インタビューココだけ | ひなろじ 〜from Luck & Logic〜
日常×美少女×変身をコンセプトに贈るオリジナルアニメーション!『ひなろじ 〜from Luck & Logic〜』赤城博昭監督インタビュー全文掲載
丁寧な絵作りとキャラクター描写でファンからの注目度も高い、アニメーションスタジオ「動画工房」が手掛ける美少女変身アニメ『ひなろじ 〜from Luck & Logic〜』で、初の監督に挑戦し、並々ならぬ想いを注いで制作に臨んだ赤城博昭監督。最終話の放送を直前に控えた本作の、こだわりや見どころについて伺った。
キャラクターや舞台を一から作れたのが楽しかった
──『ひなろじ 〜from Luck & Logic〜』(以下『ひなろじ』)が初の監督作品となります。お気持ちをお聞かせください。
赤城作品の舵取りはすごくプレッシャーがありました。…なんて格好いいことを言ってみたくなりますよね(笑)。もちろん監督として考えることは多かったのですが、周囲の皆さんに助けていただいたおかげで、何とかこうして形になりました。プロデューサー陣がすごく若いんですが、気さくで頼りがいのある人ばかりで、とても恵まれている環境です。現場でも笑いが絶えなくて(笑)。その雰囲気がそのまま作品に現れているんじゃないかなと思います。
──初監督作品がオリジナルアニメということで、様々なことに挑戦できたかと思います。今回、監督になって楽しかったことを教えてください。
赤城キャラクターや舞台を一から作れたのが楽しかったですね。特にキャラクターは愛情をこめて作りました。設定やデザイン的な部分も含めて、やりたいことが出来たように感じます。
──監督が特に好きなキャラクターを教えてください。
赤城皆好きですが、特に気に入っているのは先生たちですね。担任の神楽静葉は1、2話でダラ〜ンとしていたと思ったら3話の緊急事態でシャキっとして“やる時はやる”というところが好きです。副担任の藤崎梨乃も静葉とすごい連携プレイをしてくれて、そういうギャップを出せてよかったです。学園長は朴訥(ぼくとつ)として不思議な感じのキャラクターで学園自体の比喩的な役割にしてあります。学園がギスギスとした雰囲気が出ないよう、ホワ〜ンとした日常にニーナが入ってきて、周りに影響されていくという流れがこの作品で大事なことなので、こだわりました。それとCパートの先生達の夜の日常もしかりですが。
OP映像を観るだけで作品の温かみが視聴者に伝わるように
──ストーリーは、シリーズ構成の菅原(雪絵)さんとキャッチボールをしながら作り上げたのでしょうか?
赤城そうですね、最初は作品の方向性を僕の方からお話して、そこから足りないものを一緒に考えていった形です。まずはキャラクターをたくさん作って、あとは自然に、どんどんドラマが生まれてきたので、それを固めていきました。脚本家のみなさんも本当に面白いことを考える方々で、3話を担当してくれた渡邊(大輔)さんや、4話の高木(聖子)さんにはすごく助けていただきましたね。そのおかげで楽しいお話ができました。
──映像についてのお話も。OP映像の実写とアニメーションの融合に驚きました。これは監督の発想でしょうか?
赤城そうなんです。OP映像の制作は、コマ撮りアニメーションを得意とするドワーフさんにお願いしました。『こまねこ』や『どーもくん』を観たときに、「この作品は誰が撮ってるんだろう?」と思ったらドワーフさんで。社長の合田(経郎)さんとは昔一緒に仕事をしたことがあるんですが、「こんな良い仕事してんのか!」と思ったんですよ(笑)。最近では『おそ松さん』のEDを作っていて、「ドワーフさんはこういう作品の仕事もやるのか!」と驚きました。それで僕も「一緒に仕事をしたい」と憧れを持ち、今回動画工房さんにご相談させていただきました。偶然にも動画工房さんとドワーフさんはもともと付き合いがあったそうで、話がスムーズに進んで引き受けてくださいました。OP映像を観るだけで作品の温かみが視聴者に伝わるようにしたいと考えていたので、『ひなろじ』にぴったり合致しましたね。ただドワーフさんではED映像の制作だと思っていたらしく、「OP映像です」って伝えたらとても驚かれました。確かにコマ撮りアニメはEDっぽいイメージがありますが、決まり事ではありませんから。アニメーション部分の作画も、坂井久太さん(代表作『Re: ゼロから始める異世界生活』『桜Trick』)に原画で入っていただいて、女の子の仕草を可愛く描き上げてもらえたと思います。とても満足しています。
──お風呂や変身など、女の子が可愛いシーンはこの作品の大きな魅力の1つだと思います。やはり力を入れて作業されましたか?
