『舞台「幽☆遊☆白書」其の弐』Blu-ray & DVD発売記念! 朱雀役・木津つばさ インタビュー [舞台「幽☆遊☆白書」BD&DVD特集サイト]
「週刊少年ジャンプ」で連載された冨樫義博の大人気漫画を見事に舞台化し、大好評を博した『舞台「幽☆遊☆白書」』。その第2弾である『舞台「幽☆遊☆白書」其の弐』のBlu-ray & DVDが、5月26日に発売される。それに先がけて、四聖獣のリーダー・朱雀を演じた木津つばささんのインタビューをお届け。今まで演じたことのないタイプのキャラクターへの挑戦や、舞台裏でのエピソードなど、たっぷり語っていただいた。
──まずは「幽☆遊☆白書」との出会いを教えてください。
たまたま動画配信サービスでアニメ版を観たのが最初ですね。家族や友達など『幽☆遊☆白書』を好きな人が周りにいたので、作品名はずっと前から知っていたんですけど。話数も多いテレビアニメをレンタルショップで借りて観るのって、なかなかきっかけがないと難しいじゃないですか。でも今は自宅で気軽に観られるのがありがたいですよね。観たのは、舞台化される2年くらい前だったので、自分が『幽☆遊☆白書』に関われるなんて、当時は全然思わなかったです。
──アニメのご感想や、好きなキャラクターを教えてください。
もともとアニメが大好きで、最近のアニメはたくさん観ているんです。『幽☆遊☆白書』は僕が生まれる前の作品なんですけど、最近のアニメに慣れた僕からしても、少年心をくすぐられるバトルシーンがたくさんあって最高だと思いました。好きなキャラというか、アニメを観たときに一番気になったのは戸愚呂兄弟ですかね。今回の舞台にもあった初登場シーンをアニメで観たときに、「絶対に今回で出番が終わりじゃないオーラがある」って感じました(笑)。味方サイドだと、ギャップにやられたのはコエンマですね。かわいくてコミカルなキャラクターだと思っていたら、あんなにイケメンになるなんてびっくり。あとは、話が進むにつれて桑原の男らしさに気づいて……でも、最終的に一番かっこいいと思ったのはやっぱり幽助かもしれません。
──第2弾からの参加ということで、プレッシャーはありましたか?
人気原作ですし、すごい役者の方々と一緒に舞台に立てるということで緊張しました。しかも朱雀は、第一幕のボスという立ち位置ですから。公演中も自分の出番が近づくにつれて、胸が熱くなってくると同時に、ものすごい緊張感がありました。でも、コロナ禍という状況下で、最後まで舞台をやれるということ自体、本当に貴重な経験だと思いますし、すごくありがたいことだったなと改めて感じています。2020年最高の思い出になりました。
──朱雀役として出演することが発表されたときの反響はいかがでしたか?
戸愚呂兄弟と一緒に発表されたので、そっちに注目が集まってしまった感じはありますね……(笑)。青龍役の榎木(智一)さんと、「やっぱり戸愚呂はすごいね」「僕らも頑張らないと」と話した記憶があります。それから、原作が大好きなマネージャーが誰よりも喜んでくれて(笑)。ファンの人たちにも世代の方が多いのか、楽しみだという反応をたくさんもらいました。周りの人の反応から、期待値の高さをすごく感じましたね。
──朱雀の印象や、役作りで難しかった点について教えてください。
朱雀は気品がある四聖獣のリーダーです。でも僕自身は今23歳で、どちらかと言えば年少のポジションですし、上に立つような役をあまり経験したことがなかったんですね。だから役作りするうえで、演出のお三方からは「殻を破れ」と言われていました。なので、殻を破ってもっと高みに行けるように、立ち姿や振る舞いも含めて、かなり試行錯誤しましたね。第一幕のボスという立ち位置ですが、稽古や公演を重ねるうちに「いつか幽助に勝てるときがくるんじゃないかな?」と思うくらい、熱い気持ちでした。
──幽助との戦闘シーンで、とくに大変だったことはありますか?
幽助と2人のシーンが15分くらいずっと続くので、最初に稽古をしたとき「体力的にも大丈夫か?」と心配になりましたね。しかも左手に虫笛をずっと持っているので、右手だけで殺陣をやらないといけないんです。おかげで、そっちだけめちゃくちゃ筋肉がつきました(笑)。それにこっちは妖怪なので、人間離れした動きを見せたいなと思ってやっていました。
──朱雀といえば、「六獄暗黒雷光波」などの必殺技も印象的ですよね。技名が大きく表示されるのもインパクトがありました。
必殺技を叫ぶときは本当に気持ちよかったです! 周りのみんなからも「楽しそうだね」って言われました(笑)。漢字の字面もかっこいいので、技名が表示されるのも最高ですよね。僕自身は技を出すとき客席を向いているので、本番中は背後の文字が見えないんですけど、映像で確認したときにめちゃくちゃテンションが上がりました。
──演出が伊藤栄之進(御笠ノ忠次)さん、加古臨王さん、荒木宏文さんの3人体制でしたが、稽古はどうやって進んでいったんでしょうか?
