水島 努監督オリジナルアニメ最新作!『荒野のコトブキ飛行隊』鈴代紗弓×ZAQスペシャルインタビュー
監督・水島 努(『ガールズ&パンツァー』)×シリーズ構成・横手美智子(『SHIROBAKO』)の黄金コンビが贈るオリジナルアニメ最新作『荒野のコトブキ飛行隊』が、2019年1月13日(月)よりTOKYO MXほかにて好評放送中! そこで今回は、キリエ役の鈴代紗弓さんとオープニング主題歌「ソラノネ」を担当したZAQさんのスペシャルインタビューをお届け。鈴代さんにはキャラクターの印象やアフレコ収録でのエピソード、ZAQさんには楽曲制作秘話などを伺った。
キリエは考えて行動するというよりは、
思いついたら即行動みたいなタイプです(笑)[鈴代]
──キリエ役はオーディションだったと伺いましたが、まずは役が決まった時の率直なお気持ちからお聞かせください。
鈴代誰しもそうだと思いますが、役が決まったと聞いた時は凄く嬉しかったです! ちょうどキリエのオーディションを受けさせて頂いた時は、自分の中で、これまでのオーディションとは心の持ち方を変えてみようと思い始めていた頃だったんです。たくさんの方がオーディションを受けるので、その中から選ばれるためには何かしら人と違ったことをしないと印象に残らないんじゃないか、目に留まらないんじゃないか、色々と考えていた時期でした。そんな中で、今まで自分がやってきたアプローチの仕方を変えて取り組んだ最初の作品が『荒野のコトブキ飛行隊』のキリエなんです。本作はオリジナル作品ということもあり、キャラクターのバックボーンをある程度自分で考えた上で演じさせて頂いたんですけど、私の考えたキリエの人物像と、水島(努)監督の考えていたキリエのイメージとがたまたま上手く噛み合ったんじゃないかなって(笑)。自分でも今までよりも一歩踏み込んだアプローチで掴めた役だったので、とても印象に残っています。
──鈴代さんが演じられているキリエは、どのようなキャラクターですか? 演じる際に意識していることは何かありますか?
鈴代オーディションで頂いた資料には瞬間湯沸かし器のような性格とあって(笑)。あとは頭に血が上りやすいくらいしか記載されていなかったので、自分で穴埋めしていくような形でした。その後、台本を頂いてアフレコが始まる中で、瞬間湯沸かし器のような性格というのが本当にその通りだなって(笑)。なので、演じる際に意識している点といえば、その部分ですね。キリエは考えて行動するというよりは、思いついたら即行動みたいなタイプです(笑)。また、本編が始まるにあたってディレクションを受けたのは、彼女の大好物であるパンケーキへの愛ですね(笑)。その愛の大きさと、キレる時に急激にテンションが上がるところ。あとは、本作において重要になってくる空戦シーンでの演技ですね。実際に戦闘機に乗っているかのような息遣いだったり、リアクションだったり…。自分の芝居で折角の格好良い空戦シーンを台無しにはしたくないという気持ちがあったので、流れを壊さないような演技を意識していました。
大人の大好きを詰め込み過ぎというか、やり過ぎだろうっていうくらい
ロマンが前面に溢れ出ていましたね(笑)[ZAQ]
──ZAQさんは本編をご覧になって、どのような感想をお持ちになりましたか?
