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ガンダム史上最高潮の戦場へ!『機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER』行成とあ×大原さやかスペシャル対談
累計発行部数200万部突破の太田垣康男による大人気コミックをアニメ化した『機動戦士ガンダム サンダーボルト』。大ヒット有料配信中の第2シーズン全4話に新作シーンを加えた特別編『機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER』が、2017年11月18日(土)より全国15館にて2週間限定で劇場上映される! そこで今回は、作品のキーマンを演じる行成とあさんと大原さやかさんに収録の様子や作品について話を伺った。
救われない生い立ちが二人の共通点
──お二人から見て、クローディアとカーラはどんな女性ですか?
大原カーラはひたすら可哀想だなって思いました。お父さんの命と引き換えにサイコ・ザクの研究を無理矢理やらされて、戦争も研究も自分も大嫌いで、内に閉じこもってしまった女性なんです。人との距離感をつかむのが苦手なんですけど、女性らしい柔らかい部分を捨ててしまったわけではなくて、不意に見せる弱さもある。彼女は何も悪くないのに、戦争という荒波にどんどん流されていってしまった結果、第1シーズン(第1話〜第4話)のラストで心が壊れてしまった。彼女の顔を見ると胸が痛いですね。第2シーズンでは笑顔のシーンが出てくるんですが、幸せそうであればあるほど観ているこちらが逆に辛い。
行成クローディアとカーラは、どちらも救いのなさが二人の共通点なのかもしれないなと思いましたね。クローディアもお父さんがいなくなって、艦長に担ぎ上げられて、彼女なりに頑張るけど、陰口をたたかれてしまう。第1シーズンでは、身も心もボロボロになったうえに行方不明になってしまったんです。その彼女が第2シーズンだと迷いのない目をしていて、ようやく自分の居場所を手に入れたんだと感じましたね。第1シーズンの収録で、松尾(衡)監督からは「艦長としての貫禄ではなく、余裕のなさを出してほしいです。作戦目標を伝えるときも、動揺が見えてしまうくらいの芝居で」と言われたんです。それが第2シーズンで「比丘尼様」と呼ばれるようになってからは、言葉の中に芯があるんです。信じている力みたいなものが第2シーズンでは表情から読み取れますし、声も落ち着いた感じで演じさせてもらいました。でも、第8話でイオを見た瞬間だけは、以前のクローディアに戻っていましたね。もしかしたら彼女の揺るぎなさは、弱い人が支えを得たことによる強さかも知れないですね。ちょっとしたことで支えが揺らいでしまう危うさもある。
大原そういうところはあると思いますね。弱いゆえに自分なりの抗い方をして、結果、それぞれの揺るぎなさを掴む。それは偽りかも知れない。それでも手を握る存在がいることでギリギリ幸せを保っていられるんでしょうね。
行成第7話でカーラがダリルの義手を握るシーンがありますよね。義手は機械的で冷たいイメージかも知れないけど、カーラは小さいころからお父さんの義手を握っているから、彼女にとってすごく温かくていい思い出なんですよね。
大原つかんだダリルの義手にまだ(第1シーズンで渡した)シュシュが付けてあったんです。そこにいろんな想いが込められているんだろうなと想うと、涙なしでは観られないですね。
──松尾監督の期待に応えようと役者側も奮起
──収録で苦労されたところはありますか?
大原第1シーズンのカーラと比べて、ガラリと変わってしまったので、アプローチがすごく難しかったですね。カーラは肉体的には変わっていないんですけど、精神は10代に退行しているんです。第7話で、今までの辛い記憶を忘れて、純粋にパパ(ダリル)といる時間だけを楽しんでいるシーンがあるんです。そこで声優という職業を初めて疎んだというか…。演技で10代をやることはできるんです。でも、それをやってしまったら、あのカーラにはそぐわなくなってしまう。フィジカルはそのままで、いかに無邪気さを表現するかが難しくて、松尾監督も「僕も正直、その辺を不安に思っていました」とおっしゃってました。何度かアプローチして、松尾監督やスタッフさんの励ましに背中を押されながら、進めていきました。いわゆる声優としてのスキルが邪魔になることが、初めての経験だったのでとても印象に残っています。
行成クローディアは松尾監督から「彼女はやりづらいでしょう? あの子は発散しないで、内に押さえ込んでしまうから。壊れてあふれるくらいまでいかないと出さないんです」と言われたことがあるんです。第2シーズンの彼女は自分が信じるものに真っ直ぐに向き合っているがゆえに、視野がすごく狭くなっている状態なんです。だから制御しなくてはいけない部分が多くて、感情の赴くままに行動できない。怒っていても、一度お腹に収めてから冷静に対処する。そこの加減がすごく難しい役なんです。いろいろ考え込んで収録に臨んでしまって、混乱していたら松尾監督が「大丈夫! できていたよ」とフォローしてくださって(笑)。クローディアは新たな切り口で演じさせていただいてる役だなと思いますね。
大原松尾監督は、できると思ったからこそハードルの高いオーダーをしてくださるから、演じる側もそれに応えようと思うんですよね。そういう意味では、松尾監督の現場はすごくやりがいはあります。
行成私は松尾監督の作品には今回初めて参加させていただいたんです。収録が終わった後もディベートの時間を設けてくださる方なんですよね。
大原収録が消化不良で終わることがないのは、役者としてすごくありがたいですね。苦労はするんですけど(笑)、その甲斐はある気がするんです。
──先にセリフを収録するプレスコ方式は、時間がかかるものなのでしょうか?