赤城この作品の肝になる“楽しそう”なシーンなので、もちろん力を入れています。自分の演出仕事で原画をやっていただいていた佐藤由紀さんに、変身シーンの演出と絵コンテを担当してもらいました。「佐藤さんに担当してもらったら何かすごいものができるんじゃないか。」と思って、僕からはあえて口を出さないようにして、おまかせしたんです。素晴らしい原画マンが描いた原画が、完成された映像になっていて「おお〜これは良い!」と絶賛の嵐でした(笑)。そういうこともあって、変身バンクは全部お気に入りです。お風呂シーンについては1話に3回は入れてほしいとプロデューサーに言われていたのですが、実現できなかったことをちょっと後悔しています(笑)。でも最終話のお風呂シーンにはこれまで以上にほっこり、あったかい心のドラマがあります。ただのお風呂シーンじゃないんです! お風呂のような温かみをぜひ観てください!
──お気に入りのシーンを教えてください。
赤城演出やコンテを自分でやったというのもありますが、1話ラスト近くの橋のシーンのリオンとニーナのやり取りです。リオンが「いいなー」というあたりが演出的にも神経使いました。川に落ちていく前のリオンが気に入っています。
リオンは「朝日奈丸佳」という声優の、そのままの雰囲気でいけるかなと感じました
──リオン役に朝日奈丸佳さんを選ばれた理由を教えてください。
赤城先ほど挙げた1話の橋のシーンで、リオンが自然かつ嫌味なく入ってくる、という感覚を基準に選考したところがあるんです。そこに朝日奈さんの声質や演技が自然体ですんなり入ってきたというか。演技力も含めて、オーディションに関わったスタッフに伝わってきたものがあって、朝日奈さんにリオンをお任せしました。
──朝日奈さんの声は耳が心地よくなるような、聞いていて気持ちいい印象です。明るい気分にさせてくれますよね。
赤城そうなんです。本人も元気で気さくな感じで、リオンは「朝日奈丸佳」という声優の、そのままの雰囲気でいけるかなと感じました。驚いたのは“ローザ・リオン”になった時の声質ですね。アフレコ本番で、オーディションとは違う声に作り込んできたんですよ。オーディションの時はリオンがちょっとトゲトゲしくなった感じというか、ああいう大人びた声ではなかったんです。それが1話のアフレコでは今の声に作り込んできて、「おお、こんな素敵な声も持っているんだ」と驚きましたね。あまりにも自然な演技で、声もぴったりはまったのでリオンの演技指導はほとんどありませんでした。まんまリオンだったんでしょうね(笑)。
──最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
赤城スタッフ一同も楽しみながら制作しています。『ひなろじ』最終話まで楽しんで観ていただけたら嬉しいです。
の付いたインタビューはV-STORAGE online限定の記事です。
PROFILE
赤城博昭(あかぎひろあき)
『忍たま乱太郎』では絵コンテ、『おじゃる丸』では、絵コンテ、演出、作画監督などを担当。『映画 クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ!』で原画を務めるなど、コミカルな演出を得意とする。今作が注目の初監督作品となる。
<放送情報>
■TOKYO MX:毎週土曜22時30分〜放送中
■サンテレビ:毎週土曜22時30分〜放送中
■KBS京都:毎週土曜22時30分〜放送中
■テレビ愛知:毎週日曜25時5分〜放送中
■BS11:毎週土曜23時〜放送中
■AT-X:毎週土曜20時〜放送中
※実際のジャケットデザインとは異なります。
<Blu-ray発売情報>
ひなろじ 〜from Luck & Logic〜 Blu-ray 上巻
2017年11月24日発売
Blu-ray特装限定版:¥8,800(税抜)
※Blu-ray 下巻<最終巻>は2018年1月26日リリース
ひなろじ 〜from Luck & Logic〜 公式サイト
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