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『ウィッチ』のアフレコを振り返る! 小林裕介(多華宮 仄役)×瀬戸麻沙美(火々里綾火役)Blu-ray BOX発売記念インタビュー[前編]【ウィッチクラフトワークスBlu-ray BOX特集サイト:ウィッチダイアリー】

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『ウィッチクラフトワークス』で、主人公・多華宮仄役を務めた小林裕介さんと、ヒロイン・火々里綾火役を務めた瀬戸麻沙美さん。小林さんにとっての初主演作となり、瀬戸さんにとっても試行錯誤の時期だったという『ウィッチ』について振り返ってもらう対談企画。前編では、当時の現場に向かう心境を中心に話してもらった。

駅チカのトイレで時間を潰していた、『ウィッチ』のアフレコ

──2014年に放送された作品『ウィッチクラフトワークス』ですが、原作がクライマックスを迎えたことを記念して、Blu-ray BOXが発売されることになりました。今振り返って、作品に対する率直な印象を聞かせてください。小林さんは初主演作でしたが――。

小林そうですね……僕は収録前、必ずスタジオ最寄り駅の近くにある家電量販店のトイレに籠もっていて……。

瀬戸そうなの?

小林アフレコには遅刻しないように、必ず一時間前には最寄り駅にいました。でも、現場で待っている時間がキツイから、トイレで自分を励ましていたんです。「大丈夫、今日もできるはずだ」と。多華宮くんって、セリフ量が膨大だったんですよ。

──半端ない量ですよね。

小林本当に! それ以降いろんな現場に参加しましたが、あそこまで喋る役は滅多にありません。当時、僕はアフレコを数回しか経験していない状態だったので、セリフ量に対してどんなに尺が短くても、きちんと収めきるのがプロだと思っていたんです。でも「これはセリフが入リきらないからカットで」と現場であっさり言われたり(笑)。それくらいわからないことだらけで、翻弄されていました。だから約8年前ですけど、思い出すと今でもちょっと胃が痛い……(笑)。

瀬戸その話を聞くだけで緊張感が伝わってくる(笑)。当時は一緒に収録するキャストの人数も多かったし、スタジオの空気感も(コロナ禍で人が集まれない)今とは全然違って。しかも、第一線で活躍されている先輩方ばかり。私個人としては、火々里さんはクールで大人っぽい子だけど、小娘が大人ぶった演技をするのは嫌だなと思っていて。だけど、当時20歳そこそこの自分は引き出しが少なかったから、どういう風に作り上げていこうか、色々な面で試行錯誤していました。

現場での振る舞い方に迷走していた『ウィッチ』のあの頃

瀬戸作品のキャラクターのことだけではなく、自分の立ち位置とか、先輩たちがいる中での見られ方とか。今だったらそういう感情はないですけど、現場で「どう見られるか」を気にしていた時期だったんです。

──おふたりとも、役に取り組むだけではなくて、そういった周りの状況や自分の立ち位置にも緊張や不安を感じていたんですね。

瀬戸小林さんとははじめましての現場だったので、どう接したら良いのかけっこう考えました。小林さんもきっとそう思っていたと思うのですが(笑)。

小林超クールだったんですよ、瀬戸さん。「集中してます」オーラが強くてなかなか話せず(笑)。ちゃんと話せたのは最終回の前後でした。

瀬戸当時、私が迷走していたんですよね。特に現場での振る舞い方に関して。おそらく、現場で余計なことを喋らないスタンスでやってみようとしていたんじゃないかな。今考えたら、ただ単に余裕がなかった。その分、先輩方や周りの人が現場の空気を作ってくれていたんだなと感謝しています。

──小林さんは最終回までやりきったとき、達成感はありましたか?

小林やっている最中はそれどころじゃなかったのですが、達成感はありましたね。とにかく座長としてやりきれたというのは、その後の声優人生にも繋がったのかなと思います。でもさっき瀬戸さんがおっしゃったように、現場で先輩方がたくさんフォローをしてくださいました。特に霞役の茅野(愛衣)さんが良くしてくださって。今の自分はもうそろそろ現場の雰囲気を支える側、作り出す側だと思っているので、『ウィッチ』のときの先輩たちの振る舞いを真似することもあります。

『ウィッチ』は愛情の物語。力は愛です

──『ウィッチ』という作品自体にはどのような印象を持っていますか?

小林人間ドラマももちろんですが、映像作品としてひとつの絵画を見ているかのようですよね。原作からして描き込みが細かい作品で、それが大きな特徴だったと思うのですが、それをしっかりと汲んだ上で色彩も素晴らしくて。画だけですべて説明できるんじゃないか、と思うくらいの映像美があると思います。

瀬戸色鮮やかさの話にも繋がるかもしれませんが、摩訶ロンやウサギ兵士など、魔女以外にも色んなキャラがたくさんいたなっていう印象です(笑)。そのひとつひとつが細かく動いたりしていて、画面のどこを見ても目が追いつかないくらいの情報量で。物語としては、火々里さんがとてつもなく大きな愛を持っていて。すべてを多華宮くんに捧げる、愛情の物語ですよね。力は愛です。

──力で包み込むような綾火の愛ですね。

瀬戸多華宮くんのためならなんでもしますからね。でも、多華宮くんの言うことをすべて素直に聞き入れるかと思ったらそうでない頑固なところもあったり。表情にこそ出ませんけど、行動にはわりと出てしまうタイプなので、よくよく見ると可愛らしい人間だと思います。ただ普段は無口なので、私が声で表現する場面は少なかったですが(笑)。

──多華宮くんのキャラクターを、小林さんはどのように受け止めていましたか?

