『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』河西健吾×寺崎裕香×梅原裕一郎×内匠靖明キャスト座談会
現在放送中のTVシリーズでは「コロニー編」(第14話〜)が描かれている『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』。そこで今回は、三日月・オーガス役の河西健吾さん、クーデリア・藍那・バーンスタイン役の寺崎裕香さん、ユージン・セブンスターク役の梅原裕一郎さん、昭弘・アルトランド役の内匠靖明さん参加によるキャスト座談会を実施! それぞれのキャラクターの印象深い台詞や、キャラクターの成長によって変わる演技などについて話を伺った。キャスト陣が語る本音トークを見逃すな!
キャスト陣を惹きつける何気ない台詞
──第12話までで、それぞれが演じるキャラクターで印象に残っている台詞は?
寺崎 第9話「盃」で石塚運昇さんが演じるマクマード・バリストンにクーデリアが、みんなの血を背負っているみたいな話をするじゃないですか。「この血は鉄華団の血です。今、私が立ち止まることは彼らに対する裏切りになる」とマクマードに熱く語る、1つ大きくクーデリアが決意して成長したシーンだと思います。三日月に「自分で決めなくちゃいけないんだ」って言われたのもあるんですけど、私には何も出来ないって言っていた子が立ち上がって、悩みながらも大きく成長した回なので、あのシーンの台詞は印象に残っていますね。
内匠 第5話「赤い空の向こう」で「疲れた…」って言うシーン。今まで寡黙な雰囲気で人間らしい言葉をあまり発していなかった昭弘が、ボソっと誰もいないところで言ったあの台詞がすごく印象的でした。あと、アミダ(・アルカ)との戦闘シーンで、三日月に「前の2つは任せていい?」って言われたことをうけて「俺はあいつに任されたんだ!」って言う台詞。この「疲れた」と「任された!」という2つの台詞が特に印象に残っています。それと個人的に「昭弘・アルトランド。グレイズ改、出る!!」っていう発進のシーンも忘れられないですね。プロデューサーにも「輝いてたね」って言われました(笑)。僕は昭弘として言ったつもりだったんですけど、嬉しくて内匠靖明感が出てたのかな(笑)。
梅原 僕も第5話かな。オルガが「いいや、ユージンはやるさ!」って言った時にユージンが言う「てめぇのそういうとこは、ほんと、気にいらねぇなああ!」って台詞です。本当に気に入っていないわけではなく、オルガのことを尊敬していますし、おそらくオルガには勝てないって事を分かっていながらも自分が前に出るというユージンの生き様みたいなものがすごく現れている台詞だなと思っているので、そこの台詞が1番印象に残っていますね。
──河西さんは、三日月として言いたい台詞はありますか?
河西 ガンダムの主人公として発進の台詞だったり、戦闘シーンのやりとりとかもやらせてもらっているので恵まれているなって思いますね。もうちょっと人間味を出せるようになったなら僕も「疲れた」って言いたいな(笑)
内匠 こっちを見るんじゃないよ(笑)
脚本が自然に導くキャラクターの成長
──それぞれのキャラクターが成長を遂げていますが、それに合わせて演技に変化は?
河西 アプローチの仕方なんですが、アフレコの時は台本を見て、画面を見て、ここで話してくださいという目印のボールドを見て台詞をしゃべるんですけど、普通に会話をしている時って考える間があると思うんです、でも台本を見ながら喋る場合は時間がないので、1回台本を覚えて演技をやった事があるんです。言葉で表すのは難しいんですけど、その時に普段台本を見ながらやっているときとは違う何かが見えました。ガエリオ役の松風(雅也)さんに同じようなことを言われてやろうと思ったのがきっかけで、終わった後に松風さんが「ちょっと変わってたよ」って言ってくださって、そういう点で個人的には新しい試みだったんじゃないかなと思います。ただ、その後クーデリアとの会話を完全に忘れて席に戻ってしまいましたけど。まだあったわ!って(笑)。
寺崎 意識というよりは、キャラクターが1話1話リアルタイムに積み重ねてきたものは私の中にも残っていると思うので、現場の空気というか、自分がクーデリアとして積み重ねてきたものを信じてお芝居をするようにしています。きっと声にはその時感じた感情だったり気持ちが乗るので、変にキメないというか、周りとクーデリアとして積み重ねてきた自分を信じて演じようってことを最近はすごく感じています。
──段階的な成長を自然に?
