『GEAR戦士 電童(以下、『電童』)』は、2000年10月より全38話で放映されたサンライズ制作によるテレビアニメーション作品。当初より玩具とのタイアップのもと企画された作品で、電動で四肢のタービンが回転する主役ロボットの電童とライバルロボットの凰牙、そのタービンの回転をコントロールするギアコマンダー、電童と凰牙の強化パーツとなりタービンの回転によってアクションを行うデータウェポンという3カテゴリーのアイテムが連動する電動玩具シリーズとして展開された。70年代より始まった玩具会社とのタイアップによるロボットアニメも主流ではなくなり、20世紀最後のロボットアニメともなった。

▲キービジュアル
しかし、懐かしい巨大ロボットアニメの良さを残しつつも、21世紀に向けての新たな試み、施策なども行われ、新たなる魅力を引き出した。特に映像的に顕著なところで、第26話よりフルデジタル作品に移行したことが上げられる。当初は、エフェクト表現や、電童のパワーアップアイテムにもなる電子の獣・データウェポンの3DCGモデルを使用するなどのデジタル処理を取り入れたシーンもあったが、基本はセル画を使用した昔ながらのアナログな手法で制作されていた。しかし、第26話からはデジタル彩色に変更されるなど、アナログとデジタルの過渡期にあった変化が見られるという点にもおいても貴重な作品と言える。

▲左:第3話の電童/右:第32話の電童
監督は『新世紀GPXサイバーフォーミュラ(以下、『サイバーフォーミュラ』)』シリーズの監督を務めた福田己津央。『サイバーフォーミュラ』のOVAシリーズが長期にわたり続いていたため、レース物の印象の強い福田監督であったが、『魔神英雄伝ワタル』や『勇者エクスカイザー』など子供向けロボットアニメの演出も数多く手がけている。外連味(ケレンミ)のある演出にも定評があり、テレビシリーズの監督としては約10年ぶりのカムバックとなった。また、シリーズ構成に両澤千晶、キャラクターデザインに久行宏和、総メカ作画監督に重田智、音楽に佐橋俊彦など『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』OVAシリーズの主要スタッフが脇を固め、テレビシリーズながらもスピーディなストーリー展開は、新たな時代の息吹を感じさせるものがあった。福田監督はこの後、大ヒットとなった『機動戦士ガンダムSEED』を手掛けており、『電童』スタッフの多くもこれに参加、『電童』で培われた作風、手法、様々な要素が盛り込まれている。そんな原点を知るという意味でも『電童』には見逃せないポイントが多い。
物語は、機械帝国ガルファの侵攻に対して、目覚めた巨大ロボット電童によって選ばれた小学5年生の少年、出雲銀河と草薙北斗がガルファの攻撃から地球を守るという王道の構造。しかし主人公のひとり銀河は、偶然にも電童のパイロットに選ばれてしまった少年、もうひとりの北斗はその出生が電童とも関わる運命のパイロットであるなど、王道の主人公要素をふたりに振り分けることで、2パターンの王道を両立させる建て付けにもなっている。
▲左:負けん気の強い活発な銀河/右:冷静で慎重な知性的な北斗
▲時には衝突しながら協力して機械帝国ガルファと闘うふたり
主役ロボット電童は、両手脚に巨大なタービンドライブを備えたデザインが特長で、そのタービンを回転させながら格闘アクションで戦う。また、巨大な動物型のメカ、電子の聖獣データウェポンを「インストール」することで、武器として装備することが可能。一撃で敵を撃破する必殺技「ファイナルアタック」は大きな見どころとなっている。しかし、ファイナルアタックの使用後は、電童のエネルギーが“0”になるという弱点が露呈。エネルギーの消耗を考慮した作戦が行われるなど、データウェポン獲得後にはまた新しいバトル展開を見せた。さらに電童のエネルギーを象徴するのが背中に搭載された巨大な電池・ハイパーデンドーデンチであるが、この電池を交換することで継続した戦闘が可能となるため、中盤からはこの電池交換に至るまでの展開がさらなるドラマを生み、バトルにも飽きさせない展開が目白押しであった。

▲左:タービンの回転が特徴的な電童の技
中央:ハイパーデンドーデンチ換装シーン
右:電童 ファイナルアタック
また、データウェポンは非戦闘時には「エイリアス」と呼ばれるホログラム状態で主人公たちの前に現れ、相棒、ペットのような存在として心を通わせていく。これは、当時メインターゲットである子供たちの興味が、巨大ロボットへの憧れから、一緒に友情を育む相棒的な存在へとシフトしていったことへの影響でもあり、データウェポンはその対象となる存在としても位置付けられた。主人公の相棒であり、巨大ロボットの武器でもあるデータウェポンは、20世紀と21世紀を繋ぐ要素にもなったのではないだろうか。

▲左:エイリアス状態のデータウェポン ユニコーンドリル
右:エイリアス状態のデータウェポン レオサークル
最後に『電童』における実質的なヒロインといえるのが北斗の母・草薙織絵ことベガであることが上げられる。普段は茶店を経営しているが、裏では地球防衛組織GEARの副指令を務めている。類まれなる身体能力を持ち、生身でガルファの機獣にも挑むという勇ましい女性で、電童のライバル機となる騎士GEAR凰牙を操るガルファの黒騎士アルテアの妹であるという様々な要素が盛り込まれたキャラクターとなっており、『電童』といえばベガというほどの象徴的な存在にもなっている。
これまで当たり前と思われていた設定でも、視点を変えることによって、新たな見え方になる。そこが懐かしくもあり、新しい魅力となっており、『電童』が今でも心に残る作品となり、25年が経った今でも続編となる小説が展開されるのではないだろうか。
文:栗原昌宏
<関連情報>
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■発売予定:2026年10月~11月
■素材:ダイキャスト、ABS、PVC、PA、POM
■付属品:差し替え用フェイスパーツ、アカツキの大太刀、専用台座
■サイズ:NONスケール、頭頂高約24cm
■デザインコーディネート:Koma
■原型製作・設計:インコ先生
■彩色見本製作:大豆亭
■製造:フレイムトイズ
■造形プロデュース:AMAKUNI(https://amakuni.info/)
■発売元:ホビージャパン
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