小林漫画原作を読んだときから思っていたのは、嫌らしさが一切ない、純粋無垢な人ですよね。でも倫理観はしっかりしていて、ザ・普通の人間。でも、この世界の中では逆に異質というか、みんなが破天荒なので。

──普通であることがレアに。

小林普通を心がけて演じていくうちにキャラクターが立ってくるんじゃないかなと思っていましたし、その普通さが火々里さんにも刺さったと思っていましたね。

多華宮くんは見返り云々じゃない、善意の人

──ご自身がキャラクターと似ているな、と思ったところはありますか?

小林どこだろう?

瀬戸小林さんだったら、気遣い屋さんなところじゃない? けっこう自分から後輩たちに声をかけて遊んでいる印象。

小林そうですね。人から声をかけられないので、自分から声をかけていかないと(笑)。そこは多華宮くんとは真逆かも。彼は善意で“僕がやらなきゃ”って思っているけど、僕は“自分がやるんだろうな、これ”っていう消極的姿勢なので。

──それも気遣いの一種ではありますが。

小林見返りを求めちゃうんですよね、そういう気持ちは。

瀬戸誘ってるんだからみんな来て、みたいな(笑)?

小林そう考えると多華宮くんは見返り云々じゃない。そういう人間になりたいですね……(笑)。

瀬戸憧れが(笑)。私が火々里さんに似ているところは……ないよね?

小林友達はすごく大切にするんじゃない?

瀬戸ああ、確かに。一回、友達となれば、その人を絶対に信じるというか。そういうところは似てるかもしれないです。自分が信じてしまえば、裏切られても自分のせいにできるじゃないですか。一方で、オンラインゲームの中でしか出会わない人とかにはちょっと厳しいかも(笑)。

『ウィッチ』は、セリフの尺が難しかった

――ちなみに小林さんは、水島努監督や岩浪美和音響監督からどのようなディレクションを受けましたか?

小林それがまったく覚えていないんですよ(笑)。

瀬戸水島さんと岩浪さんって、私の中では業界屈指の言葉数が少ない監督さん、ディレクターさんという印象で(笑)。収録の際は自分でキャラを見つけていく感じでした。

小林それが不安でしたね。もともとネガティブ人間なので、「言っても意味がないと思われているのかな」と考えたり…。

瀬戸フフフフフ。

小林でも最初は誰もがそうなるじゃない?

瀬戸いや、私はならなかった(笑)。

小林メンタル強い(笑)。最初のアフレコが終わったあとにプロデューサーと水島監督から「もっと時間がかかると思ったのに」と言われたんですよ(笑)。

瀬戸(笑)。

小林それどっちの意味? と思いながら、そのまま最終回まで進んでいった感じです。

瀬戸セリフの尺は難しかったよね?

小林うん。基本的にかなりタイトな尺の中にセリフを詰め込まないといけなかった。セリフとモノローグも一連で収録しましたが、できれば分けてほしかったです(笑)。

瀬戸火々里さんも、セリフ量は少なかったけれど、苦労した気がする。本当はもっとたっぷり時間を使って表現したいんだけど、水島監督の映像のテンポ感はそうじゃないので。のちに『ガールズ&パンツァー』に参加して、監督ならではの表現が少しずつ理解できてきたかなと思うのですが、当時はわからなくて。「なぜこの気持ちを乗せるのにこの尺しかないんだろう」ってもどかしく思っていました。でも、それは自分の技量が足りないだけなんですよね。自分がやりたい尺でやれるんだったら、それはもうアニメーションじゃないですから。

後編は2月9日(水)公開予定!

インタビュー後編はこちら

PROFILE

小林裕介(こばやし ゆうすけ)
主な出演作に『Re:ゼロから始める異世界生活』ナツキ・スバル役、『A.I.C.O. Incarnation』神崎雄哉役、『Dr.STONE』千空役、『ミュークルドリーミー』南川朝陽役、『現実主義勇者の王国再建記』ソーマ・カズヤ役などがある。

PROFILE

瀬戸麻沙美(せと あさみ)
主な出演作に『ちはやふる』綾瀬千早役、『selector infected WIXOSS』浦添伊緒奈役、『ガールズ&パンツァー最終章』西絹代役、『呪術廻戦』釘崎野薔薇役、『海賊王女』フェナ・ハウトマン役などがある。

<発売情報>

ウィッチクラフトワークス Blu-ray BOX(特装限定版)
発売日:2022年3月29日(火)
価格:¥16,500(税込)

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