この度、片渕須直監督・こうの史代原作のアニメーション映画『この世界の片隅に』(11/12全国公開)の主演すず役に、女優・のんさんが演じることに決定致しました。
本作は、第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずを描いた珠玉のアニメーション作品です。
主人公・すずを演じるのは本作がアニメ映画初主演を果たす、女優・のん。片渕須直監督が「のんさん以外のすずさんは考えられない」とその声に惚れ込み主演が決定。
この度、本予告が完成致しました。今週末より一部劇場にて、のんの特別メッセージ付きの予告編も上映されます。
のんは主演決定の連絡を受けたとき、「すごく本当に、とんでもなく嬉しくて、なんか地面からふわっと浮いちゃいそうなくらい嬉しかった」とのこと。もともと「私は戦争や暴力の描写が嫌いで苦手で、目を向けないで拒んでいたところがありました。(戦争は)非日常なもので別次元のものと思っていたのですが、原作を読ませていただいて、日常と隣り合わせに戦争があったのかもしれないなと感じて、今まで拒んできたものに目を向けてみようと思いました」と、原作を読み、すずを演じてみようと思った気持ちを語る。
自身が演じる、すずについては「感情が沸きたった時に、がーって絵を描いているところがすごく共感しました。すずさんは、ぼーっとしていると言われながらも、パワフルでポジティブなところが好きです。劇中ですずさんがやっているような着物のリメイクにも挑戦してみたいです」と時代が違えど、まっすぐに誠実に生きる姿や日々を工夫を凝らして楽しむ姿などに共感しながら、演技にのぞんでいる。広島弁の持つ独特のイントネーションに苦労を感じながらも、その可愛らしさに楽しんで挑戦している。
また今作が、2015年に行われたクラウドファンディングで日本全国からの熱烈な支持を受け製作が決定したことについて、「観たい映画を一緒に制作していくという、応援してくださってるみなさんがこの映画を一緒に作っているというのが本当に素晴らしいことだなと思います。私もそこに参加させていただけることがすごく嬉しいです」と参加できた喜びを語る。
また「普通に生活しているとか、ただ生きているっていうことが、あぁやっぱり普通っていいな、と思える映画だと思うので、そういうのを感じていただきたいなと思います。そして、是非ご家族を誘って見ていただきたい。大切な感覚を一緒に共有出来ると思うのです」と本作の見どころを語っている。アフレコを終え、片渕監督は「すずさんに命を吹き込んでくれて感謝の気持ちでいっぱいです」と絶賛している。
また本編の音楽を奏でるのは、シンガー・ソング・ライターのコトリンゴ。片渕監督の前作『マイマイ新子と千年の魔法』で主題歌を担当し、今作では本編楽曲も担当している。今回解禁された本予告では新たにカバーした「悲しくてやりきれない」が使用され、作品の世界観を壮大に歌い上げている。
本作は片渕須直監督が6年の歳月をかけ、戦中戦後の広島・呉の綿密なリサーチと時代考証を行い、こうの史代漫画の世界を色鮮やかに描き出します。このたび完成した本予告では、呉にお嫁にきたすずが、軍港・呉に停留する戦艦大和や戦闘機などと隣り合わせに居ながらも、工夫を凝らして日々を楽しんで生活する姿が映し出されます。
日本中の多くの人が待ち望む傑作アニメーションがまもなく完成します。
主演の起用理由(片渕須直監督)
6年前「この世界の片隅に」をアニメーションにしようと思ってからずっと、すずさんの声を探していました。監督補の浦谷さんと互いに誰が良いかを考えていたところ、2人とも同じ声を思い描いていました。ご縁に恵まれて、のんさんの声をマイクを通して聞いた時、何年も前から自分たちが想像してきた声が、すずさんとなって現れました。その時、のんさん以外のすずさんは考えられないと確信しました。すずさんに命を吹き込んでくれて感謝の気持ちでいっぱいです。この作品は本当に幸運に恵まれたと思います。
主演:のん コメント
Q.オファーを受けた時の気持ちは?
ーーすごく本当に、とんでもなく嬉しくて、なんか地面からふわっと浮いちゃいそうなくらい嬉しかったです!
Q.声優に挑戦しようと思った理由は?
ーー映像を見させていただいたり、原作も読ませていただいて、すごい映画だと思ったので、ぜひやりたいと思いました。
Q.アフレコのお仕事はいかがですか?
