死がドラマチックに描かれてしまうということは承知されていると思うんです。だからこそ死を取り扱うのは注意が必要でもあるのですが、美化しないという点は全員が意識していたことでもありましたね。
――アスリートの現役時代の話ではなく、その後の物語であるという点も印象的です。
森山まさに、そういう物語を作りたかったという気持ちはあります。本作は引退したアスリートの物語でもあるし、同時に復帰の物語でもある。ジョーが再びリングに上がる理由を探すのは、本当に難しい問題だったんです。勇利との対戦でジョーは目的を達成しているし、その過程で南部やサチオたちとの暮らしというもうひとつの生き方もつかんだはずだった。だからこそ、それを捨てざるを得なかったきっかけが必要で、南部の死ということが大きく関係してくるわけです。理由はどうあれ子どもたちを捨てたジョーの行動は許されるべきではないし、その点は藤吉さんからも強く意見が出ましたよね。
藤吉もうこの件では3対1の構図になることが多くて(笑)、私だけが強硬に反対していました。というのも、自分も関わる作品の主人公を嫌いなままでいたくないという気持ちがあって、その原因であるジョーの行動については納得できるまでしつこく食い下がったんです。もちろん説明を受けて納得できれば、どんなに無様な主人公であってもかまわないのですが、ジョーが番外地に帰った後にどうするのかは、特にこだわりましたね。
森山結果的にはそれが重要だったと思います。矢吹丈では許されたことでも、今の時代に同じことはしたくなかった。風のようにいなくなって、思いついたように戻ってくるというのは受け入れられないのではないかと思ったんです。観る人によってはジョーが出ていった理由でさえ、そんな程度のことなのかと言う人もいると思います。逆に南部の死によってジョーがああなってしまうのは理解できるという人もいるでしょうし、受け取り方は人それぞれですよね。作っている自分たちでもそうだったし、だからこそ難しい問題なんだとは思いました。
藤吉劇中のキャラクターたちでも、それぞれにジョーに対する意見を持っています。特に見捨てられた子どもたちは皆それぞれに温度差がありながらもジョーに対する気持ちがある。たとえばオイチョはジョーが出ていった理由について、出てけって言われたからって本当に出ていくか? みたいにドライな捉え方をしていますよね。
森山あの子どもたちのキャラクターがいてくれたからこそ成立できたというか、ジョーに対する思いや受け入れ方、その後の距離感もそれぞれに異なるし、そういうバラバラな意見が個々にあるというのを描けたからこそ物語がまとまっていけた理由のひとつなのかなとは思いますね。
全文はBlu-ray BOX封入特典の特製ブックレットにて!
購入はこちらから
■Blu-ray BOX商品情報
NOMAD メガロボクス2 Blu-ray BOX(特装限定版)
2021年7月28日発売
価格:¥38,500(税込)
品番:BCXA-1629
収録話数:ROUND1-ROUND FINAL(全13話収録)
仕様:365分予定(本編約312分+映像特典約53分)
リニアPCM (ステレオ)/AVC/ BD50G×3枚/16:9<1080p High Definition・一部1080i High Definition>/本編のみ日本語字幕付(ON・OFF可能)
【特典】
■特製ブックレット
■第1話絵コンテ&シナリオブック
【映像特典】
■『ハチドリと旅人。』(ジョーVer.)
■『ハチドリと旅人。』(勇利Ver.)
■ノンクレジットOP
■ノンクレジットED
■ROUND FINAL ノンクレジットED
■ティザーPV
■メインPV
■Blu-ray BOX TVCM
■AnimeJapan 2021『NOMAD メガロボクス2放送直前SP』
(出演:細谷佳正、安元洋貴、村瀬迪与)
【仕様】
■森山 洋(監督・コンセプトデザイン)描き下ろし イラスト仕様特製BOX
※特典・仕様等は予告なく変更する場合がございます
※特装限定版は予告なく生産を終了する場合がございます
『NOMAD メガロボクス2』について
もう一度、夢を生きる――
肉体とギア・テクノロジーを融合させた究極の格闘技“メガロボクス”。その頂点を決めるトーナメント“メガロニア”に、ギアを身に着けず生身の体で挑んだボクサー“ギアレス・ジョー”。最下層の地下リングからたった三ヶ月で頂点へと駆け上がり、奇跡の優勝を遂げた伝説のチャンピオンの姿に人々は熱狂し夢を見た。
しかし、それから7年後、“ギアレス・ジョー”は再び地下のリングに立っていた。傷だらけの身体にギアを装着し、自ら“ノマド”と名を変えて……。
かつて、“ギアレス・ジョー”が果たした夢。その続きの中で人々は何を見るのか。
キャスト
ジョー/ノマド:細谷佳正/南部贋作:斎藤志郎/サチオ:村瀬迪与/勇利:安元洋貴/マック:宮内敦士/佐久間:小林親弘/白都ゆき子:森 なな子/白都樹生:鈴木達央/アラガキ:田村 真/ボンジリ:落合福嗣(回想:れいみ)/サンタ:観世智顕(回想:種市桃子)/オイチョ:神戸光歩(回想:内藤有海)/チーフ:田中美央/マーラ:ニケライ ファラナーゼ/ミオ:日野佑美/リュウ:福西勝也 他
スタッフ
原案:「あしたのジョー」(原作:高森朝雄、ちばてつや/講談社刊)/監督・コンセプトデザイン:森山 洋/脚本:真辺克彦・小嶋健作/キャラクターデザイン:倉島亜由美/サブキャラクターデザイン:金田尚美/ギアデザイン:形部一平/美術監督:河野次郎/美術監督補:古賀 徹/美術:スタジオ・ユニ/色彩設計:歌川律子/撮影監督:赤尾英美/撮影:T2studio/オフライン編集:今井大介/音響監督:三好慶一郎/音響効果:倉橋裕宗/音響制作:東北新社/音楽:mabanua/アニメーション制作:トムス・エンタテインメント/製作・著作:メガロボクス2プロジェクト
オープニングテーマ:「The theme of the NOMAD」(作曲:mabanua)
エンディングテーマ:「El Canto del Colibrí」
(作詞:佐々木 誠 作曲:mabanua 歌:mabanua 字幕翻訳:真辺克彦)
©高森朝雄・ちばてつや/講談社/メガロボクス2プロジェクト
▼メガロボクス 公式サイト
https://megalobox.com/
▼メガロボクス 公式Twitter
@joe50_megalobox
▼ガチンコ!メガロボクス道