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モン娘生態図鑑【第1回 ケンタウロス編】折口良乃先生×谷P解説対談 [モンスター娘のお医者さん V-STORAGE出張診療所]
『モンスター娘のお医者さん』に登場する「モンスター娘」を徹底解説!
折口良乃先生(原作者)と「モンスター娘」を愛し過ぎている(?)谷プロデューサー(本作アニメプロデューサー/東京農業大学 畜産学科出身)の対談形式でお届けします。
第1回はティサリア(&ケイ&ローナ)の種族“ケンタウロス編” です。設定の裏話や想いを是非ご覧ください。
※一部ネタバレを含む場合がございますので、あらかじめご了承ください。
折口良乃先生×谷プロデューサー解説対談
──本作のケンタウロスという種族について、設定のポイントはどこにありますか?
谷私は東京農業大学の畜産学科の出身で、畜産動物の一種として馬のことも学んでいたんです。そういう観点を持ちつつ、『モンスター娘のお医者さん』(以下『モン医者』)を初めて読ませていただいた時に、1話目で登場したケンタウロスが「蹄鉄」(※1 馬の蹄を破損や摩耗から保護するための道具)をしていたのが個人的にすごく面白くて。私自身モンスター娘(以下“モン娘”)の登場する作品が好きなのですが、他のファンタジー作品で蹄を持つ異種族のキャラクターが出てきても、蹄鉄の話になることってほとんどありませんよね。
折口ないですね。ケンタウロスがどんな種族になるかを考えたときに、長距離を移動する遊牧民みたいな生き方をしていたはず、というのがまずあって。そんな種族が街で暮らすと絶対に蹄がダメになってしまう。そんなモン娘たちのケアをするモン医者のお話にしよう、というのがこの作品の出発点でした。以前のインタビュー(V-STORAGE)でもお話しましたが、元々はラミアではなくケンタウロスをヒロインにする予定でしたからね(笑)。だから最初の患者になりましたし、ある意味でケンタウロスが『モン医者』の原点です。
谷野生の馬は勝手に蹄が削れていくので蹄鉄をする必要はありませんが、牧場などで飼育してたまに歩かせるだけの馬なら、様々な要因から蹄鉄をする必要が出てきますからね。そういった現実にも共通するリアルなモンスター部分の設定を折口先生がしっかり描写されている。生物学的なところにしっかり踏み込んで、削蹄(※2 伸びすぎた蹄を削り、形を整えること)や装蹄(※3 蹄に蹄鉄をつけること)という医療行為に繋がってくるという流れが、本作ならではの強みですよね。
──お2人は本作の「ケンタウロス」という種族の魅力はどこにあると思いますか?
谷アニメでぜひチェックしていただきたい部分として、耳の動きで感情を表現するようにしています。要所要所、キャラクターの感情に合わせてピコピコと動く耳が可愛くて癒されますね(笑)。あとはやはり、馬らしい四本足での迫力ある走りでしょうか。アニメで動かすのはけっこう大変な部分ですが……(笑)。
折口谷さんと同意見です(笑)。馬は耳の動きで感情を表現する生き物なので、ケンタウロスもそこが可愛いところで。ティサリアやケイ、ローナの表情と耳の動きの連動は見ていて飽きないと思います。
──ちなみにケンタウロスには亜種の、ポニーやシマウマのような個体も存在するのでしょうか?
折口個体差の話になるのですが、ティサリアは重量級なので大きく、ケイは少し小さいです。これは遺伝ですね。さらに小さな個体もいるとは思いますが、作中にはいませんね。ただ、まだ若いケンタウロスは相応に小さいのでポニーっぽいかもしれません。ティサリアの幼少期はアニメでも描かれると思うので、小さなケンタウロスはそのシーンを楽しみにしていただければと(笑)。シマウマについては、実はなぜシマウマが縞模様なのかまだわかっていないらしく……この作品世界にシマウマが生まれる環境があるのかどうかわからない、というのが正直なところです。もしいたとしても、そもそもシマウマはロバに近い生物なので、ケンタウロスとはまた別の種族になるかもしれません。
谷シマウマのようなケンタウロスについては、もしいるなら全身縞模様より、オオカミのように足だけ縞模様がある個体がいればリアルかな、と思いました。
折口シマウマの謎が解明される日が待ち遠しいです。
ティサリア(ケンタウロス)設定 <CV ブリドカット セーラ 恵美>
ケンタウロス
分類:魔族領全土(人間領にはいない)
別名:セントール(東での呼び方はなし)
分類:魔哺乳綱・魔奇蹄目・ケンタウロス科・ケンタウロス
食性:草食、植物由来のもののみ。塩。
主な職業:兵士、傭兵、遊牧など。一部の重量級は農耕。
概要:
・下半身がウマに似た種族。遺伝的形質は体の大きさ(重量級、中量級、軽量級)と毛の色が主。
・主な住処は平原。広く平らな土地でなければ住みづらい。
・同じ一族で群れを成して行動する傾向がある(平安時代の源氏と平家のような)。そこから戦士団が形成され、傭兵として生きる部族が増えていった。
・群れとしての行動を重視する歴史があり、行軍においてついていけないものは処刑される場合も。逆に孤児を引き取り、名と役割を与えて一族の助けとする文化も育つ。
・運動機能が発達している関係上、大量の汗をかく。塩分補給は欠かさない。
・食事は植物、果物由来のもののみ。リンド・ヴルムなど他種族の混在する場所では食べるものに気を遣う。
・蹄は長距離を定期的に移動する行軍、遊牧などであればちょうどよく削れるが、そうでなければ専門家による装蹄が必須となる。
・武器や蹄鉄の製造ができるため、サイクロプス族とは親しい付き合いがある。
・体の構造が独特のため、適度な運動やストレッチをしなければ、柔軟性を維持できない。足元や後ろ足付近の手入れもするために、肉体の維持は大事。
・上記のために子供の頃から美しい姿勢を保つ矯正具などがある。
・種族の特性として音や、衝撃に敏感である。ティサリアが幽霊を怖がったり、ローナが周囲の状況に敏感であることなど。またその感覚を鍛え上げれば、いわゆる第六感として機能する。
・二つある胴体には、発達した消化器官が詰まっている。これにより草食であってもカロリーを無駄なく吸収することができる。
・妊娠した場合は馬の胴体が膨らむ。
亜種・個体差:
・亜種は存在しない。
・重量級・中量級・軽量級として大きさがそれぞれ異なる。重量種(成人身長約2m)と軽量種(成人身長150cm)の差はそこそこ大きいが、種族としては同じである。
ティサリアについて:
・重量級かつ黒い毛をもつ。ばんえい馬がモデル。
<放送情報>
2020年7月12日より毎週日曜日放送
TOKYO MX:7月12日より毎週日曜23:00~
サンテレビ:7月12日より毎週日曜23:30~
KBS京都:7月12日より毎週日曜23:00~
BS11:7月14日より毎週火曜24:30~
AT-X:7月16日より毎週木曜23:00~ リピート放送:毎週土曜15:00~/毎週水曜7:00~
©折口良乃・Zトン/集英社・リンドヴルム医師会
モンスター娘のお医者さん 公式サイト
https://mon-isha-anime.com/