寺崎 そうですね。一緒に経験している感じがするので。クーデリアの考えていること、やりたいことが分かるというか。自然に鉄華団のみんなとの距離感が見えてきて、今までは依頼して対等にってクーデリアは言っていたけど実はちょっと上にいて、でも今はすごく下にいて、自分のせいで仲間が死んじゃったりして、みんなに申し訳ないって気持ちがあったんですよ。「私のせい」って言ったら三日月は嫌がったけど、でも結果的に自分がここに来たことによって戦いが起こって人が死んで、彼らを助けたくてここに来たはずなのに「何で私は人を殺すことになっているんだろう」っていう、すごく申し訳ない気持ちがあったんです。けど第9話以降ぐらいからみんなと気持ちが対等になってきて、私の中でもみんなに対する距離感が変わってきているので、それを信じてそのままお芝居で出せたらいいなと。私がクーデリアとして経験したことが、クーデリアの成長にイコールで繋がっているということを信じてやっています。
──昭弘は素直な気持ちをあまり表さないので、成長という部分では難しいですか?
内匠 いや、僕は逆で、昭弘は素直な言葉しか言ってないというか、嘘を言わないとずっと思っていて。言葉数が少ないから分かり辛いって思われているだけで、ただ思ったことを言っている素直な人間だと思います。だから自分も狙って何かをやらないようにしていて。唯一狙ったのは筋トレのシーンだけですね。あれは僕って言うより、音響監督の明田川仁さんが「もっと、ずっとフンフン言い続けて台詞を言って」と。そんなバカなって思いながら、試しに言われた通りにやってみたら、みんな笑っていたんですよね。「そうだよね、こんなのOKになるわけ…」と思っていたら、「OKです」って言われて、嘘だろ!?って思いましたね。なのでそこは狙ってやりました。
寺崎 予告でもフンフン言ってたよね。
内匠 だって台本にフンフン書かれてたから(笑)。ただ最後の「次回、機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」っていうところは、指示はなかったけど勝手に腹筋しているつもりで言ってみました。でも意図的にはそれくらいです。特に昭弘に関してはスポットが当たっている回もありますし、経験を積み重ねている感じは、ものすごく丁寧に描かれています。自分が狙って成長の過程をみせるというよりは、その時々に昭弘が感じたことを表現できていれば、結果的に成長して見えると信じてやっています。
梅原 皆さんのおっしゃるとおり、自分で狙って成長を見せるというよりは、台本上に記されていて、おのずとそれが出てくるというか。ユージンで言えば、振り返って見てみると始めの頃より焦りとか緊張とか動揺とかがだんだん台詞からなくなって、他人に対する刺々(とげとげ)しさとかもなくなってきたなという感覚があります。それは自分で「なくしていこう」というんじゃなくて、台本に書かれていたので自然とそれに乗っかれました。ただ、唯一、第9話でユージンが女を知るという、そういう分かりやすい成長があったので、そこはちょっとコメディタッチでもあるし、実際人間としても重要なことなので、そういうところでは意識して、調子こいた中学生みたいなノリを出したいと思いました。オルガに対して自分はもう女を知ってるぜみたいなノリをやるところはわかりやすい成長だなと思います。
──キャラクターの距離が縮まるごとに現場の空気にも変化が?
寺崎 現場の空気は、みんな仲いいよね。
河西 皆さん切り替えがすごく上手いので、例えば第12話「暗礁」で昌弘が死んでしまってしんみりしても、その後、ライド(・マッス)役の田村睦心さんが「飲みに行こうぜうぇええい!」って感じだったり。
寺崎 むっちゃん(田村睦心)めっちゃ泣いてたからね。アフレコのブースがいっぱいで入れなくて出番もなかったので、私とむっちゃんは外のモニターからみんなのアフレコを見ていたんですけど、なんかグッと来て「やばい泣きそう」って思ってパッと振り返ったら、むっちゃんがブワーって泣いてて。感受性豊かだよね。自分の役にはもちろん愛情あるんですが、自分以外のキャラクターにも愛情が湧いてきましたね。
梅原 僕の役だと(ノルバ・)シノとの絡みが多いんですけど、たぶん村田(太志)さんならこう出てくるんだろうなっていうのが家で台本を読んでいる時もわかってきて、自分もそれに乗っかろうとか、そういうものはありますね。
河西 第11話「ヒューマン・デブリ」でバルバトスがクタン参型に乗って現れた後に、操縦のできない雪之丞(ナディ・雪之丞・カッサパ)にクタン参型を任せて一人でさっさと行っちゃって、心配した昭弘が…。
内匠 「あれはどうする?」って言って。
河西 そのあと昭弘の「鬼かよ」って台詞もあったので、本当に鬼にしてやろうと思って台詞を変えたりとか、僕らの中でも関係性が徐々に出来上がっているんだろうなっていうのはあります。
キャスト陣が大妄想する鉄華団の初詣!
