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大ヒットオリジナル感動巨編!『さよならの朝に約束の花をかざろう』入野自由キャストインタビュー全文掲載

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大ヒットアニメ作品『あの花』『ここさけ』の脚本を担当した人気脚本家・岡田麿里の初監督作品として大きな注目を集めた劇場アニメ『さよならの朝に約束の花をかざろう』。2018年2月24日より全国の劇場で公開され多くの観客が涙した感動作が、豪華特典を満載したBlu-ray&DVDで2018年10月26日に発売される! そこで今回は、エリアルを演じた入野自由さんを直撃。キャラクターの印象はもちろん、作品の感想などを伺ったインタビューの模様をお届けする。

最初の印象としては“とても難しそうなものを作っているな”と

──まずは台本をご覧になられた時の感想から教えてください。

入野台本を読む前の話からさせて頂くと、まずオーディションの時に設定資料と台本1ページ分の台詞を頂いて、それを見た限りでは設定がとても複雑なのかなと感じました。ファンタジー作品ですし、より細かく作ってあるということなんですけど、最初の印象としては“とても難しそうなものを作っているな”と。ですが、実際エリアル役に決まって台本を頂いて読んだ時に、実はとてもシンプルで普遍的なことが描かれていて、すごく面白いなと思ったんです。そして、これは様々なところで何度も話しているんですけど、読み終えた直後、監督の(岡田)麿里さんに「素敵な作品ですね。すごく感動しました」と連絡させて頂きました。

──台本を頂いて、最初はエリアル目線で読まれたのでしょうか?

入野最初は全体を流し読む感じでしたね。本当にすごく良い作品ですし、素敵な台詞や言葉がいっぱい散りばめられていて、情景も浮かびましたし、文字で読んだだけでこれだけ心に響く作品がこの先どうなるんだろうという楽しみがありました。

──本作は岡田麿里さんの初監督作品でした。監督としての岡田さんの印象はいかがでしたか?

入野僕自身アニメの監督がどういうものなのか詳しいことは分からないんですけど、色んなタイプの監督がいて、色んなタイプのリーダーがいると思うんです。その中で麿里さんは自分で引っ張っていくというよりは麿里さんを中心にして麿里さんを助けたいとか、麿里さんの作りたいものを実現させたいという人たちを引き込む力がすごく強いなと思いました。僕自身もその力に引き寄せられた人間です。なので、監督として素晴らしい才能を発揮されていたんじゃないかなと思います。

エリアルはとてもピュアで、共感する部分もすごく多かったです

──本読みが収録の1年前にあったそうですが、その時はどのような感じだったのですか?

入野本読み時点で上がっている分の絵コンテを見ながら、読み合わせをしていきました。ディレクションも時間が許す限りしっかりあって。ただ、キャストは全員がいたわけではないので、できる限りの読み合わせでしたけど、みんなで協力し合いながらフルでやりました。マキア役の石見(舞菜香)さんも初めての現場ですごく緊張していたし、慣れという意味でもそうですし、みんなの中に一体どんな感じになるんだろうという心配もあったと思います。それを確認するいい機会でもありましたね。あと、全部ではないですけど、僕たちの口の動きや表情、声のニュアンスをそこで録って、それを絵に反映させていく作業も兼ねていたので、流すというよりは本気で臨んだという感じでした。

──実際に演じられてみて、エリアルの印象はいかがでしたか?

入野とてもピュアで、共感する部分もすごく多かったです。映画を観ていて、もしかしたら自分の子供の頃もこうだったかもしれないというような追体験をしているような感覚にはなりましたね。

──入野さんは子供の頃、どのような少年だったのですか?

入野僕は一人っ子だったので、一人で遊ぶのも得意でしたし、友達と一緒に外で遊んだりするのも好きでした。ゲームとかもありましたけど、決してゲームばかりというわけでもなかったですし。走り回ったり、空想の敵と戦ったりしていましたね(笑)。

──入野さんは4歳の頃からお仕事をされていますが、小さい頃から演じることや表現することに興味があったのですか?

