『数分間のエールを』公開記念 花江夏樹(朝屋彼方役)×伊瀬茉莉也(織重 夕役)スペシャルインタビュー【前編】
彼らの作品を見た人は心が躍る感覚と共に“元気”をもらえる。そんなエールを込めた映像作品を世に送りだす新進気鋭の映像制作集団「Hurray!」が初の長編アニメであり、「モノづくり」をテーマに描かれる青春群像劇『数分間のエールを』が6月14日公開となる。自身の作ったもので誰かの心を動かす「モノづくり」に邁進する主人公の高校生・朝屋彼方を演じる花江夏樹さんと、彼の熱を動かすけれど「モノづくり」の道を諦めようとしているシンガーシングライターの織重 夕を演じる伊瀬茉莉也さんに、インタビュー前編では、自身が演じるキャラクターについてや、印象に残っているエピソードについてお話を伺った。
彼が持っている「モノづくり」に対する前向きな気持ちや「自分はこうしたい」という意思を大切にしました。(花江)
──ご自身の演じる役についての印象をお聞かせください。
花江彼方くんは「モノづくり」にすごく熱意を持った男の子で、思い立ったらすぐに行動をするような情熱のある子です。自分のために、そして人のためになにかを作りたい気持ちがあって、「モノづくり」に対する希望を持っているので、自分が背中を押されることもありますし、見ていて「がんばれ!」って応援したくなります。
伊瀬わたしが演じる織重 夕さんはミュージシャンを志していた女性なのですが、夢を諦めて、現在は学校で教師をやっています。そんななか彼方くんと出会って、自分がミュージシャンを目指していた当時の気持ちがまた呼び起こされ、歌に対する想いもあふれ出てきてしまうという役どころなのですが、彼方くんとは対称的な人だなという印象を受けました。彼方くんが陰と陽で言うところの「陽」なら、織重先生は「陰」の部分。太陽と月でいえば月のような感じがあって、夢を諦めてしまったからこその鬱々とした悔しさや悲しさをにじませている女性です。でも実際は心のなかでは夢を諦めきれず、葛藤を抱えていて、完全には消えてはいない情熱の炎みたいなものが静かに今もチロチロと燃えているような印象だな、と思っています。
──演じる上で特に意識されたことを教えてください。
花江彼が持っている「モノづくり」に対する前向きな気持ちや「自分はこうしたい」という意思を大切にしました。若い子なので、しゃべっている途中に新しいアイディアが浮かんできて、それをまたセリフに乗せるような、流動的にその場でコロコロとやりたいことや新しいよりよいアイディアが浮かんでくるところをセリフの端々に出せたらいいな、と思いました。
伊瀬一度夢を諦めてしまったというところがこの役を演じる上で重要なキーポイントだったので、セリフの端々から悔しさや未練といった想いが隠し切れない、にじみ出てしまうことを意識しました。夢を追いかけている、まだ夢を掴んでいない、駆け上がっている最中の彼方くんとは違って、夢を追い求めて彼女なりにすごく頑張った先にいってしまった女性なので、そういう虚無感みたいなものは空気感として出せたらいいなと思って演じました。
──アフレコ時に印象に残っているエピソードを教えてください。
花江まだ映像がちゃんとできあがっていなかったこともあると思いますが、いろんなシーンで全体的に監督が持っているイメージがしっかりあったので、そこに合致するように割と自由に尺も調整して、ちゃんとその気持ちが出せるならそれを重視して(尺を気にしなくても)いいよ、という収録をさせていただきました。あと後日、シーンの録り直しや細かい修正もあったので、そこで監督の情熱が伝わってきて、印象に残っています。
伊瀬アフレコのときに、花江くんと、内田くんや和泉さんなどほかのキャストの方もいらっしゃったのですが、織重 夕というキャラクターを演じるのにあたって気持ちを沈みこませて演じていました。自分のなかから希望とか明るい感じの色が出てしまうと、それは織重 夕とは相反するものになってしまうので、アフレコ現場でもズーンと暗い感じでいたと思うんです。周りのキャストの方たちに逆に気を使わせてしまわないかな、と思っていたのですが、……大丈夫でしたか?
花江大丈夫でした(笑)。
伊瀬大丈夫だったそうです(笑)。やっぱりアフレコはみんなで掛け合って、空気感も含めて作っていくものなのですが、織重先生を演じるからとわたしが一人、ずーんと入り込んでしまっていたので、空気を悪くしていないかなというのは気がかりでした。でも今、花江くんから「大丈夫でしたよ」と言ってもらえたので、一安心です。
──見たあとになにかを始めたくなる作品でもあるかと思います。今、新たになにかを始めるなら、どんなことにチャレンジしたいですか?
花江去年から始めたのですが、英語を習い始めました。まだ全然話すことはできないですが、聞いたことの意味はわかるようになってきたので、続けたいです。本当はこの年齢で、いまさら英語を勉強したところでどれくらい覚えられるのかな、とは思っていたのですが、意外と、この年になって勉強することもそうないですし、楽しいなって思っています。
──この先、英語を習得してどんなことができるようになりたいですか?
花江最近はイベントで海外に行くことが増えてきたので、英語圏の方とコミュニケーションを取りたいです。仲良くなった現地のスタッフさんたちと、ある程度のコミュニケーションが直接取れたら嬉しいですね。
伊瀬わたしも全く一緒です(笑)。
花江え?そうなんですか?
伊瀬わたしも去年から英会話に通い始めました。週に一度のレッスンなんですけど、週に一回ではなかなか難しいですね。それでも意欲的に触れようとしているからか、英語がなんとなく理解はできるようになってきました。でも自分がしゃべりたいとなるとなかなか出てこなくて。それこそ英語を学ぼうと思ったきっかけも、海外でのイベント出演のお仕事だったんです。
花江そうなりますよね。
伊瀬海外に行くと、通訳さんはついてくださいますが、自分の言葉で現地のファンのみなさんに感謝を伝えたいですし、そうなると英語をしゃべれるようになりたいと思うようになっていったんです。道のりは厳しいなと思いつつ、それでも学ぶことが楽しいです。日本も外国人観光客の方を多くお見掛けしますが、先日、エスカレーターでスーツケースを持った外国の方に「危ない!」って言おうとして「Watch out!」って英語が自然と出てきたときに、自分にすごく感動しました(笑)。咄嗟に出てきた!って。週に一回でもちょっとは成果が出ているなって思うと嬉しかったです。
花江僕も「Have a nice day」って別れ際に言われるときに、以前は「Thank you」しか言えなかったのですが「You too」って言えるようになりました。そういった定番のやりとりが楽しいなって思えるようになりました。
PROFILE
花江夏樹(はなえ なつき)
6月26日生まれ。神奈川県出身。出演作に『鬼滅の刃』竈門炭治郎役、『東京喰種トーキョーグール』金木研役など。
PROFILE
伊瀬茉莉也(いせ まりや)
9月25日生まれ。神奈川県出身。出演作に『HUNTER×HUNTER』キルア=ゾルディック役、『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』フー・ファイターズ役など。
<劇場公開情報>
数分間のエールを
2024年6月14日(金)全国公開!
映画「数分間のエールを」 公式サイト
https://yell-movie2024.com/
映画「数分間のエールを」 公式X
©「数分間のエールを」製作委員会