大原むしろ時間はかからないですね。
行成絵が出ているシーンもあるんです。第7話でクローディアが地球連邦軍に警告するシーンは、尺が決まっていたんです。始めは尺に合わせていたんですけど、松尾監督から「もう少し威圧的に、一言一言をかみしめて言っていいですよ」とアドバイスをいただいて、今度は尺を無視して言葉に“圧”をかけながら演じたんです。そうしたら5秒ほど押してしまって、でもそれを採用してくださったんです。決められた尺の中で演じていくのが基本にあるんですが、雑念を抜いてやりたい芝居ができたのはすごくありがたかったですね。それと第3話で、イオと言い争うシーンがあるんです。従来ならセリフが被らないように別々に収録するんですけど、そのシーンは中村悠一さん(イオ役)といっしょに録ったんです。「秒数もセリフの被りも気にしないでやってください」と言ってくださって、思いっ切り演じることができて本当に助かりましたね。
──最後に『機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER』をご覧になるファンへメッセージをお願いします。
大原観終わって「うわぁ…♪」という満たされた感じよりも、「うぅ〜っ! これで終わり!?」という気持ちのほうが大きくなると思うんです(笑)。でも、充足感よりも渇望する気持ちが大きいのは、そのぶん内容が密に詰まっていてあちこちの仕掛けが効いている証拠ですので、しっかり受け止めていただいて。あとはよりパワーアップした演出の妙といいますか、いい意味での「違和感」であったり、音楽もあえて歌詞の英訳を字幕につけて日本語で聴かせるところなど含め、大スクリーンだとより印象的に感じていただけると思います。皆さんのお力があれば、続編にも期待がつながると思いますので、宜しくお願いいたします!
行成設備が整った劇場であの映像と音楽に包み込まれてほしいですね。違和感を感じるのに、すごく心が動きますから、おそらくエネルギーがいると思うんです。だから観にいく前日はちゃんと食べて、ちゃんと寝て、万全な状態で臨んでほしいですね。私も続きが気になります(笑)。応援を引き続きお願いいたします!
PROFILE
行成とあ(ゆきなりとあ)
5月11日生まれ。アーツビジョン所属。主な出演作は『ベルセルク』シリーズのキャスカ役、『将国のアルタイル』エレノア役など。アニメ、ゲーム、洋画の吹き替えでも活躍中。
PROFILE
大原さやか(おおはらさやか)
12月6日生まれ。俳協所属。主な出演作は『xxxHOLiC』壱原侑子役、『ナイツ&マジック』セレスティナ・エチェバルリア役など。アニメ、ゲーム、洋画の吹き替えでも活躍中。
<上映情報>
機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER
[同時上映]機動戦士ガンダム Twilight AXIS 赤き残影
2017年11月18日(土)より全国15館にて2週間限定劇場上映!
※上映劇場にてBlu-ray初回限定版「COMPLETE EDITION」の先行販売を実施!
<Blu-ray&DVD&4K ULTRA HD Blu-ray発売情報>
機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER
COMPLETE EDITION【BVC限定/初回限定生産】
2017年12月8日発売
Blu-ray:¥10,000(税込)
機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER
2017年12月8日発売
Blu-ray:¥7,000(税抜)
DVD:¥6,000(税抜)
4K ULTRA HD Blu-ray:¥9,000(税抜)
機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER
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