2017年に製作決定を発表し、2022年にパイロットフィルムがイベントにて公開、さらに2024年9月に「2026年プロジェクト始動」を発表した『機動警察パトレイバー』シリーズの新作アニメーション作品『機動警察パトレイバー EZY(イズィー)』のプロジェクトが本格始動。2026年8月14日(金)よりFile 2が公開されます。
そしてこの度、File 2の公開に先駆けて実施された、File 1の振り返りイベント「File 2 公開に向けて! File 1振り返り上映会&トークイベント」のオフィシャルレポートが到着。本作の監督を務めた出渕 裕、脚本・シリーズ構成の伊藤和典、さらには絵コンテ(第3話)を務めた樋口真嗣が登壇。File 1の反響だけではなく、樋口さんが手がけた第3話、そして大きな話題となったエンドロール後の“あの”映像についての制作の裏側まで、余すことなく語られました。
※以下、プレスリリースより引用しています
出渕 裕監督、伊藤和典さん、樋口真嗣さんが登壇!『EZY』制作秘話に迫るトークイベント大盛況
<レポート全文>
今回行われたイベントには伝説のクリエイター集団HEADGEARから、本作の監督を務めた出渕 裕さん、脚本・シリーズ構成の伊藤和典さん、さらには絵コンテ(第3話)を務めた樋口真嗣さんの3名が登壇しました。
今回、『機動警察パトレイバー』関連のイベントに初登壇となった樋口真嗣さん。HEADGEARのひとりである押井 守さんを意識したニット帽とスタッフ手作りのTシャツを身に着けて登場すると、開口一番に押井さんのモノマネを披露し、会場を沸かせました。
樋口さんから見た『パトレイバー』について問われると、出渕監督が「昔、真ちゃんは“パトレイバーは敵だ!”って言ってたんです」と暴露します。樋口さんは「ファンがたくさんいる場でそんなことを言ってしまうと、完全にアウェイになる」と苦笑しつつ、その理由を「同時期に準備していた作品があったのですが、バンダイさんでは既に『パトレイバー』が動き出していたこともあって、ライバル視していた部分もありました」と明かしながら、当時を振り返りました。
続けて樋口さんは、「放送が始まってみると、レイバーが全然動かないじゃん!と思いました。レイバーはいつ動くのかなと思っていたら、劇場版で零式が動いたんです!」と当時の驚きを懐古。さらに、「『パト2(機動警察パトレイバー2 the Movie)』になると、またレイバー動かなくなってしまって……。それでも面白かったので、押井 守さんってすごいんだなと思ったんです」と、当時の率直な心境を明かしました。
樋口さんが『EZY』に参加することになったきっかけは、出渕監督に居酒屋で声を掛けられたことだったそう。出渕監督は、「特撮映画ではなく、特撮映画を“撮る”話。実写の監督をやったことがある真ちゃんに頼むのが一番だと思いました。脚本を読んだ真ちゃんには『こんな現場ないっすよ!』と言われましたが、現場のリアルを加味して絵コンテを描いてくれたら、内容が嘘じゃなくなると思ったんです」と語り、樋口さんへの全幅の信頼を明かしました。
脚本を手がけた伊藤さんは、「『ガメラ』を撮影していた時の断片的なイメージで、こんな感じかな?と思い出しながら脚本を書いたんです。本編のように、前日に脚本を書き直せと言われたり、現場に早朝から呼び出されたりしたことはないですよ!」とフォローするも、樋口さんは意味深に「どうですかね〜」と笑い、会場を盛り上げました。
本日のイベントでは、入場者プレゼントとして、登壇者の樋口さんが手掛けた第3話の絵コンテ集を配布。冊子の表紙に記載されている『第5話』の記載については、もともとは第5話のエピソードだったものが第3話へ変更された経緯について、樋口さんから「リアルな臨場感を出すために、一斗缶で火を焚きながら撮影しているようなシーンにしたい」と要望があったと、出渕監督は説明。
しかし、第1話がクリスマス、第2話が正月という時系列だったため、本来の第5話のままにすると季節感にずれが生じてしまうことから、第3話へ移動することになったそう。「第3話になったことで、“あの予告"をエンドロール後に入れることもでき、結果としてきれいな流れになって満足でした」と出渕監督が振り返りました。
