ウルトラマンゼロの弟子、ウルトラマンゼットの物語を描く シリーズ最新作『ウルトラマンZ』ナツカワ ハルキ役・平野宏周 インタビュー
ウルトラマンゼロの弟子、ウルトラマンゼットの物語を描く『ウルトラマンZ』。TV放送はまもなくクライマックスを迎える。今回は、Blu-ray BOX発売を記念してナツカワ ハルキ役の平野宏周さんにインタビュー。撮影を終えた今、改めて、役を演じた感想や作品への思いはもちろん、最終回までの見どころなどについて話を伺った。
──『ウルトラマンZ』、撮影お疲れ様です。撮影を終えてのお気持ちはいかがでしょうか。
平野コロナ禍での撮影中断などもありましたが、無事に終えることができてホッとしました。スタッフさんから「毎年、主役の人はみんな終わった後に『早っ!』って言うよ」と言われていて、そんなことはないと思っていたんです。……めちゃくちゃ早く終わりましたね(笑)。もう半年とか、ナツカワ ハルキをずっと演じていたいなという気持ちが強いです。
──ナツカワ ハルキでもあり、ウルトラマンゼットの変身者でもあり、地球防衛軍の隊員でもあるという役どころ。濃密な経験になったかと思いますが、ひとりの役者としてはどのように捉えられましたか?
平野とにかくプラスになったことしかありませんでしたね。偉大な先輩方にも恵まれて、その演技を間近で見ることが出来て。たとえば隊長(青柳尊哉)は「自分のかっこいい見せ方」とか、「不気味な、怪しい見せ方」というのがすごく上手で勉強になりました。最初の頃の僕はわかりやすく感情に出すことしか頭になかったので。役者として勉強になることが本当に多かったです。あとは、俳優っていい仕事だな、と思いました(笑)。ウルトラマンというヒーローにもなれるし、日本を守る防衛隊員にもなれるし。いろんな人になれて、いろんな職業に就けるという俳優の魅力的な部分を引き出してくれるのが「ウルトラマン」という作品だなと感じました。特撮という作品の特性上、本当はそこにないものをあるようにお芝居するということも多くて。それも初めてのことですごくいい経験になりましたし、何より楽しかったですね。放送を観た時は監督やスタッフさん達、円谷プロが持つ技術の高さも目の当たりにして、感動していました。
──以前のインタビュー記事で、少年時代にウルトラマンシリーズを観たことがないと仰っていましたが、撮影に入られてからはご覧になられましたか?
平野はい、時間がある時に観ていました。昭和作品にはまだ辿り着いていないのですが……。
――ということは『ウルトラマンZ』に登場する怪獣も、初めて見る怪獣がほとんどでしたか?
平野そうですね、ほとんど初めて見る怪獣ばかりで。自分でも調べてはいたのですが、SNSの反応を見て「この時代、この作品の怪獣なんだ」と知ることの方が多くて(笑)。ウルトラマンファンの方のSNSでの盛り上がりは自分にはけっこうありがたかったです。知らなかったからこそ、今こうして新しく知っていく楽しみを感じています。
――これまでの登場怪獣の中でも平野さんが好きなのはどの怪獣でしょうか?
平野やっぱりカネゴンが好きですね。戦ったわけではなく共演したというのもありますし、現場でも動きがめちゃくちゃ可愛くて(笑)。ハルキとユカさんが冷蔵庫前でやり取りしているシーン、後ろでずっと踊っていたのも可愛かったですよね。ほかには、くしゃみするゴモラもすごく可愛かったです。あと、これは演出に寄る話かもしれませんが、第2話のネロンガと第5話のペギラ。目を動かしていたのが可愛くて、けっこう愛着が湧きました(笑)。ウルトラマンゼットとペギラの空中戦もすごくかっこよかったですね。
――本編をご覧になられる時はそういったディテールまでチェックされているんですね!
平野自分が出ている作品ということもあって、何回も観てしまいます(笑)。何回も見直すと必然的に細かいところまで目が行きますよね。本当にこだわりがすごいなと。特にレッドキングの回以降は、怪獣たちにもドラマがあるのかなと考え始めてしまって。より細かく表情や目の動きに注目して、その分深みが出てきて面白いなと思います。
――さきほどレッドキングのお話が出ましたが、『ウルトラマンZ』はストーリーも素晴らしく濃密で。特に第11話や第12話のエピソードというのは、子供向けの特撮作品の中でもなかなか描かれることがないテーマ性をはらんだストーリーでした。台本を受け取られた際に、監督からこのストーリーでのコンセプトなどはお話を聞いていましたか?
