「イマレコ!-今コレをレコメンド!」『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man』[特集サイト「プレイバックエモーション]
シリーズ最新作『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』が絶賛公開中!『攻殻機動隊 SAC_2045』シーズン1で共同監督を務める神山健治監督が手掛けたTVシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(以降『攻殻機動隊S.A.C.』)の主軸となる事件<笑い男事件>をまとめた『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man』をイマレコ<-今コレをレコメンド!->!
<笑い男事件>とは
TVシリーズ『攻殻機動隊S.A.C.』第1シーズンの<笑い男事件>にスポットを当て追加映像をプラスした再編集版は、159分の長編OVA作品として2005年にリリースされた。2024年の“セラノ・ゲノミクス社”社長誘拐に端を発するマイクロマシンメーカー社長誘拐身代金要求企業テロ事件<笑い男事件>は、事件を追い続けていた刑事・山口の事故死をきっかけに6年の沈黙を破り、再び動き出す。
<公安9課のスタンドプレー×チームワークが凝縮された1本!>
リリースから15年以上の時を経て、練り込まれたストーリーや描かれるテーマはよりリアルに感じられ、改めて「攻殻機動隊」の着眼点や先見性の凄さを見せつけられる。TVシリーズで1話完結の物語にちらほらと関連事件が登場し、終盤にかけて中心となっていった<笑い男事件>だが、本作では物語がスピーディに進行し<笑い男事件>だけに集中できるので、とても理解しやすい。『攻殻機動隊S.A.C.』入門編としてもおすすめだ。
リピーター組は反芻することで、「攻殻機動隊」という作品の奥深さを再認識するだろう。本作では特にバトー絡みの場面が涙を誘う。終盤でのタチコマとのやりとりは何度観ても号泣! 目の前で素子が狙撃された際の叫び声には正直驚いたが、スタンドプレーが特徴でもある9課のメンバーには深い絆で結ばれたチームワークがあることに気付かされる。これぞ『攻殻機動隊 S.A.C.』と納得するポイントだ。
偉人や哲学者の言葉を引用し、遊び心をプラスして観る者を惹きつける魅力も健在。また、原作は決して新しくはないのに、最先端の犯罪捜査に見せる映像表現の素晴らしさは何度観ても思わず唸ってしまう。そして、TVシリーズとの違いの一つに音楽の変更がある。印象が変わるシーンもあるが、グイッと世界観に引き込む選曲センスはさすが!
新作『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』は、シリーズ初のフル3DCGアニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』シーズン1を、日本アカデミー賞6部門受賞の『新聞記者』(19)や、『ヤクザと家族 The Family』(21)など実写映画で活躍する藤井道人を監督に迎え、新たなシーンを加えて再構成し、全カットフルグレーディングして劇場用長編アニメーションに。“クールビューティー代表”というイメージの草薙素子は、ロシア人イラストレーターのイリヤ・クブシノブによりキュートに生まれ変わった。少佐と呼ぶには少々、かわいらしさが濃い感じもするが、バトーの軽口やジョークは今まで以上にユーモアに溢れ、トグサの心情も共感しやすくなり、愛らしいタチコマもより愛嬌が増し増しに。『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズから最新作までを手掛ける神山健治監督は、アクションと犯罪捜査というわかりやすい構造と親近感の増したキャラクターたちにより、本作から「攻殻機動隊」に触れる方にも入りやすいエンターテイメント作品を生み出した。同時に、変わるものと変わらないものの絶妙なバランスを保ちつつ、長年の「攻殻機動隊」ファンを楽しませるアプローチも素晴らしい。
劇場用長編アニメーション『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』
2021年11月12日(金)より劇場公開中[2週間限定]
text/タナカシノブ
▼『攻殻機動隊 SAC_2045』公式サイト
https://www.ghostintheshell-sac2045.jp
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▼『攻殻機動隊 Information』公式サイト
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©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会
©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会