エンドロール後に流れる“あの予告”は、押井さんが監督を務めた『ケルベロス-地獄の番犬』のパロディになっていることでも大きな話題となりました。出渕監督は、「脚本にはなんとなく、(劇中で撮影している作品の)予告映像がある、くらいの記載だったんですが、真ちゃんから上がってきた絵コンテを見ると、変な予告になっちゃいましたって書いてあって。初稿を見て、どこかで見たことがある予告だなと思ったら、『ケルベロス』だ!と。真ちゃんに聞くと、これしか思いつかないって言うんですよ」と明かします。
すると樋口さんは、「俺の中では、別にウケ狙いじゃないんです」と前置きし、制作に込めた思いを語りました。「これまでも、作り始める前までは“今までになかった新しいヒーロー像を作ろう”と思い描いていたものの、完成したものを見ると『あれ、これいつものじゃないか?』と思ってしまうような苦い経験がいくつもあって。同じ映画づくりをしている人間としてそれを反映しないと、第3話で描かれている、夢物語のようにハチャメチャな映画作りがうまくいってしまうことに納得できない部分もあったんです。あんなメチャクチャなことを本編でやっておきながら、結局は1カットも本編では使用されていない。だったら、ほろ苦く終わりたいなと思いました」。
「これまでの映画づくりへの思いや経験を反映していった結果、最終的に『ケルベロス』に着地しました。音楽も川井憲次さんですし、ちょうどいい作品なんじゃないかと思ったんです」と、その経緯を明かしました。
さらに、エンドロールに載っている「予告編承諾 押井 守」というクレジットについても、「『真ちゃんがやりたいならいいよ』と押井さんが言ってくれたので、パロディができることになりました。エンドロール担当編集の方にも『こんな肩書きは初めて見た』と言われましたね」と裏話を披露。押井さんと樋口さんの深い信頼関係が伝わるエピソードに、会場からは感嘆の声が上がりました。
絵コンテでは手書きの部分が出渕監督、写植の部分は樋口さん、現場に意図が伝わりやすいよう出渕さんが修正されたとのこと。また、ゆうきまさみ先生のキャラクターのスターシステムも取り入れられており、キャラクターへの細かな指示も描き込まれているため、隅々まで見返したくなる内容となっています。
伊藤さんは、「脚本から想像していたより『やりすぎだよ!』と思う部分が多かった。面白い気持ちと呆れている気持ちが半々ですね」とコメント。続けて、「第3話に関して、絵コンテが樋口くんだと聞いたタイミングで『やりすぎになるな』と思っていたら、予想の斜め上をいくシーンもありました」と懐かしそうに笑いました。
樋口さんの絵コンテについて、出渕監督は「真ちゃんは『これはアニメなんだから、ここはアニメーションでは動かさないよ』と言っているのに、カメラ位置をぶん回してくるんで、修正が大変でした」と苦笑。それを受けた樋口さんは「僕じゃない絵コンテも1つだけありました!(十和が見せる)ルパンジャンプ!」。出渕監督も「あれは、俺がちょっとやりすぎた(笑)」と応じ、伊藤さんも「ああいうやり過ぎな部分が、ブッちゃんの演出なのはよくわかる」と息の合った掛け合いで会場を盛り上げました。
さらに、伊藤さんが手がけたヒット小説『寿司屋の後藤』の話題になると、「読んだことがある方は?」という問いかけに、会場からは多くの手が挙がりました。出渕監督は、「あれだけ売れると、やっぱり続編も期待しちゃいますよね。次は何屋になるのかな」と期待を込めたコメント。すると伊藤さんは、「ブッちゃんがそんなこと言う?」と笑いながら返し、最後まで会場を和ませました。
最後に、樋口さんは「僕の尊敬する大先輩二人と並んで、こうやって挨拶させていただける機会を頂戴できて、僕としては本当に誇らしいことです。18歳くらいの自分にも教えてあげたいくらいです。願わくば、また呼んでほしいです。」と願いを込めると、会場からも大きな拍手が送られました。更に「自分が見たかったポリスアクションを思い描きながらオープニングも担当させていただいて、これから『パトレイバー』がどうなっていくのか楽しみにしています」と今後の展開への期待を語りました。
