EMOTION 40th Anniversary Program 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 』20 周年記念上映&トークショー イベントレポート
1989 年に「ヤングマガジン増刊 海賊版」(講談社)にて士郎正宗が原作コミックを発表して以来、押井守監督による『GHOST IN THE SHELL/ 攻殻機動隊』(1995 年)をはじめ、アニメーション、ハリウッド実写映画など様々な作品群を展開し、世界中に驚きと刺激を与え続けてきた「攻殻機動隊」シリーズ。Production I.G 制作によるTV シリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 』が2003 年11 月の最終話(第26 話)初回放送からこのたび20 周年を迎えるにあたり、バンダイナムコフィルムワークスの映像レーベル「EMOTION 」40 周年記念企画「EMOTION 40th Anniversary Program 」として、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 』の20 周年記念上映&トークショーを開催いたしました。
イベントには、主人公・草薙素子の右腕・バトー役の大塚明夫、さらに本作の監督・シリーズ構成を務めた神山健治監督のお二人が、特別にセレクトされたシリーズ4話を上映した直後の熱気冷めやらぬ攻殻ファンの前に登壇!シリーズ最新作となる映画『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』の公開を直前に控える中、お二人にはこれまでのシリーズ20 年の歴史を振り返っていただきながら、改めて本シリーズの魅力について語りました。
EMOTION 40th Anniversary Program 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 』20 周年記念上映&トークショー 概要
■日時:11 月12 日(日)13:30~14:00 ※上映後イベント
■登壇者(敬称略):大塚明夫様(バトー役)、神山健治(監督・シリーズ構成)
■場所:新宿ピカデリー シアター3(新宿区新宿3丁目15-15)
バンダイナムコ フィルムワークスの映像レーベル「EMOTION 」40th Anniversary Program 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 』20 周年記念上映 トークショーが11 月12 日、都内映画館で実施され、声優の大塚明夫と本作の監督 シリーズ構成を務めた神山健治監督が満員のファンの熱い拍手に迎えられ登場した。
この日のイベントのために特別セレクトされた、第1 話「公安9 課 SECTION 9 」、第2 話「暴走の証明 TESTATION 」、第10 話「密林航路にうってつけの日 JUNGLE CRUISE 」、第12 話「タチコマの家出 映画監督の夢 ESCAPE FROM 」上映直後の登壇。ファンで埋め尽くされた満席の会場を前に大塚は「短いような早いような不思議な感覚。当時は42 歳くらい?自分も若かったなと思う」と20 周年というアニバーサリーにしみじみしていた。
一方、当時37 歳だったという神山監督は「この作品に関しては不思議な感覚があって、体感的には実数の3 倍くらい。15 年くらい本作に関わっていた気がする。でも振り返ると一瞬。この作品は僕にとってデビュー作のようなものなので、大塚さんら凄い人を前に自分でアフレコを仕切りながら、なんて恵まれているのだろうかと思いながらブースにいました」と特別な作品であると打ち明けていた。
主人公・草薙素子の右腕、バトーを演じた大塚。収録当時を「神山監督からは“押井さんの作品(『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』)よりも弾んでいる感じで と言われたので跳ねながら芝居した思いがある」と思い返しながら、司会の「バトーはヒロイン」とのコメントに「バトーは『ベルサイユのばら』でいうところのアンドレというイメージだ」と笑いを交えて、持論を展開。
また、大塚は神山監督について「目には見えないセンサーが張り巡らされている感じがして、それがなんかすげえなと(笑)。公安9 課の課長・荒巻大輔がどこかそんな感じがするけれど、神山監督にもその空気感があった。この作品を作り上げるぞ、という意志の強さを感じました」とリスペクト。神山監督も「攻殻機動隊」という重責について「この作品を自分でディレクションできるというワクワクしかなくて、アドレナリンが出まくっていた。だから周りがゆっくり動いているように見えたのかも。車を運転中にも次の話のヴィジョンが頭に浮かんで、それをメモしてスタジオに行くくらいだった」と充実した日々の様子を思い出していた。
当時アフレコ収録の度に渡されていた『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 』の脚本は光り輝いて見えていた、というのは大塚。「台本をもらうのが楽しくて、それは他のキャストも同じでみんなワクワクしていた。キャスト同士で意見をぶつけ合うわけではないけれど、お互いどんな風に演じるのか探り合う感じでやってみると『そうなるよね?』みたいな。まるで公安9 課をチームでやっている感があって楽しかった」とクリエイティブなアフレコ収録の様子を紹介していた。
最後にバトー役の大塚は「これだけの作品に携わり、物語の中枢にいられたことに喜びを感じています。バトーは自分の人生においてとてつもなく大きな役ですが、アニメを作るのには時間もかかりますので、もし次やるとしたら70 歳くらいかな?と思うと、もしかするとこれが最後になるのかなと毎回感慨深く思うことがあります。それくらい大好きな作品を演じられて、そして皆さんに応援していただけて 本当にありがとうございます」と感無量。すると神山監督は「自分が次の攻殻機動隊を作ることがあるのなら、それがどんなに先になっても、僕は大塚さんや田中敦子さんはじめ皆さんがいる限りキャスティングするし、皆さんのその歳に演じられるバトーや草薙素子の脚本を書くつもりです」と話し、その言葉に大塚は「いま、鼻の奥がツーンとしました」と感極まりつつ笑顔を見せ、イベントは大盛況のうちに終了した。
士郎正宗によるサイバーパンクSF の金字塔「攻殻機動隊」シリーズ最新作
神山健治(総監督) × 荒牧伸志(総監督) × 藤井道人(監督)による「攻殻機動隊」、完結
最新作『攻殻機動隊 SAC_2045 』は、『攻殻機動隊 S.A.C. 』シリーズの神山健治と、『APPLESEED 』シリーズの荒牧伸志によるダブル監督、Production I.G と、 SOLA DIGITAL ARTS の共同制作によるアニメーションシリーズとなります。シーズン1が2020 年4 月より、シーズン2が2022 年5 月よりNetflix にて世界独占配信された本シリーズを、日本アカデミー賞6 部門受賞の『新聞記者』や『余命10 年』等、実写映画で活躍する藤井道人を監督に迎え、シーズン1に新たなシーンを加えて再構成した劇場版『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』が2021 年11 月より全国劇場公開。 そして、今回、シーズン2に新たなシーンと視点を加えて劇場版として再構成した劇場版『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』が、2023 年11 月23 日(木・祝)より3週間限定・30 館にて劇場公開いたします。
【作品概要】
■タイトル
攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間
■劇場公開日
2023 年11 月23 日(木・祝)[3 週間限定]
■キャスト
草薙素子:田中敦子/荒巻大輔:中 博史/バトー:大塚明夫/トグサ:山寺宏一/イシカワ:仲野 裕/サイトー:大川 透/パズ:小野塚貴志/ボーマ:山口太郎/タチコマ:玉川砂記子/江崎プリン:潘めぐみ/スタンダード:津田健次郎/ジョン・スミス:曽世海司/久利須・大友・帝都:喜山茂雄/シマムラタカシ:林原めぐみ
11 月 23 日(木・祝)劇場公開