それぞれ違う視点を持っているお三方が、稽古前に話し合いをして、最終的に目指す一本の道を決めてからダメ出しをしてくれるので、僕たちとしてはすごくわかりやすかったですね。お三方の間でちゃんと共通認識があるうえに、荒木さんはコエンマ役として楽屋にいてくれるので、何か気になったときにすぐ質問できるんです。ずっと寄り添ってもらっているような心強さがありました。
──稽古中に言われた印象的な言葉やダメ出しはありますか?
第一幕は桑原のアドリブシーンなどもあって、けっこう面白いところが多いんです。でもリーダーである朱雀が出てくると、ガラっとシリアスな空気に変わるんですね。なので、第一幕のボスとして「劇場の空間を支配しろ」という言葉をもらいました。空間を支配するという意識は、それまでの自分に欠けていたかもしれないと気づけたので、そこを見抜いてくださったことに感謝しています。今までに演じたことがないキャラクターだったこともあって、とにかくいろんなアプローチに挑戦して、試行錯誤できたのが楽しかったですね。公演が始まってからは、それぞれがホテルの部屋にいて、Zoomでダメ出しをもらっていたんですけど、そこで「づっつー、変わったね」と褒めてもらえたことはすごく印象に残っています。僕、“づっつー”って呼ばれてるんですよ。名前がつばさの人が他にもいたので(笑)。そうやって褒めてもらえたときは、嬉しすぎて泣きそうでした。
──変わったというのは、何かきっかけがあったんでしょうか? もしくは試行錯誤を繰り返すうちに……という感じでしょうか?
演出の伊藤さんにもお話したんですけど、僕は答えが出てしまうのが好きじゃないんです。明確な一つの答えが出ないからこそ、それを探そうとして、いろいろ試す楽しさや難しさがあるわけじゃないですか。芝居に限った話じゃないと思うんですけど、答えにたどり着くとそこで終わっちゃうし、型にはまってしまう気がして。そういう気持ちがあるので、正解らしきものにたどり着きそうになったら、あえてちょっと違うアプローチをしてみたり、他の道を探してみたりするんですね。だから、はっきりとしたきっかけがあったというよりは、積極的にいろんな表現を試した結果、いい方向の道を見つけられたときに「変わった」と言ってもらえたのかなって。そういうときは崎山(つばさ)兄さんとも、「今日はやばいくらいよかったね」という話になりました。試行錯誤を繰り返して、成長できたと思います。
──浦飯幽助、桑原和真、蔵馬、飛影を演じるキャストの方々の印象を教えてください。
幽助役の崎山兄さんとは、それこそ舞台「幽☆遊☆白書」第1弾の大阪公演中に初めて出会いました。僕も別の舞台に出演中で、大阪にいたんです。それで共通の知り合いに紹介してもらって、みんなで一緒にお風呂に行きました(笑)。そこで舞台「幽☆遊☆白書」に出演中だと聞いて「幽☆遊☆白書か~、いいなぁ」と思った記憶があります。その後、朱雀役のお話をいただいたので、「あのときお風呂で話したやつ!」って、まず思いました(笑)。崎山兄さんの印象といえば、日本らしい趣のある人ですね。温泉も好きだし、神社巡りとかも好きなので。座長としても頼れる存在ですし、今回共演できて本当に嬉しかったです。
──桑原を演じる郷本さんはいかがですか? 今回は、とくに白虎戦の一人芝居が衝撃的でした。
あれこそ空間支配能力が必要ですよね。めちゃくちゃ羨ましいし、分けてほしい! 郷本さんは公演中もとにかく楽しそうで、後輩の僕がいうのもおこがましいんですが、お芝居を心底楽しんでいるのが伝わってくるんですよ。今回初めてご一緒させていただいたので、背も大きいし、怖い先輩なのかなって最初のころは正直ビビってたんですけど(笑)。でも体に負けないくらい器も大きい方で、みんなのパパみたいな人ですね。心とガタイと声の大きさを尊敬してます(笑)!