ZAQとにかく音が凄いなって。あとは空戦シーンがえげつないくらい格好良くて。大人の大好きを詰め込み過ぎというか、やり過ぎだろうっていうくらいロマンが前面に溢れ出ていましたね(笑)。音一つとっても、エンジンが掛かる音だったり、切れる音だったり、とてもこだわっていましたし、戦闘機のちょっとした錆や傷とかも細かく描写されていて、これは確かにちょっとくすぐられるかもしれないなって。そういう(ミリタリー)萌えは私には今までなかったんですけど、そんな私でも戦闘機のロマンを感じて、ちょっと涙が出そうになるくらい作品への愛を感じましたね。
──キリエ以外のコトブキ飛行隊のメンバーについて教えてください。
鈴代コトブキ飛行隊のメンバーは全部で6人いて、全員が一人でも生きていけるくらい強くて、そんな6人が集まって、さらにチームとして強くなっているという印象ですね。みんな個性が強いんですけど、それぞれの足りない部分を補っているというか、バランスの取れたチームになっています。キリエとチカが喧嘩を始めて、エンマがその仲裁に入って、それを横で見ていて楽しんでいるのがザラで、そんな喧噪をよそに自分の世界に入っているのがケイトで、みんなを纏めてくれているのが隊長のレオナなんです。でも、そんなレオナのことを陰ながら支えているのがザラだったり…そういう関係性が本当に上手い具合にそれぞれのポジションであるんです。
──コトブキ飛行隊メンバーが集まるアフレコでの印象的なエピソードがあればお聞かせください。
鈴代この作品にはたくさんのキャラクターが登場する分、キャストも多いのですが、とても和やかな雰囲気でアフレコをやらせてもらっています。キャストには新人の声優さんが多くて、そんな新人たちをベテランの方たちが温かく見守ってくださっているような現場だと思います。収録の合間には作品にちなんだ話もしますが、キャストみんなで作品には全く関係のない話などでも盛り上がったりしています(笑)。でも、やる時はやるというか、本番の時は常に緊張感があって、特に空戦シーンでは現場の空気が変わるんです。会話劇は会話劇で楽しくテンポ良く演じさせて頂いていますが、それとは別の緊張感が空戦シーンのアフレコにはありますね。
私は自分の曲を書くとき以外は、
クリエイターモードに徹するようにしています[ZAQ]
──ZAQさんは本作のオープニング主題歌「ソラノネ」を担当されていますが、どのようなイメージの楽曲ですか? また、水島監督ら制作陣からの楽曲に対する具体的な指示はありましたか?
ZAQ周りの方から「水島監督は音楽に詳しい方だから、ちゃんとやらないとヤバイよ!」って、凄いプレッシャーをかけられていて(笑)。なので、最初からハードルがめちゃくちゃ高かったんです。発注は、作品タイトルに「荒野」が入っているので、『荒野のガンマン』(※1961年公開の西部劇映画)などのマカロニ・ウェスタンの雰囲気を踏襲しつつも、女の子たちが戦う作品でもあるので、渋くなり過ぎずというものだったと思います。でも、そんな渋い音をバリバリ入れて、からっ風が吹くようなイメージの楽曲だと、女の子というよりかはもう少し大人っぽくなってしまうのかなっていうディスカッションが打ち合わせの中で何度かあったんです。その中で、ジャズアーティストでEGO-WRAPPIN'(エゴラッピン)というグループがいらして、その方たちの雰囲気を出しつつ、ジャズに落とし込むのはどうだろうと。マカロニ・ウェスタンロックからビッグバンドジャズに切り替わっていく感じでやってみようと、打ち合わせを重ねる中で方向性が固まっていった感じです。なので、水島監督からの直接の発注というのは、荒野感があって、ちゃんと音楽的に展開があればというくらいだったと思いますけど、気に入ってもらえるのか、提出した後はビクビクしていましたね(笑)。でも、リテイク無しの一発OKだったので、水島監督に気に入ってもらえて本当に良かったです。
──コトブキ飛行隊メンバーが歌うエンディング主題歌「翼を持つ者たち」の作詞・作曲も担当されていますが、どのようなことからインスピレーションを得て制作されましたか? また、制作過程で何かエピソードがありましたら教えてください。
ZAQ私は自分の曲を書くとき以外は、クリエイターモードに徹するようにしています。なので、インスピレーションというよりは、頂いたオーダーに対して120%の力で応えることを常に意識しています。今回は、物語は割と殺伐としていて、人の生と死を扱ったりもするので、エンディングではちゃんと幸せに終わりたいというものでした。明る過ぎず、楽しいというよりかは幸せな感じの楽曲にして欲しいということだったので、それならばミドルテンポかなと。また、コトブキ飛行隊の6人で歌うので、ソロの割り振りなども難しくなってくるんですけど、それも私の方で割り振りを考えさせてもらいました。あと、流行りのシンセサイザーを使った最先端の音は使用せず、土臭い感じというか、人間味のあるアレンジで制作を進めていきました。