──ところで2016年を迎えましたが、皆さんがもし鉄華団の一員だったら、誰と初詣に行きたいですか?
寺崎 やっぱり雪之丞さんと行きたいかな。着物で来てほしいです。クーデリアとして考えるならアトラしか思い浮かばない、というかアトラが誘ってくれそう。クーデリアはあんまり外に出ないような印象があるので、誘われないと行かなさそう。とうもろこし畑も誘われて行きましたし、クーデリアから誘うっていうのも今までなかったので。ドルト3にお買い物に行く時も誰か誘うじゃなくて、行ってきていいですか?だったから。アトラが行きたいって言って、じゃあ一緒に行きますって感じだったので。
梅原 僕はクーデリアを誘いますね。
寺崎 ええ!? ユージン!? 何々!?
梅原 何も知らなさそうなので、これは賽銭箱だよとか、ここにお金を入れるんだよとか、1つ1つ新鮮な反応をしてくれそうなので、一緒にいて面白そう。
──個人的にもクーデリアみたいなタイプの女性が好みですか?
梅原 それは違いますね。
(一同笑)
寺崎 ユージンとだったら、2人で「これはどうなってるんだ?」とか言って回りを見てそう。というかユージンとクーデリアってあまり会話したことないですよね。
梅原 ユージンはクーデリアに対して割りと冷たいですよね。
寺崎 冷たい。この間も「リアクターが重力を発生させてるんですか?」って台詞にユージンが「(この人)マジか…」って言ってますし。あんまり会話した記憶がない。
梅原 最初に案内役として選ばれなかったからじゃないですかね。ユージンもちょっとドキドキして待っていたのに。
寺崎 三日月を指名したからね。
河西 根に持つな~(笑)。僕が初詣に行くなら、ガエリオと行きます。やっぱり初詣って人がごった返すじゃないですか、たぶんガエリオはそういう人ごみが嫌いだと思うので、「どけ」って言って道を開けさせると思うんですよ。その権力にあやかりたいなと(笑)。
内匠 僕はメリビットさんかな。
寺崎 確かに、メリビットさんの振袖は見たい。
内匠 最初は鉄華団のメンバーを考えたんですけど、オルガとかに声をかけたら「誰かといくなら三日月も誘わなきゃな!俺たちは離れちゃいけねぇんだ、家族は離れちゃいけねぇんだ」って結局すごい人数で行くことになりそうだなと。メリビットさんとなら絶対いい感じでお参りできそう。新年からいいことあったなって思えそうですし。
PROFILE
河西健吾(かわにしけんご)
2月18日、大阪府生まれ。マウスプロモーション所属。少年や若々しい青年声が特徴。洋画の吹き替えを担当することも多い。代表作に『蒼い世界の中心で』ミョムト役や『モンスターストライク』影月明役がある。
寺崎裕香(てらさきゆか)
8月4日、熊本県生まれ。尾木プロ THE NEXT所属。『イナズマイレブンGO』の松風天馬役など少年役での活躍が多い。『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ではヒロインに抜擢され好演中。
梅原裕一郎(うめはらゆういちろう)
3月8日、静岡県生まれ。アーツビジョン所属。『ヤングブラック・ジャック』で主役の間黒男を演じ、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』では、鉄華団の少年ユージン・セブンスタークの個性を引き立てている。
内匠靖明(たくみやすあき)
10月23日、愛知県生まれ。東京俳優生活協同組合所属。明るい少年声から渋い声まで幅広い声域が特徴。代表作にディズニーチャンネル『なんだかんだワンダー』のワンダー役や『プラスティック・メモリーズ』の水柿ツカサ役などがある。
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』Blu-ray&DVD 第2巻
2016年1月29日発売
<Blu-ray&DVD発売情報>
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第2巻
2016年1月29日発売
Blu-ray特装限定版:¥7,800(税抜)
DVD:¥5,800(税抜)
<放送情報>
毎週日曜午後5時〜MBS/TBS系列全国28局ネットにて放送中
<特集サイト「鉄血の情報局」がスタート!>
https://v-storage.jp/orphans/
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 公式サイト
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