伊藤さんは「この3人で壇上に立つことがあるとは夢にも思っていなかったです。樋口くんとの仕事上の接点は、これまで特撮の現場でしかなかったのですが、今回のような機会を得ることができたのが僕自身もすごく嬉しいです。『EZY』を始めるタイミングで”誰かにバトンを渡したい”と思っていたので、これから僕自身も『パトレイバー』がどんな展開になるのかわかりませんが、今後もよろしくお願いします」とコメント。
出渕監督は「『File 2』でもエンドロール後に、何かスペシャル映像もあるかもしれないので期待しててください。そして話数を入れ替えた関係でレイバーが全然出てこない『File 2』になりましたが、各話を異なるアプローチで行っているので、バラエティー豊かな話になったと思います。ぜひお楽しみください」と締めくくり、イベントは終了しました。
『機動警察パトレイバー EZY File 2』は8月14日(金)より全国公開。
『機動警察パトレイバー EZY File 1』 File 2 公開に向けて! File 1振り返り上映会&トークイベント
【日程】 7月26日(日)
【登壇者】
出渕 裕(監督)
伊藤和典(脚本・シリーズ構成)
樋口真嗣(第3話 絵コンテ)
合計3名 MC: 吉田尚記 ※敬称略
『機動警察パトレイバー EZY(イズィー)』作品概要
【INTRODUCTION】
1990年代末、テクノロジーの急速な発展とともに、あらゆる分野に進出した汎用人間型作業機械〈レイバー〉。
しかしそれは、レイバー犯罪と呼ばれる新たな社会的脅威をも生み出すことになった。
続発するレイバー犯罪に、警視庁は本庁警備部内に特殊車両二課を創設してこれに対抗した。通称、特車二課パトロールレイバー中隊「パトレイバー」の誕生である。
そして、時は流れ──。
労働人口減少の一途を辿る2030年代の日本は、AI技術による自動化が進んでいた。
かつて最先端技術だった〈レイバー〉は、社会基盤を支える一部として定着。
人が搭乗するスタンドアローン型の〈レイバー〉は、自立型ロボットへの代替が進み、もはや時代遅れとなりつつあった。
だが時代が変わろうとも、特車二課の仕事は変わらない。人と街を守ること。
第二小隊は旧式98式AVイングラムをチューンナップした”AV-98Plus イングラム“とともに、知恵と勇気で新たなテクノロジー犯罪に立ち向かう。
【STAFF】
HEADGEAR PRESENTS
監督:出渕裕/脚本・シリーズ構成:伊藤和典/キャラクター原案:ゆうきまさみ/コスチュームデザイン協力:高田明美・山田章博/キャラクターデザイン・総作画監督:佐藤嵩光/メカニカルデザイン:海老川兼武・渭原敏明/モビリティデザイン:河森正治/ディスプレイデザイン:佐山善則/演出:海宝興蔵/美術:菊地正典・秋山優太/色彩設計:伊藤由紀子/撮影監督:大河内喜夫/編集:仙土真希(REAL-T)/CG監督:森泉仁智/CG制作:GAZEN・J.C.STAFF CG部/音響監督:若林和弘/音響効果:山田香織/音響制作:マジックカプセル/音楽:川井憲次/プロデューサー:真木太郎/共同プロデューサー:町田有也/アニメーションプロデューサー:松倉友二(J.C.STAFF)/アニメーション制作:J.C.STAFF/プロデュース:GENCO/配給:松竹ODS事業室・バンダイナムコフィルムワークス/製作:機動警察パトレイバー EZY製作委員会
【CAST】
久我十和:上坂すみれ/天鳥桔平:戸谷菊之介
平田紗季:小清水亜美/間 昭彦:小林親弘/柳井雄太:佐藤せつじ/柚木八久万:松村柚芽/佐伯貴美香:林原めぐみ
©HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
▼『EZY』公式サイト
https://ezy.patlabor.tokyo/
▼『パトレイバー』シリーズポータルサイト
https://patlabor.tokyo/
▼機動警察パトレイバー公式X
@patlabor0810