レポート | ストラトス・フォー

「ストラトス・フォー CPL. BD-BOX」発売記念トーク&上映会オフィシャルレポート

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航空マニアから高い評価を得たアニメ『ストラトス・フォー』シリーズ。2024年3月9日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷にて「『ストラトス・フォー』CPL.BD-BOX発売記念トーク&上映会」が開催された。TVシリーズ第3話とOVAシリーズ『アドヴァンス』第1話上映後のトークショーには、もりたけし監督、キャラクターデザイン・総作画監督の山内則康さん、本庄美風役のかかずゆみさん、軍事評論家の岡部いさくさん、原型師・モデラ―の二宮茂幸さんが登壇し、司会進行を杉山潔プロデューサーが務めた。終始笑いに包まれた当日の模様をレポートする。

『「ストラトス・フォー CPL. BD-BOX」発売記念トーク&上映会』オフィシャルレポート


▲写真左から杉山潔プロデューサー、もりたけし監督、山内則康さん、かかずゆみさん、
    岡部いさくさん、二宮茂幸さん

<イベント概要>
「ストラトス・フォー CPL. BD-BOX」発売記念トーク&上映会
場所:ヒューマントラストシネマ渋谷
日時:2024 年3 月9 日(土) 16:00 開演
登壇:もりたけし(監督)
   山内則康(キャラクターデザイン・総作画監督)
   かかずゆみ(本庄美風役)
   岡部いさく(軍事評論家)
   二宮茂幸(原型師・モデラー)
   MC:杉山潔(プロデューサー) ※敬称略

早速、2月28日に発売されたCPL.BD-BOXについて振られたもり監督は「よくもまぁ、当時オマケ映像をあんなに大量に撮ったなと。キャストさんたちと一緒に下地島にも浜松にも行ったしね」と懐かしそうに語り、「20年経っても話題にして頂いて本当にありがたいです」とファンへ感謝を述べた。そこから話は企画立ち上げの頃になり、「まずはパンツと飛行機がお題としてありました(笑)。でも、それじゃ13本は作れないからネタをくれと呼ばれ…まるで大喜利みたいだな(笑)」と冗談を交えつつ、「今観ると頑張ってるよね」と作品の出来を振り返った。それを受けた山内さんは「僕らはよく頑張った」と呟き、その想いに応えるかのように場内から温かい拍手が起こった。さらに、もり監督と御厨リン役の京田尚子さんの文通話など、素敵なエピソードが飛び出した。

かかずさんが「スタッフとキャストの距離が近くて、監督が役者に寄り添ってくれる作品だったので現場の雰囲気がとても良くて皆仲良しでした」と楽しそうに振り返るも、もり監督は「おじさんたちは飛行機で楽しんでるから、俺がキャストをケアするしかなかったからね」と当時の状況を訴える。さらに映像特典である円卓座談会についても「中華屋さんで収録したんですが、ラストで続編の告知をする以外、あとは何の台本も無く好きに喋ってくれと言われて」と杉山プロデューサーに対する不満を明かすもり監督。監督とプロデューサー、2人の独特な関係性が何度も観客の笑いを呼んでいた。岡部さんは「飛行機が大好きなイギリスの方のブログに、日本のアニメは何でこんなに冷戦時代のイギリス機が好きなんだ、と書かれていて(笑)」と世界への驚きの波及を語り、場内大爆笑。二宮さんは「(初回限定特典の飛行機模型の原型を)当時3,000万円くらいした3Dプリンターを使って作ろうとしたんですが、造形用のデータと映像用のデータは全然違う。色々なことを学ばせて頂いたとても貴重な作品でした」とまとめた。

専門用語がたくさん出てくる収録について、かかずさんは「『下地島迎撃基地、警戒態勢に入ります。』このカ行の多さ(笑)。如月(沙也華)教官役の大原さやかさんはサラっと言っていたんですけど、見習いパイロットの私たちは何とか一緒に頑張りました(笑)」とアフレコ時のエピソードを語った。他にも「ブラスト・オフ」の言い方の違いなど、キャストならではの視点で当時を振り返った。さらに岡部さんが、自身が作品に参加する経緯となった山内さんの手描きポスターについては「あれを見た時に、TSR-2が出てくるアニメがあるんですかと杉山さんに聞いたのがはじまり」とコメント。対する杉山プロデューサーは「(これで岡部さんが)釣れたと思いました」と返し、場内は笑いに包まれた。さらに、アニメで下地島、TSR-2が描かれたのは初という話題が盛り上がる中、「TSR-2は初めてだし、たぶん最後でしょう」と山内さんが冷静に突っ込み、再び客席から爆笑が巻き起こった。その他にも独特の操縦ポジションや映像特典の人形劇(新作ショートショート「オー!シモヂジマ」)制作の苦労話など話題は多岐に渡った。

そしてトークテーマはOVAシリーズに移り、「キャラクターが転がり始めて、SFネタも風呂敷を広げすぎちゃって。シナリオを大量に書かないといけなくなって大変でした。あと自分以外が皆楽しそうでした。」ともり監督。大きく進化したCGクオリティについて触れると、関係者として会場に足を運んでいた3DCGディレクターの河野達也さんが挨拶する一幕も。さらに、「色々なことをさせて頂いた。ただ、もうやりたくないものもある(笑)」ともり監督が語る内容盛り沢山のファンディスクについても話は止まらず、会場に来ていた実写映像のディレクターを務めた糟谷富美夫さんも紹介された。その後は、商品ジャケットのキャラクターの衣装の参考になることを知らずに美風らしくない黒のつなぎでロケに行ってしまったかかずさん、日本で最高齢のファンディスク芸人と自称する岡部さん、スタッフたちで軽飛行機に乗った岡部さんとの思い出を楽しそうに語る二宮さんなど、場内は各エピソードの度に笑いに包まれ、話題が尽きることはなかった。

大盛り上がりのイベントも終わりの時が近づき、それぞれ告知と一言ずつコメントを述べていく。「『ストラトス・フォー』以降、飛行機が出てくるアニメが増えましたよね。その中で忘れられることもなく、これだけ多くの人に愛されているということは、一種モニュメンタルな作品になっちゃったんじゃないかな」と作品を評する岡部さん。「今締め切りの仕事があるのでここにいる場合じゃないんですが、打ち上げには出ます(笑)」と二宮さん。「生き残った理由の一つは複座にしたことだと思います。前後の席で状況を把握できるのは、『トップガンも同じ』ですよね」と付け加える山内さん。「主役の位置に立てたことが今の活動の励みになっています。これからも大事にしていきたい作品です」とかかずさん。「日々を生きます(笑)。今日は本当にありがとうございました」ともり監督。そして最後は、今年70歳の誕生日を迎えた岡部さんのために作った特製のワッペンをプレゼント! 古希を会場のファンとともに祝福し、終始暖かい空気に包まれたままイベントは幕を閉じた。

 

<発売情報>
 
 ストラトス・フォー CPL. BD-BOX
好評発売中
価格:¥26,400(税込)
品番:BCXA-1896

 


『ストラトス・フォー』公式サイト
 https://www.stratos4.jp/index.html
『ストラトス・フォー』商品サイト
 https://v-storage.jp/sp-site/stratos4/

 

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