入野興味があったかというと、自分でも正直よく分からないんです…。でも、これまで色々とやってきた中でここまで続いているということは好きだったのかなと思いますね。

キャスト一人一人が自分の役に真摯に向き合って、一つの作品を作っていきました

──エリアルを演じる上で意識された点や苦労された点があれば教えてください。

入野本編では子供時代を演じてないんですけど、先程話に出た本読みの時は子供時代からおじいちゃんになるまでを全部僕一人でやらせてもらったんです。一回そこでやっているというのが自分の中のどこかにうっすらと残っていて、それに沿おうとしたわけではないですけど、その感覚が自然と乗っかって、できたのかなと思います。あと、エリアルの子供時代を演じていた子役の櫻井(優輝)くんの収録にも立ち会わせてもらいました。それを見たことによって何かしら感じる部分が変わったり、ちょっとずつの積み重ねがエリアルに繋がると思ったので、とても重要になったかもしれません。あとは、作品の中で長い年月を描いているのでスピード感があるんです。とはいえ、そのスピードにただ乗っかるだけではなくて、感情だったり、間にあったであろう出来事などを想像しながら、一つ一つを丁寧に積み上げていきました。それを一つでも間違えると全部が崩れてしまうというところを石見さんも含めキャストみんなで確認して、一人一人が自分の役に真摯に向き合って、一つの作品を作っていきました。なので、意識したことはそういう積み上げていくということだと思います。常にどの作品においてもその一本の中で積み上げていくというのは同じですが、特に劇場作品や舞台は、その2時間なら2時間の中でより細かく積み上げていくというのを意識しているかもしれませんね。

──マキア役の石見さんとは演技について話し合ったりされましたか?

入野少しだけ。僕がどうこう言うことではないとは思いながらも、僕自身が先輩に言われてすごく助けられた言葉があったので、そういうものを僕なりの伝え方で石見さんに伝えました。ただ、僕から「こうだよね」とか「こうした方がいいよ」ということは言わないようにしていましたね。

──入野さんはマキアとエリアルの関係性をどう思われますか?

入野改めて家族って何だろうなとか、母と子・父と子…そういう絆って何だろうなということは色々と考えさせられました。実際に母親から生まれたという事実もとても重要なことですし、でも育ててくれたというその関係も親子だと思いますし…。倫理的にどうかというのはあるかもしれないですけど、どっちもお母さんと子供だし、一つじゃなくても良いというか。絶対にこうじゃなきゃいけないっていうのは必ずしもないんだなというのを観ていて思いました。すごく不思議な関係に見えるかもしれませんが、実際この作品のファンタジー要素を削ぎ落としていくと、実はシンプルで、今の世の中にある家族の形を描いているのかなって。そういうものを観てくださった人が感じたから、観終わった後に誰かに優しくできたり、そういう感情が生まれるのかなって思いますね。

マキアが最後に大きな声を出して赤ちゃんみたいに泣くあのラストシーンは特に印象に残っています

──作品の物語や世界観について、魅力を感じる部分があれば教えてください。

入野設定が細かくて、語られていない部分もたくさんあって、物語も音楽も今できること全部を詰め込んだってこういうことを言うのかなって。僕もまだこの作品の実は10%くらいしか知らないんじゃないかと感じてしまうほど本当に色んなものが詰まっているんです。ファンタジー作品としての完成度が物凄く高いと思います。それは先程も言ったように、そういう要素を削ぎ落としていって、すごくシンプルにものを見た時に見えてくるものもある。見方を変えると色んな楽しみ方ができる作品です。

──完成した映像をご覧になられた時、どのように感じましたか?

入野実際に絵がついて音楽がついたものを観た時は、胸がいっぱいになりました。やっぱり絵とか音楽って観ている時の感情を盛り立ててくれるものだと思うんです、僕たちの声もそうですけど。なので、映画館で観た時は作品にどっぷり入り込めましたし、色んな感情が溢れてきて、最初に台本で読んだ時とはまた違う感想を持ちましたね。

──ご自身が出演されている作品でも、ご覧になられて涙を流すことはあるのですか?