平野しっかりとした説明はありませんでしたが、解決点をどこに持っていくのかという話は現場でしていました。なんで怪獣を倒すのか、決まった答えはないんですよね。それは虫だとか、現実に生きている生き物にも共通しています。子供には難しい話かもしれませんが、大人になった時に分かってくれれば、というより自分なりの答えを見つけてくれれば、それでいいんです。すべてを理解してほしいわけでもないし、理解できない人ももちろんいると思います。もちろん大人でもわからない人、答えを導き出せない人はいると思います。人それぞれ違っていいんですから。『ウルトラマンZ』を観た人にはそれを分かってほしいなと思っていますし、自分なりの答えが見つかるといいと思っています。だからこそ僕は子供番組という意識はあまりしていなかったのではないかなと。
――最終回まであと少しですが、第11話~第14話までのドラマチックなエピソードを超えるような見どころはあるのでしょうか?
平野あります! 自分が演じる上でも、最終話はかなり苦労しました。やりがいもすごく感じられて。ストレイジのみんなでの絡みはもちろん、メンバー個人とのやり取りとか、ハルキが隊長のことをどう思っているのかとか、隊長の正体に関する部分や思惑とか、バコさんの温かさとか……とにかく見どころがいっぱいありますね。今はまだ語り切れません。終盤は本当に「こうなっていくのか!」という声が絶えず聞こえてくると思いますよ。特に最終話、ラストシーン、これまでのニュージェネレーションシリーズにもないような新しい形になっています。これからの衝撃展開の連続を楽しみにしていただければと思います(笑)。
――ご自身の中でも忘れられない時代、忘れられない作品に出会えたのではないでしょうか。
平野そう思っています。僕自身『ウルトラマンZ』を伝説的な作品にしたいと思っているのですが、撮影を終えた今はそれが確実に実現すると考えています。最終話の台本を読んで心の底から面白いと思えた作品であり、特撮のクオリティが圧倒的な作品であり、なおかつコロナ禍が起きた激動の時代の中で生まれた作品でした。
――最後に、ファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
平野『ウルトラマンZ』はどの世代の方が見ても本当に面白くて、何回見ても飽きない、新しい発見を楽しめる作品です。ぜひ怪獣やストレイジの施設や武器などの造形、ハルキの銃の持ち方など、僕たちがこだわっている細かなところまで注目して……最終話、ハルキとウルトラマンゼットの物語の終着点までお付き合いいただければと思います。
PROFILE
平野宏周(ひらの・こうしゅう)
1999年4月生まれ、神奈川県出身。俳優として、舞台『黒子のバスケ THE ENCOUNTER』早川充洋役や、初主演となる『ウルトラマンZ』ナツカワ ハルキ役で活躍。男性俳優ユニット・SUNPLUSのメンバーとしても活動中。
【あらすじ】
かつて、宇宙に飛び散った悪魔のカケラ。それは今なお、全宇宙を混乱に陥れていた。平和を取り戻すべくウルトラマンたちが宇宙中で戦うかたわら、このカケラを悪用して次々に惑星を滅ぼす謎の存在が卑劣な暗躍を続けていた。そしてその魔の手が、ついに「光の国」に迫る。颯爽と立ち向かうウルトラマンゼロと、その弟子・ウルトラマンゼット! 激戦の末、ゼットは一人で怪獣を追い、地球へと向かう――。一方、地球では、日常的に出現する怪獣に対抗するための防衛軍が組織されていた。対怪獣ロボット部隊「ストレイジ」。そしてそこには若き熱血漢・ナツカワ ハルキが所属していた。地球に宇宙怪獣が襲来したその時、ゼットとハルキは運命の出会いを果たす。ここに、若き二人の熱血バトルストーリーが幕を開けるのであった!
【STAFF】
監督:田口清隆 他/シリーズ構成:吹原幸太・田口清隆/脚本:吹原幸太・鈴木 智 他/監修:塚越隆行/企画:黒澤 桂・金木 勲・春山ゆきお・吉崎邦法・濵田健二/チーフプロデューサー:北浦嗣巳/プロデューサー:岸根 明・大石淳子・嵯峨隼人/音楽:安瀬 聖/音楽プロデューサー:関根陽一/キャラクターデザイン:後藤正行・楠 健吾/製作:円谷プロダクション・テレビ東京・電通
【CAST】
<出演>ナツカワ ハルキ:平野宏周/ナカシマ ヨウコ:松田リマ/オオタ ユカ:黒木ひかり/ヘビクラ ショウタ:青柳尊哉/カブラギ シンヤ:野田理人/イナバ コジロー:橋爪 淳/ クリヤマ長官:小倉久寛/朝倉リク:濱田龍臣 他
<声の出演>ウルトラマンゼット:畠中 祐/ウルトラマンゼロ:宮野真守 他
©円谷プロ ©ウルトラマンZ製作委員会・テレビ東京
ウルトラマンZ 公式サイト
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