ーー別世界だなというのを痛感しました。体全部を使って演技をする時は、直接皮膚感を何も考えずに使えるのですけど、声だけでそれを全て表現するのは難しくて、全然違うなと思いました。すごく楽しかったです。
Q.アニメの世界の中に入った印象は?
ーー映像を見させていただいた時に、セリフが入っていなくても絵だけですごく泣けてくるというか、ここに声をのせていくのは簡単じゃないなと、心して挑んでいます。すごく嬉しいのですが、(完成が)どんな感じかなって思っています。
Q.原作を読んでみた感想は?
ーー私は、戦争や暴力の描写が嫌いで苦手で、目を向けないで拒んでいたところがありました。(戦争は)非日常なもので別次元のものと思っていたのですが、原作を読ませていただいて、日常と隣り合わせに戦争があったのかもしれないなと感じて、今まで拒んできたものに目を向けてみようと思いました。
Q.広島弁はいかがでしたか?
ーー難しいですね(苦笑)。標準語でいけちゃうところとかあるんですけど、言葉自体は「何々しとる」とか関西弁っぽいところもある。なのに、イントネーションは標準語、みたいなところがあったりして難しかったです。でも可愛いなと思ったので、頑張ってしゃべりました。
Q.すずさんはどういう女性だと思いますか? 共感することなどありましたか?
ーー感情が沸きたった時に、がーって絵を描いていく感じがすごく共感しました。すずさんはぼーっとしていると言われながらも、パワフルでポジティブなところに共感しました。劇中ですずさんがやっているような着物のリメイクにも挑戦してみたいです。
Q.アフレコ中に苦労したことや楽しかったことはありましたか?
ーー最初はすごく難しくて、どうしたらいいんだと悩んだんですけど、やっていくうちに絵に息を吹き込むというのが楽しくて。あぁ、声優さんはこういうことをされてたのかと思うと興奮しました。
Q.すずさんは戦時中でありながらも日々を楽しんで生きていますが、何かやってみたいと思ったりしたことはありますか?
ーー実際に着物からもんぺを作ったり、野草でごはんを作ったりとかやってみたいなと思いました。すずさんが一生懸命なんだけど、すごく楽しみながら節約したり、リサーチしているのを見たら、とてもおもしろそうと思いました。
Q.クラウドファンディングで製作が決定した作品ですが、こういう作品に関わることになった今のお気持ちは?
ーー観たい映画を一緒に制作していくという、応援してくださってるみなさんがこの映画を一緒に作っているというのが本当に素晴らしいことだなと思います。私もそこに参加させていただけることがすごく嬉しいです。
Q.コトリンゴさんの「悲しくてやりきれない」を聞いた感想はいかがでしたか?
ーーコトリンゴさんの手によって映画の世界に溶け込む音になって流れていて、あの景色に流れてくるのが、心の中に直接、呉の広島の当時の映画の中の空気に触れた気にさせてくれるような感じで素敵でした。
Q.本作を楽しみに待ってくださっている日本のみなさんへ見どころ・メッセージをお願いいたします。
ーー普通に生活しているとか、ただ生きているっていうことが、あぁやっぱり普通っていいな、と思える映画だと思うので、そういうのを感じていただきたいなと思います。そして、是非ご家族を誘って見ていただきたい。大切な感覚を一緒に共有出来ると思うのです。
音楽:コトリンゴ コメント
オファーをいただいた時は嬉しい気持ちと、片渕監督の綿密な作品作りについていけるようにと気持ちを引き締めました。
原作には、とても不思議な引き込まれ方をしました。これまで読んできた戦争の時代のお話とは少し違い、その時代の普通の人々の、普通の暮らしが丁寧にかかれていて、主人公のすずさんのほんわかした雰囲気が、身近に感じられたからだと思います。そのすずさんの心情にすごく合っているからと予告編に使用してくださっていた「悲しくてやりきれない」のカバーをさらにリアレンジしてすずさんに寄り添えるように、生楽器をメインに書き直しました。
▲コトリンゴ
11月12日(土)テアトル新宿、ユーロスペースほか全国ロードショー
ストーリー
どこにでもある毎日のくらし。昭和20年、広島・呉。わたしはここで生きている。
すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた――。
キャスト、スタッフ
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 / 澁谷天外
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄
監督補・画面構成:浦谷千恵
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎
製作統括:GENCO
アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
▼「この世界の片隅に」 公式サイト
https://www.konosekai.jp/
▼「この世界の片隅に」 公式Twitter
@konosekai_movie / ハッシュタグ: #この世界の片隅に