『この世界は不完全すぎる』このふか通信「デバッガー大解剖!! ※見習い含む」その① ハガ・二コラ

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2024.10.11 UP

デバッガーとして体感型VRゲーム世界のバグをチェックする主人公ハガを含むプレイヤーたち。しかし、そんなデバッガーたちがなぜか現実世界に帰れなくなり…!?　“デバッグ”がテーマという一風変わったTVアニメ『この世界は不完全すぎる』。現実世界から派遣された様々なデバッガーやクセのあるNPCなど、魅力的なキャラクターがたくさん登場する本作。第1回は、ゲーム内設定の『王の探求者（キングス・シーカー）』としてゲームクリアを目指しながらデバッグ作業を行う主人公・ハガと、共に旅をするNPCのヒロイン・ニコラのキャラクター像や見どころを紹介する。

①ハガ（CV：石川界人）

どんなに危機に直面してもバグの有無を気にかけるクソ真面目なデバッガー。仕事に没頭することで正気を保っている。ニコラ&アマノを抱えて走れるほどのマッチョだが、非常に慎重な性格。同僚の悲惨な状況を目の当たりにしているので、デバッグモードの使用を極力避けている。

●マッチョな見た目を裏切る超慎重派な主人公
主人公のハガ（本名：羽賀誠）はゲームの世界でバグを探し修正するデバッガーで、第1話から見た目と中身のギャップの面白さで惹きつける。大きな体の屈強な大人なのに、超がつくほど慎重で温厚な性格。ゴツくて強そうな体を小さな茂みに隠し、ホイモイドラゴンを目にして動けなくなるニコラのピンチを救うハガの登場シーンもクスッと笑える1コマだ。

そのホイモイドラゴン戦では、村のピンチを救うため、豪快でカッコいい戦闘シーンを繰り広げる…のかと思いきや、地味な攻撃で標的にコツコツと的確にダメージを与えていく。仕事として『ゲームの仕様確認』を絵に描いたようなシーンでもあるが、同時にゲーム内の負けイベントとして起こってしまう村人たちの死をハガが何度も見てきていることを知り、彼の葛藤に心が痛む瞬間でもある。

●どこまでも真面目に仕事を続けるデバッガー
デバッグモードを使用したチート攻撃をしてくる他のデバッガーを相手にした窮地においても、自身は極力デバッグモードを使用しないように努める。それでも相手を退けられるのは、ハガが堅実に仕事に努めたことで得られた知識や経験を生かしているからであり、そうしたところもハガっぽくて魅力的。ハガの頑固さ、強さ、決意の固さは物語の最初から最後まで、ずっと貫かれている。第1話でニコラを逃した際に「“今は”君を死なせるわけにはいかないんだ」と放ったハガのセリフは、彼の苦悩をグッと凝縮する一方で、デバッガーとして、そして人間としての魅力が詰まったフレーズ。状況を知った上で映像を観返すと、かなり沁みるセリフだ。

ハガの置かれた状況に胸が苦しくなり、切なささえも感じる一方で、「ログアウトできない」異常事態でもデバッガーとしての仕事を“コツコツ”と“地道”に続ける姿に笑いが止まらない。「どうしてこんな時まで…」とツッコミを入れたくなるし、かなりのピンチに遭遇してもバグが気になり、そわそわするハガの姿はある意味尊敬に値し、かつそこがチャーミングな部分でもあるのだ。壁に顔を擦り付けて走るなど、バグをチェックする方法は、時に突拍子もないものだったりもするのだが、“超”がつくほどの彼の真面目さは、ついつい応援したくなる！

②ニコラ（CV：矢野妃菜喜）

ハガに憧れ探求者（シーカー）になるべく弟子入りを志願した村人。戦闘能力皆無&レベル設定もないNPC。いわゆるゲーム内のいちキャラにすぎない。しかし、「持ち主のレベル次第で威力が変わる道具」を使用すると、本人にレベル設定がないために、ゲームの仕様として意図していない威力を発揮する。

●NPCなのに好奇心旺盛で自由奔放なヒロイン
ハガとニコラの出会いは、ホイモイドラゴンとの遭遇シーン。フェルナーク大陸内の小国・ベイル王国にある小さな村で暮らす二コラが、ドラゴンとの遭遇で繰り返しの毎日ではなく「いつもとは違うことが起きた」と目を輝かせ前のめりになる姿が印象的だ。彼女のタダものではない感は回を重ねるにつれ強くなっていく。中盤以降ではレベルを持たないNPCであるニコラがまさかの形で戦闘能力を発揮するシーンも登場し、彼女の成長を感じ胸アツになると同時に、さらなる成長を見たい、いや、あるはず！と期待させてくれるから最後まで目が離せない。そして最終話の後半でその思いは確信に変わる。例え一人になっても前を向き、困難に立ち向かおうと決心する姿とその眼差しには、もはやNPCやゲームの中のいちキャラという印象は消えている。ハガにひょいっと抱えられピンチを脱したり、金貨に目が眩み囚われてしまうような、頼りない小さな女の子、ただの村人のニコラではもはやないのだ。

●謎多きもう1つの顔・テスラの存在
メタAI・テスラの存在もニコラを語る上では外せない。メタAIなのにご飯をバクバクと平らげ、なんならデバッグストーンまでバリバリと食べ尽くしてしまう。思わずクスッと笑ってしまうようなシュールなシーンもある一方、今まで真面目にデバッグ業務に従事していたハガに、他プレイヤーのデバッグストーンの回収を命じるなど、物語を動かすポイントでヒントを与えるかのように登場する。食事のシーンで姿を見せることが判明すると、ニコラが食べ物を口にするたびに、テスラの登場を待ってしまうように。ニコラからテスラ、テスラからニコラに切り替わる瞬間も物語を通じて、お馴染みとなり、お楽しみポイントとなっていくのだ。