インタビューココだけ | ガールズ&パンツァー 最終章
実はすごくコーヒーにこだわっているお店なんです 安 優希 サザコーヒー大洗店 店長 [ガールズ&パンツァー 大洗女子学園掲示板]
『ガールズ&パンツァー』の舞台・大洗で、より作品を身近に感じている方々に、作品と出会ったきっかけやエピソード、作品への思いなどを聞いていく『大洗町めぐり~大洗の今、そしてこれから~』。第33回はサザコーヒー大洗店 店長 安 優希さんにお話を伺いました。
実はすごくコーヒーにこだわっているお店なんです
──まずはサザコーヒーさんが大洗に出店することになった経緯からお願いします。
うちの本店は隣のひたちなか市にありまして、基本的には茨城県をメインに展開しているチェーン店なんです。最初は大洗に出店する予定はなかったんですけど、2011年の東日本大震災のあと、もともと入っていた別のチェーン店さんが撤退されてしまったんですね。それで町の商工会議所の相談を受けたうちの鈴木(誉志男)会長が、ここに出店することを決めました。
▲サザコーヒー大洗店
住所:茨城県東茨城郡大洗町港中央11-2(大洗シーサイドステーション内)
営業時間:10:30~18:30(ラストオーダー18:00)
営業時間:10:00~19:00
※緊急事態宣言により営業時間が変更となっている場合がございます
──安さんはその当時からサザコーヒーに務めておられたのですか?
いえ、私は大洗店ができて5年くらいしてから入りました。でも、おかげさまでこの店もオープンして10年になりますから、その半分くらいは勤めさせていただいたことになりますね。
──サザコーヒーさんとしての最大の売りというのは?
大洗店というと『ガルパン』のイメージが強い方も多いと思うんですけど、サザコーヒー自体は実はかなりコーヒーに特化したお店なんです。例えば、バリスタの競技会というものが毎年開かれているんですけど、そこにも積極的に参加するようにしていまして、トップ6人中、3人がサザコーヒーのメンバーで占められていたこともありました。かくいう私もその競技会に参加させていただきまして。去年は出られなかったんですけど、ありがたいことに一昨年は全国大会で4位に入ることができました。
一方では世界一高いコーヒー豆を落札したりだとか。とにかく一般的なチェーン店では考えられないほどコーヒーに対するこだわりが強いお店なんです。また支店によってお客様の層も違いますから、そこはニーズに合わせて、少しずつカスタマイズするようにも心がけています。
──そんなコーヒーへの愛情とこだわりの深いサザコーヒーさんですが、ここ大洗店における一番の人気メニューというのは?
一番は「マリー様のモンブランケーキ」ですね。『最終章』第1話に出てきたモンブランケーキを、うちの社長が「ぜひあれを再現してみたい」と商品開発を始めたのがきっかけでした。それを制作スタッフ様にご監修いただき、発売させていただいたのがあのケーキなんです。おかげさまでご好評をあずかり、いつもオープン前から10人くらい、多いときは40人くらいのお客様が行列を作ってくださるほどの人気商品になりました。
また店内ではモンブランケーキとセットで、大洗女子学園、BC自由学園、知波単学園、黒森峰女学園、それぞれとコラボしたコーヒーか紅茶を週替わり、不定期でお出ししています。あとはお持ち帰りの「サザカップオン」という、お湯を注ぐだけのドリップ式のコーヒーですね。これも大洗店の人気商品になっています。コーヒー豆ですと、大洗店のオリジナルブレンドである大洗女子学園モチーフのものが一番よく売れています。
──ちなみに『ガルパン』コラボ以外の人気メニューというのは?
先ほど申し上げた〈世界一高い豆〉を使ったコーヒー。エチオピアの「ゲイシャ村」で獲れるという稀少品種なんですけど、香りと味がものすごく良いんです。それだけに、お値段は1杯千円ほど。また常時置いているわけではないんですが、これの最高級のものですと1杯2万円くらいは頂戴しています。
あとは「徳川将軍珈琲」--水戸らしく最後の将軍・徳川慶喜公にちなんだコーヒーもお出ししています。「マリー様のモンブランケーキ」ともども、けっこう味わってくださる『ガルパン』ファンのみなさんも多いんですよ。こだわりの強い方が多いせいか、「一体、一食あたりいくら使うんだろう?」って、こっちが心配になるくらい、みなさんよくオーダーしてくださいます(笑)。
──そもそもサザコーヒーさんが『ガルパン』とのコラボを始められたきっかけは何だったのでしょうか?
やっぱり鈴木社長が『ガルパン』を観て、一気にファンになってしまったのが大きいですね。いったんのめり込むと、とことんやらないと気が済まないタイプなので(笑)。それで大洗店と『ガルパン』を強く結び付けたいということで、ここ数年で様々なコラボを展開させていただくようになったんです。
──安さんご自身も『ガルパン』はご覧になってらっしゃいますか?
もちろんです。テレビシリーズはもとより、アンツィオ戦のOVAから『劇場版』、『最終章』第1話まで観ました。2話は残念ながらまだですが、早く観たいと思っています。 ただ、うちの上司が歴史に詳しいものですから、「あの戦車はコレコレこういう戦いで活躍したものだ」と、やたらと説明してくださるんですね。一方、キャラとかドラマについては私のほうが通じていますから、いつもお互いに解説しあいながら鑑賞している感じですね(笑)。
──お気に入りのキャラは誰でしょう?