──続いて、蔵馬役の鈴木拡樹さんについてはいかがでしょう。
拡樹くんも舞台でご一緒したのは初めてでした。同じ舞台シリーズに出演していても、なかなか公演が重ならなかったりして……。よく覚えているのは、映像作品の撮影現場で初めてお会いしたときのことですね。早朝だったんですけど、拡樹くんの背後にある木の間から太陽の光が照らしていて、まるで後光が差しているみたいだったんですよ。その姿で「おはよう」って言われたので、そのときから拡樹くんのことは神様だと思っています(笑)。本当に、そう思ってしまうくらい度量の広い人なんですよ。でも、いきなり好きなアニメの話をし始めたり、携帯電話を家に置いてきちゃったという可愛い話を聞かせてくれたりもするので、神様って意外に親しみやすいところもあるんだなと思いました(笑)。
──では最後に、飛影役の橋本祥平さんの印象を教えてください。
祥平くんは僕の兄貴ですね。僕が2.5次元という世界に初めて足を踏み入れた作品で、共演させていただいた先輩なんです。当時僕は17歳で、自分のことでいっぱいいっぱいだったので、そんなに話す機会はなかったんですけど。今回また共演させていただいて、「おまえはいいやつだな」って祥平くんに言ってもらったときは、自分が今まで進んできた道は間違ってなかったんだなと思えて、すごく嬉しかったですね。あと、祥平くんは今まで年下キャラだったらしいんですけど、年下の僕が入ってきたことで「ポジションを奪われる!」という危機感があったみたいで(笑)。でもきっかけを作って、みんなとの話に僕が入りやすいようにしてくれたり、休憩中に駄菓子をくれたりして、本当に素敵なお兄ちゃんです。
──カンパニーの雰囲気についてはいかがでしたか? 舞台裏のエピソードなどがあれば教えてください。
和気あいあいとした、すごくいいカンパニーでした。その中での盛り上げ役は、やっぱり祥平くんでしたね。例えば公演中に祥平くんの誕生日があったんですけど、みんながプレゼントしたグッズを身に着けてノリノリでモノマネをし始めたりして……。27歳になったばかりの先輩がハイテンションで騒いでいると、年下の僕としては「どうしよう、参加しないと」ってなりますよね(笑)。みんな疲れているはずなのに、1人がはしゃぎだしたら、それにノったり、一緒になって笑ったりする空気感がありました。きっとバックステージの映像でも、そんな仲のいい雰囲気が伝わると思います!
──朱雀のシーン以外で、印象的だったシーンや好きなシーンはありますか?
感動したのは幽助の霊丸ですね。指先から打っているように見せるために、場当たりの際に霊丸の位置確認をするんですけど、そのときから僕はすでに感動してました。前作の映像を観て、もちろん霊丸を打つことはわかっているんですけど、間近で見るとテンションが上がっちゃって。しかも大千穐楽ではキャストみんなで霊丸をやろうとなったので、「いいんですか!?」って(笑)。僕の両サイドに荒木さんと榎木さんが立っていたんですけど、かっこよくポーズを決めるお二人に挟まれて、僕だけが子どもみたいにはしゃいでたと思います。あの瞬間は完全にただのファンでした(笑)。
──もし続編があってまた出演することができたとしたら、演じてみたいキャラクターはいますか?
個人的に一番楽しみなのは、妖狐蔵馬のシーンなんですよね。なので、それを一番近くで見るために裏浦島役に立候補したいなと(笑)。でも、頭身とかを考えると裏浦島は難しいかな……朱雀と近い役どころだと、リーダーポジションの死々若丸の方がまだ可能性がありますかね? いや、それでも、妖狐蔵馬に一番近づける裏浦島がいいですね。朱雀をやったあとに裏浦島をやったら、ギャップがすごく大きいぶん、さらに自分の殻を破れるんじゃないかなと思います(笑)!
──最後にファンのみなさまへメッセージをお願いします。
前作があってこその“其の弐”なので、前作をまだ観ていない方はそちらから楽しんでいただけたらなと思います。そして、かっこいい幽助たちやインパクトのある戸愚呂兄弟はもちろんですが、四聖獣チームの応援もよろしくお願いします! みんなの熱い気持ちがこもった作品なので、購入してぜひ感想をつぶやいていただけたらなと。そしたら僕がエゴサーチして見つけますから(笑)。みなさんの声があれば、暗黒武術会編も舞台化されるかもしれませんので、今後も応援よろしくお願いします。
<Blu-ray&DVD>
舞台「幽☆遊☆白書」其の弐 Blu-ray & DVD
2021年5月26日(水)発売!
発売日:2021年5月26日(水)
Blu-ray ¥9,680(税込)
BCXE-1630/¥9,680(税込)/265分(本編ディスク:132分+特典ディスク:133分)
リニアPCM(ステレオ)/AVC/BD50G×2枚/16:9<1080i High Definition>
DVD ¥8,580(税込)
BCBE-5056/¥8,580(税込)/265分(本編ディスク:132分+特典ディスク:133分)
ドルビーデジタル(ステレオ)/片面2層×2枚/16:9(スクイーズ)/ビスタサイズ
収録内容
・本編(2020年12月30日京都公演大千穐楽の模様を収録)
映像特典
・バックステージ映像
・ビジュアル撮影メイキング
・カーテンコール集
・日替わりパート集
・ファンキャス配信クリスマス特典映像ダイジェスト
音声特典
・第1幕オーディオコメンタリー(出演:崎山つばさ、郷本直也)
封入特典
・ブックレット(16P)
仕様
・新規ビジュアル使用インナージャケット
・スリーブケース
発売・販売元:バンダイナムコアーツ
※収録内容、特典、仕様等は予告なく変更になる場合がございます。
▼舞台「幽☆遊☆白書」 公式サイト
http://officeendless.com/sp/yuhaku/
▼舞台「幽☆遊☆白書」 公式Twitter
@yuhaku_stage
©舞台「幽☆遊☆白書」其の弐製作委員会
©Yoshihiro Togashi 1990年-1994年