入野あります、もちろんあります。さすがに号泣っていうのは中々ないですけど、泣いちゃいます(笑)。小学校時代の同級生と一緒に『さよ朝』を観に映画館へ行ったんですけど、30歳の髭を生やした男二人が息を殺しながら涙を拭っていましたね(笑)。お互い泣いていたのは仕草なんかで何となく分かっていましたけど、泣くまいと我慢しているのも分かるので、観終わった後はあまり顔を合わせずに、「一人で観に行けば良かったよ」って言いながら映画館を後にしましたね(笑)。

──印象に残っているシーンがあれば教えてください。

入野エリアルのシーンで挙げるなら2つあります。1つ目はエリアルがマキアに向かって最後に「行かないでくれ、母さん」と叫ぶシーン。

2つ目は橋の上でのラングとのやり取りの中で、エリアルが自分の気持ちを打ち明けるシーンが印象に残っています。

エリアルが出ていないシーンだと、茅野(愛衣)さんが演じていたレイリアが城の上から飛んでレナトに飛び乗って空へ駆け上がるシーンですね。これは台本を読んだ時から好きなシーンだったんです。台本を読んだ時に自分の中で絵が想像できて、音楽のタイミングとか全部こうなったら素敵だな…みたいなのがあったので、あのシーンはやっぱり好きですね。自分が思い描いていたものまんまというわけではないですけど、でも“やっぱりこうきたか”というピタリとハマった感じはありましたね。

あとは、マキアが最後に大きな声を出して赤ちゃんみたいに泣くあのラストシーンは特に印象に残っています。

ある意味で自分も最期は、ああいう風にいられたら幸せなのかなと、ふと思ったりしましたね

──本作はエリアルの生から死までを描いた物語でもあると言えると思いますが、入野さんからご覧になってエリアルの人生をどう思われますか?

入野シンプルなことしか言えないんですけど、本当に波乱万丈であって、その時その時には苦しくて、もう嫌だっていうことは何度もあったと思うけど、最終的にはちゃんと彼なりの幸せというものを見つけて、最期を迎えられたんだろうなと思いました。ある意味で自分も最期は、ああいう風にいられたら幸せなのかなと、ふと思ったりしましたね。

──入野さんが思い描く“幸せな人生”とはどういったものですか?

入野自分の中で優先順位の高いものを一番側に置いていられたら幸せなのかなとは思いますね。例えば、芝居なのか子供なのか恋人なのか穏やかさなのかは分からないけど、そういう優先順位の高いものが自分の最期の時に側にあったらそれは幸せなのかなと思います。

──他のキャストの方と共に登壇された初日舞台挨拶の感想をお聞かせください。

入野掛かっている年月や作業量を考えると、スタッフのみなさんは僕らキャスト陣より緊張感のある初日だったと思います…今でも覚えていますけど、麿里さんは物凄く緊張されていましたね。石見さんも緊張していたし、周りに緊張している人がいると自分はちょっと落ち着いていられるんだなと思いました(笑)。とはいえ、やっぱり初日なので、お客さんがどういう顔をしているのかドキドキはありましたね。会場に入った瞬間に空気感で何となく分かるんです。でも、この作品の時はすごくいい空気が会場に流れていて、それぞれがちゃんと何かを感じて持って帰ってもらえそうな空気でしたし、多くを語らない方がいいのかなと思うくらいの舞台挨拶でしたね。

──最後に、Blu-ray&DVDの発売を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

入野テーマとしては普遍的なものを描いていて、誰からも愛される作品だと思います。観るタイミングだったり、年齢や自分の立場によっても作品の感じ方が大きく変わってくると思うので、お手元に置いて頂き、何かのきっかけ、何かのタイミングでまた観てもらえる作品になったら嬉しいなと思います。これから先も大切にしたい、そしてもっと色んな人に観てもらうべき作品だと思いますので、みなさんの手で広めて頂ければ嬉しいです。

PROFILE

入野自由(いりのみゆ)

東京都出身。ジャンクション所属。ゲーム「キングダム ハーツ」シリーズのソラ役のほか、主な出演作品に『コードギアス 亡国のアキト』日向アキト役、『映画 聲の形』石田将也役、『おそ松さん』松野トド松役、『風が強く吹いている』柏崎 茜役などがある。

<Blu-ray&DVD発売情報>

さよならの朝に約束の花をかざろう
2018年10月26日発売
Blu-ray特装限定版:¥8,800(税抜)
DVD特装限定版:¥7,800(税抜)

Blu-ray通常版:¥4,800(税抜)
DVD通常版:¥3,800(税抜)

11月3日 21時より 同時再生祭り「さよ朝自宅上映会」開催!
ほか、Blu-ray&DVD発売記念公式HPにてキャンペーン実施中!
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さよならの朝に約束の花をかざろう 公式サイト

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