それぞれのキャラについてあまりにも詳しい方が多いので、特に「コレ!」というキャラを挙げるのは難しいんですけど、強いて言えば大洗女子学園のチームでしょうか。一番よく知っているということもありますけど。それと戦車についても面白く観られるようになりました。うちの上司ほど詳しくはなれませんが、もしあの映像を4D上映とかで観たらなお迫力が増すんだろうなって、勝手に想像してワクワクしています。
カワイイ女の子たちもいっぱい出てきますし、カッコイイ戦車も次々に登場してくる。そういう意味では、本当に幅広い層にアピールできる素晴らしい作品だと思います。
──特に印象に残っているシーンなどはありますか?
特定のシーンというわけではありませんけど、音楽はすごく印象に残りましたね。中でも"カチューシャ"がしばらく耳から離れませんでした(笑)。
──お店に訪れるファンの方々の印象がいかがでしょう?
お世辞抜きに、本当に良い印象の方ばかりですね。あんこう祭のときなんかでも、みなさん礼儀正しく並んでくださいますし、お薦めしたメニューも即座にオーダーしてくださいます。この大洗町に対するみなさんの愛情をひしひしと感じますね。こう言っては何なのですが、よそのお店に比べると格段にクレームが少ないし、また売り上げも良いんです。大洗が『ガルパン』の舞台になったことで、私たちも大変うれしい状況になっています。もう本当に「ありがとうございます!」の言葉しかありません。
──参考までにお聞きしますが、男性と女性、対比的にはいかがでしょうか?
『ガルパン』ファンで言うと、やはり女性よりは男性のお客様が多いと思います。実感としては7:3か、8:2くらいの印象でしょうか。でも、さっきお話しした「マリー様のモンブランケーキ」なんかは、実は中に生クリームがぎっしり詰まっていたりして、なかなかのボリュームなんですよ。男性でも途中で苦戦されている方が多いみたいですね(笑)。
──ところでサザコーヒーさんの大洗店は『最終章』の第2話に登場しましたが、事前に制作スタッフによるロケハンなどはあったのでしょうか?
そうですね、だいぶ前に取材が入るという話は聞かされていました。でも、まだその当時は店として今ほど『ガルパン』推しではなかったので、ちょっと戸惑ってしまいました。でも、ちょうどその前後に『カンブリア宮殿』というテレビ番組で大洗店を取り上げていただきまして、それとの相乗効果もあってか、一時期は本当に忙しかったですね。
──となると、劇中に描かれていた旧生徒会(カメさん)チームが座っていた席も奪い合いになっているのではありませんか?
並ぶほどではありませんでしたけど、席が空くと、すぐにそこへ座られるファンの方は多い気がします。私はまだ観てないんですけど、どうやら彼女たち、うちの定番メニューであるイチゴのムースタルトを食べていたみたいですね。まだ「マリー様のモンブランケーキ」が出る前のタイミングでしたので、スタッフさんたちがいらっしゃった際、たまたまお出ししたメニューだったのかもしれません。
──ファンが何度も足を運ぶ、この大洗の魅力はどこにあると思いますか?
赴任したばかりだった頃、私もまだ町の様子がよくわからなくて、最初はあまりピンとこなかったんです。でも『ガルパン』を観ているうちに、「あ、ここ見覚えがある」っていう感じで、どんどん親しみが沸くようになりました。それこそ、大洗を訪れるファンのみなさんと同じような感覚だったのかもしれません。私がこうしてこの町の素晴らしさを再認識できたのも、本当に『ガルパン』のおかげだと思っています。でも正直申し上げますと、ここは古くからの漁師町のせいか、地元のみなさんの言葉遣いが少々荒っぽいので、最初はちょっとビビッていました(笑)。でも実際に馴染んでみれば、みなさんお優しい方ばかり。海や山という自然にも恵まれていますし、本当にアットホームな町なんだなあということを再認識させていただきました。
──最後にサザコーヒー大洗店さんとしての今後の抱負をお聞かせください。
ここ最近の新型コロナウィルス問題で、「行きたくても行けない!」というお客様が数多くいらっしゃると思います。私たちとしても、そんなみなさんの胸の内が痛いほどよくわかります。ですから、1日も早く緊急事態宣言が解除され、コロナ禍が沈静化することを願ってやみません。その暁には、私たちも心から「お帰りなさい」とお迎えしたいと思っています。
──ありがとうございます。それでは次の方のご紹介をお願いします。
本屋さんの江口又新堂(えぐち・ゆうしんどう)さんに廻させていただきます。江口さん、よろしくお願いします。
PROFILE
安 優希(やす・ゆうき)
茨城県ひたちなか市出身。水戸市内の調理師専門学校時代、サザコーヒーから派遣されていた講師の誘いを受けて2015年4月に同社へ入社。以来、大洗店勤務と併行してバリスタ修業に努め、現在は同店の店長として活躍する。好きなアニメは宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』、ディズニー作品各種とのこと。
『ガールズ&パンツァー 最終章』第3話 2021年3月26日(金)劇場上映!
▼TVシリーズ&OVA&「劇場版」公式サイト
http://girls-und-panzer.jp
▼「最終章」公式サイト
http://girls-und-panzer-finale.jp/
▼ガールズ&パンツァー 公式Twitter
@garupan
©GIRLS und PANZER Finale Projekt
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