『月とライカと吸血姫』第1話~第7話振り返りスペシャルコラム! 「 吸血鬼イリナの宇宙飛行士への道」
10月からTVアニメが放送中の『月とライカと吸血姫(ノスフェラトゥ)』は、「ガガガ文庫」(小学館)にて2016年から原作小説の刊行がスタートし、2018年には「このライトノベルがすごい!」の文庫部門で4位にランクインした人気作。吸血鬼の少女と宇宙飛行士候補生の青年が、種族の壁を越えて宇宙を目指す異色のストーリーだ。原作者の牧野圭祐がシリーズ構成を担当、主人公である吸血鬼の少女・イリナを林原めぐみが演じることなどが大きな話題に。今回は、そんな本作の第1章ともいうべき第7話までのストーリーを振り返りながら、見どころをたっぷりご紹介!
宇宙開発競争が激化する世界。
人の代わりに宇宙に送り出されることになった吸血鬼の少女・イリナ。
宇宙飛行士になるための訓練の日々、
そして宇宙へと旅立ったその日までを描く第1話~第7話!
舞台は、東のツィルニトラ共和国連邦、西のアーナック連合王国という二つの超大国が、激しい宇宙開発競争を繰り広げる世界。本作で描かれるのは、東の共和国側のストーリー。
初めて犬の宇宙飛行に成功した共和国は、いよいよ有人宇宙飛行計画のために動き出す。共和国の力を世界中に示すために始まったのが、有人宇宙飛行計画『ミェチタ計画』。そして、その実験飛行として秘密裏に『ノスフェラトゥ計画』と呼ばれる人間とよく似て異なる吸血鬼を宇宙に送るという衝撃的な計画が開始された。“人間ではないから”前人未到の宇宙飛行の実験に使っても、“人類初”の偉業には差し支えないという理由で、吸血鬼が実験体に選ばれてしまうのだが、なんとも恐ろしい理屈である。
そんな計画でもデータを取る以上、しっかりと訓練自体は行わなければならない。そこで吸血鬼の訓練と監督を担うことになったのが宇宙飛行士候補生補欠のレフ・レプス(CV:内山昂輝)。彼は、実験体として選ばれた吸血鬼の少女イリナ・ルミネスク(CV:林原めぐみ)と共に昼夜逆転の生活をしながら、彼女の宇宙飛行の日まで訓練を共にすることになる。
完璧に見えたイリナに、宇宙飛行士としては致命的な弱点が・・・
吸血鬼は国内で“呪われし種族”として忌み嫌われており、エリート中のエリートとして選ばれたはずの候補生や、訓練センターの職員さえ、彼女に差別的な態度をとる始末……。しかしそんな周囲の環境の中、イリナは、数々の嫌がらせにも負けず、厳しい訓練を見事にクリアしていく。しかし、そんな完璧に見えるイリナには、実は「高所恐怖症」という致命的な弱点があった。
彼女にとって最大の難関だったパラシュート降下訓練は、レフが荒療治を行いなんとか克服。献身的なレフと、イリナが「高所恐怖症」を克服して見せた笑顔に、心打たれた視聴者も多いはず!
心を少しずつ開いていくイリナ、日常の中で見せる豊かな表情に注目!
第7話までの大きな見どころといえば、レフとイリナが同じ夢を持つ同志として、だんだん心を通わせていくシーン。レフは訓練に励むイリナを見守り、彼女を知っていくうちに、自身持っていた吸血鬼のイメージが間違っていたことを知り、月に行きたいという彼女の夢を叶えさせたいと強く思うようになる。
両親を殺した人間が嫌いだったイリナもまた、レフの誠実さや優しさに触れて、すべての人間が悪ではないことを知っていく。最初はクールな印象だったイリナが、レモン入り炭酸の美味しさに笑みを浮かべたり、ジャズバーで酔った姿を見せたり、月への憧れを打ち明けたりと、毎話いろんな表情を見せてくれるようになっていく変化を味わってほしい。とくに第4話の月の下でスケートをする幻想的なシーンには注目!
また、イリナと体調管理を担当する研究員のアーニャ(CV: 木野日菜)との関係も見逃せない! イリナへ冷やかな目を向けるキャラクターが多いなかで、彼女を“イリニャン”と呼んで、仲良くなろうとするアーニャの存在はまさに“癒しキャラ”。そんな彼女だが、第3話で、吸血鬼の自分が怖くないのかと尋ねるイリナに答えた、「恐怖を克服する唯一の方法は相手を知ること」というアーニャのセリフもこの作品の一つのテーマを示していて印象的だ。
迎えた運命の日!イリナが宇宙へと飛び立つ―!
打ち上げ予定日が近づいて、レフとイリナ2人の信頼が深まっていく一方で、大きな不安も。
それは、成功確率が打ち上げ間近で3割しかない宇宙飛行の危険性と、あくまでも実験体というイリナ自身の存在の危うさ。訓練中に『パールスヌイ6号』の事故現場を目撃したイリナは、ショックから悪夢に悩まされるようになり、訓練ができない状態に。さらに、イリナの宇宙飛行をよく思わない人間に機器トラブルに見せかけて殺されかけたり、彼女を守るため上官に反抗してレフが連行されてしまったりするなど、打ち上げを目の前にして次から次へとトラブルが発生。
また、万全の状態で打ち上げできるよう延期すべきという現場の声も、どの国よりも先んじて宇宙飛行を成功させるという国家の目的の前に無視され、計画は進んでしまう。そのうえ、無事に地球へ帰還しても、他国へ落下した場合は、機密を守るためにイリナの乗ったキャビンは爆破されてしまうという可能性も……。そうした数々の苦難を乗り越え、無事帰れるのかという不安を抱えながらも、第7話ではついにイリナが宇宙へと飛び立つ!
人間より先に、史上初の宇宙飛行士となった彼女が見た宇宙の美しさや、レフだけに伝わるよう発したメッセージは感動的だった。
いよいよ第2章の幕開けとなる第8話では、レフが宇宙飛行士候補生に復帰し、人類初の有人宇宙飛行に向けた選抜試験が行われることに。レフの宇宙への夢は、そして実験体という扱いを受けるイリナは今後どうなってしまうのか……。今後の展開もお楽しみに!
文・中島文華
新章突入!最新PV公開!
<前半クライマックス直前>第6話までの振り返りPV公開!
TVアニメ「月とライカと吸血姫(ノスフェラトゥ)」作品情報
テレビ東京、BS日テレ、サンテレビ、KBS京都にて好評放送中!
▼月とライカと吸血姫公式サイト
tsuki-laika-nosferatu.com
▼月とライカと吸血姫公式Twitter
@LAIKA_anime
© 牧野圭祐・小学館/「月とライカと吸血姫」製作委員会