ふとしたきっかけでサーフィンに打ち込み始めた聾唖の青年とその恋人の姿を描き、
故・淀川長治氏をして「いちばんの傑作」と言わしめた第３回監督作品。

聾唖の青年茂は、清掃車の助手の仕事途中で捨ててあったｻｰﾌﾎﾞｰﾄﾞを拾う。茂はそれを持って、同じ聾唖の恋人・貴子を連れ海に出かける。必死にｻｰﾌｨﾝに挑戦し、練習に明け暮れる茂。それを見つめる貴子。やがて、ｻｰﾌﾎﾞｰﾄﾞは壊れ、給料日を待って新品を買い、また練習に明け暮れる。
　ひたむきな茂を見たｻｰﾌｼｮｯﾌﾟの店長中島は、ｳｪｯﾄｽｰﾂとｻｰﾌｨﾝ大会の出場申込書を渡す。ｻｰﾌｨﾝ大会の当日、茂と貴子は、出場の呼び出しが聞こえなかったため失格となる。茂は、めげずに一層ｻｰﾌｨﾝに熱中する。
　二度目のｻｰﾌｨﾝ大会。腕をあげた茂は、見事入賞。仲間達の祝福を受ける。その数日後、ただ一人海に向かう茂。貴子が駆けつけたとき、浜辺には、ｻｰﾌﾎﾞｰﾄﾞだけがあった。

製作年度：1991

監督･企画･脚本･編集：北野 武／製作：館 幸雄／プロデューサー：森 昌行 ／協力プロデューサー：吉田多喜男／音楽監督：久石 譲／撮影：柳島克己／照明：高屋 齋／美術：佐々木 修／録音：堀内戦治／監督補：天間敏広／記録：中田秀子／製作担当：小宮慎二／助監督：北浜雅弘／製作主任：石川達也／配給：東宝／製作：オフィス北野･東通　他

真木蔵人／大島弘子／河原さぶ／藤原稔三／小磯勝弥／渡辺 哲／寺島 進／松井俊雄　他