高千穂遙が手掛けたSF小説を原作に、サンライズが制作したTVアニメ『ダーティペア』。原作小説からは基本設定のみを使用し、ストーリーはアニメオリジナルとして展開して高い人気を誇った『ダーティペア』は、1985年の放送開始から40年を迎えた。そのアニバーサリーイヤーを記念した「TVアニメ『ダーティペア』40周年記念展」が、10月10日(金)〜11月3日(月・祝)まで東京・北千住マルイ7Fのイベントスペースにて開催される。長きに渡って愛されているシリーズの歴史を貴重な資料と共に振り返ることができる展覧会となっている。
初公開となる原画資料なども含めて、『ダーティペア』の魅力を再確認することができる会場の様子をレポートしていこう。
会場に入るとまず目に入るのは、導入パートとも言える原作シリーズ年表とアニメシリーズ年表、そしてキャスト&スタッフによる記念展開催をお祝いするサイン色紙。シリーズ年表で紹介される大まかな歴史を振り返りつつ、関係者による『ダーティペア』への思いを感じたら、いよいよメインの展示へ。

メイン展示の最初のパートとなるのは、シリーズのスタート地点でもある作品の企画書。最初のテレビシリーズの日本テレビ社内向けの企画書と、原作小説をベースにせず『ダーティペア』のコンセプトのみ継承して新たにスタートした『ダーティペア FLASH』の企画書を全ページ展示。作品を始めるにあたっての意気込みや企画への思いなどが感じることができる。

続いての展示エリアは、『ダーティペア』のシリーズを作品ごとに解説したパネルと各作品に連動する形で、原作者の高千穂遙さんやバンダイナムコフィルムワークス他が保存していた貴重な品々が展示されている。原作シリーズのエリアには、原作小説の表紙と挿絵を担当する安彦良和さんの描いたポスターと共に、高千穂さんが『ダーティペア』で受賞した星雲賞のパネルと賞状、当時のグッズなどが飾られている。

TVシリーズ、劇場版、OVAなどの各作品の解説パネルには、メインスタッフによる各作品へのひと言コメントが添えられており、各作品のテンションが伝わってくるのも嬉しい。パネルの下のガラスケースには、保存されていた絵コンテ、アフレコ台本、レーザーディスクなどのパッケージ、作品放送&上映時期などに『ダーティペア』の記事が掲載されたアニメ誌、関連グッズやフィギュアなどが置かれており、当時の雰囲気をしっかりと伝えてくれる展示になっているのが嬉しい。



OVAで展開した『ダーティペアFLASH』3シリーズを紹介するコーナーに加えて、2007年に放送されたラジオドラマ『DP91(ダーティペアくのいち)』の解説もなされている。


その奥に進むと、歴代シリーズの設定画をもとにした、ケイとユリの等身大パネルが並ぶエリアへ。作品ごとに異なっている頭身や衣装、表情などの違いを見比べることができる。ここまでのエリアは写真撮影可能となっているので、お気に入りの作品のケイ&ユリと一緒に写真撮影をすることも可能だ。



展示のラストを飾るのは一般入場時は撮影禁止となる貴重な資料が飾られたエリア。壁面には巨大モニターが設置され、『ダーティペア』のリマスターされた歴代作品のオープニングとエンディングの映像が流れている。懐かしさを感じさせる音楽、リマスターによって高精細となった映像は、大きなモニターだからこその迫力と細部の描き込みを楽しめる。

エリア入口横の壁面には、テレビシリーズ各話ごとの設定集の表紙が並ぶ。設定集の表紙は、作品に参加した原画担当者たちがもちまわりで表紙用イラストを自由に描いたもので、さまざまなおふざけも満載。まさにここでしか見ることができない、当時のスタッフの空気感が伝わるものとなっている。
モニターの向かい側の壁面には、『ダーティペア』シリーズのキャラクターデザインと作画監督を務めた土器手司さん自らが保存していた修正原画の複製を原寸大で展示。土器手さんがこだわったキャラクターの表情や仕草などを間近で見ることができる。

モニターと並んだ壁面には、『ダーティペアFLASH』のキャラクターデザインを担当した木村貴宏さん(2023年に逝去)が手掛けたキャラクターの準備稿の複製原画が飾られている。土器手司さんの描いたキャラクターデザインを一新するためにさまざまなパターンを試みた経緯を見て取れる。

さらに奥側のガラスケースには、木村さんが手掛けた『ダーティペアFLASH』の版権イラスト用の原画を展示。木村さんの手によって描かれた、大判サイズの原画は鉛筆の線の美しさまで見ることができる。
その他、色彩設計用に作られたセル画、劇場版のオープニングに使われたアニメーターの森本晃司さんが原画を担当されたパートのセル画、映像と対比して見ることができるオープニングとエンディングの絵コンテの複製なども置かれており、より『ダーティペア』シリーズを身近に感じることができるはずだ。

展示エリアの外には物販エリアがあり、40周年を記念したグッズが勢揃い。ぜひ40周年記念展の思い出と共にお気に入りのケイ&ユリグッズを持ち帰って欲しい。
◆開催概要
「TVアニメ『ダーティペア』40周年記念展」
会期 2025年10月10日(金)〜11月3日(月・祝)
時間 10:00~19:00
会場 北千住マルイ 7F イベントスペース
(東京都足立区千住3丁目92 ミルディスI 番館)
主催 株式会社バンダイナムコフィルムワークス/株式会社エニー
展示会ウェブサイト https://www.sunrise-world.net/event/010.php
原作者・高千穂遙さんのサイン会実施決定!

▲内覧会にて 原作者・高千穂遙
原作者・高千穂遙さんのサイン会実施が決定いたしました。
日時:10月26日(日) 13:00~14:00
参加条件:物販会場でダーティペアの小説購入者先着100名に参加券を配布。当日は購入いただいた小説にサインをいたします。
※サイン会は会場内で行いますので入場チケットを購入ください。小説とは別途、お持ち込み分書籍一冊までサインをいたします。
©高千穂&スタジオぬえ・サンライズ
▼ダーティペア 公式サイト
https://www.sunrise-inc.co.jp/dirtypair/
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