オープニングは格好良く、エンディングは幸せな感じというか、
まさしくエンディングっぽい感じの楽曲だなって[鈴代]
──鈴代さんはエンディング主題歌「翼を持つ者たち」を最初に聴いた時、どのような感想をお持ちになりましたか? また、レコーディング中のエピソードなどもお聞かせください。
鈴代初めて楽曲を聴かせて頂いた時は、オープニングはまだ聴いていなかったので、どんな風になるのかドキドキしていました。ワーワーしているキャラクターが割と多い作品なので(笑)、それこそアップテンポな感じの曲になるのかなって思っていたら、オシャンな感じで、凄く素敵な楽曲でした。その後、オープニングを聴かせて頂いて「なるほどな」って納得したというか。オープニングは格好良く、エンディングは幸せな感じというか、まさしくエンディングっぽい感じの楽曲だなって。この曲が最後に流れてきて画面は夕陽なのかなとか、色々と想像が膨らみましたね。
ZAQあまりアニソンっぽく作りたくなくて、J-POPといったら変ですけど、キャピキャピしたアイドルのキャラソンではなく普通にポップスとして作りたかったんです。なので、ちょっとダサいというか、田舎っぽい感じの、カントリーソングのようなサウンドにしました。めちゃくちゃインパクトが強いというよりかは、余韻が残る感じっていうんですかね(笑)。
鈴代私もそういう印象を受けていたので、ご本人の口から聞くことができて嬉しかったです(笑)。私、レコーディングは今回が生まれて初めてだったんです。
ZAQいや〜、可愛かったですよ。まだ慣れていない感じ? 機材を見て驚くみたいな(笑)。
鈴代あり得ないくらい緊張していて(笑)。でも、レコーディングってこんなに楽しいんだなって。スタッフさんたちも本当に優しくて、でも言うべきところはちゃんと言ってくださるので、キャラクターとして歌うことの難しさというか、キャラクターが歌っているように聴こえる方法のようなものも教えて頂いて、凄く勉強になりました。
──では最後に、本作の放送を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
鈴代本当に見どころが多い作品です。音も臨場感や迫力があって凄いので、良いサウンド環境をお持ちの方は、より楽しめるのではないかと思います。ストーリーが今後どうなっていくのか、展開が読めないのもオリジナルストーリーならではだと思いますので、本編はもちろん、スマホゲームやグッズ、ZAQさんの曲も一緒に楽しんで頂ければと思います。
ZAQ最初の頃、ここでは言えないようなプレッシャーが結構あったんですけど(笑)、蓋を開けてみると、オープニングもエンディングもカップリングも楽曲に関しては凄く自由にやらせてもらえました。自分のテイストを出してもクリエイターの意見として受け入れてくれましたし、とてもやりやすいチームでしたね。映像を観ていると、それがハッキリ分かるというか、大人の大好きが詰まっているんだなと(笑)。愛情に溢れた作品になっていますので、今後の展開も楽しみにしていて頂ければと思います。
PROFILE
鈴代紗弓(すずしろさゆみ)
2月4日生まれ。神奈川県出身。声優。アーツビジョン所属。主な出演作は『ハイスコアガール』大野晶役、『ガンダムビルドダイバーズ』リップ役など。2019年4月放送のTVアニメ『ぼくたちは勉強ができない』では、武元うるか役での出演も決まっている。
PROFILE
ZAQ(ザック)
3月16日生まれ。鹿児島県出身。シンガーソングライター、作詞家、作曲家、編曲家。『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』の主題歌「カタラレズトモ」をはじめ、TVアニメ作品の主題歌を数多く担当。これまでシングル16枚、アルバム3枚を発表している。
<放送情報>
■TOKYO MX:2019年1月13日より毎週日曜22時30分〜放送中
■テレビ愛知:2019年1月13日より毎週日曜26時05分〜放送中
■MBS:2019年1月15日より毎週火曜27時00分〜放送中
■BS11:2019年1月15日より毎週火曜24時00分〜放送中
※放送日時は都合により変更となる場合がございます。
<Blu-ray BOX発売情報>
荒野のコトブキ飛行隊 Blu-ray BOX上巻
2019年5月24日発売
価格:¥18,000(税抜)
荒野のコトブキ飛行隊 Blu-ray BOX下巻
2019年7月26日発売
荒野のコトブキ飛行隊 公式サイト
©荒野のコトブキ飛行隊製作委員会
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