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エウレカプレス 第6弾 石井・風花・アネモネ役 小清水亜美 インタビュー

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大きな話題を呼んだ第1弾の公開から約1年。劇場版3部作の第2弾『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』では、少女アネモネを描く新ストーリーが展開。そんなアネモネを演じるには「体力と精神力が必要」と語る小清水亜美さんに、第2弾の見どころなどを伺った。

アネモネという役は感情の振り幅が広く、とても難しいキャラクターでした

──今も多くのファンから愛され続ける『交響詩篇エウレカセブン』は、小清水さんにとってどのような存在ですか?

TVシリーズの頃はまだ10代だったこともあり、チャレンジという気持ちで色々と学ばせて頂いた現場でした。SFならではのメカに乗って戦うだけではなく、人間模様もきちんと描かれていて、アネモネという役は感情の振り幅が広く、とても難しいキャラクターでした。あざとくならないようなナチュラルさを求められる特殊なキャラクターだったので、この役を演じた経験が確実に今の自分に繋がっていると思います。

──では当時、ご苦労された経験はたくさんあったのでしょうか?

そうですね。当時の自分と今の自分では気付ける範囲も違いますし、それを実現させられる力量も違います。キャラクターの感情面での本質の部分、こう見せたいというスタッフの方のディレクションを当時は理解するのに時間が掛かりました。また、頭では分かっていてもそれを実際に芝居で思うように表現できないことに苦労しました。でも、そういう経験をしなければ人は成長できないですし、本当に学びの場でした。そうやってもがいた部分が、ある種リアルにキャラクターに乗っかっていたと思います。今は当時より表現力が上がっているけど、その頃特有の狙っていない不安定さが良い効果になっていたんじゃないかなとも思っています。

──その名作を劇場版3部作として新たに作り直すという企画を伺った時はどのようなお気持ちでしたか?

第1弾に出演する可能性もゼロではなかったようで、早い段階に頂いたスケジュールで劇場版3部作を知りました。TVシリーズの総集編のような形でやっていくのか、それともイチから作っていくのか、全く分かりませんでした。でも、やるのであればとにかく頑張ろうと思っていましたし、TVシリーズのアフレコを思い返して、これは相当体力と精神力がいるぞと(笑)。キャラクターが辛い苦しいと思っていれば、そのセリフを言っている自分も同じ気持ちになるので、不安定な気持ちのキャラクターを演じると心の力を凄く消耗するんです。第1弾には出番がなかったので様子を見て備えようと思っていたら、その頃に第2弾以降の噂が流れて来て、次はアネモネを軸にして描かれる可能性があることを知って、改めて気を引き締め直しました(笑)。

──前作『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』をご覧になってどのような感想をお持ちになりましたか?

懐かしさと違和感がバランス良く絶妙に混じり合っている感じがしました。本来いるはずのキャラクターがいなかったりもしたので、この先どうなっていくんだろうという未来への謎が残されていて、ワクワクできる喜びと共にザワつきも感じました。そこからの第2弾はより驚きが凄いだろうなと思います。

タイトルを知った時は「アネモネ、良かったね」と真っ先に思いました

──そして、第2弾『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』。タイトルを知った時の率直なお気持ちをお聞かせください。また、キービジュアルをご覧になった感想もお願いします。

当時TVシリーズでできなかったことが沢山あって、今回のキービジュアルのようにエウレカとアネモネは手を取り合うことは絶対にできませんでした。戦闘シーンでのやり取りはあっても、二人でゆっくり会話をするということもありませんでした。それが一つの形になっている夢のようなキービジュアルです。本編でもそういったもしこうだったらという夢が叶っています。アネモネはずっと人間になりたかったし、エウレカになりたかった。生まれてきた意味やデューイに何を求められているのかも分かっていました。今回タイトルにアネモネと入れて頂けたので、エウレカになりたかったTVシリーズのアネモネの夢をスタッフの皆様がこうした形で叶えてくれたのかなと思いました。キャラクター名がタイトルに付いていることは光栄かつプレッシャーではあるんですけど、タイトルを知った時は「アネモネ、良かったね」と真っ先に思いました。

──総監督の京田知己さんや音響監督の若林和弘さんらスタッフの方から、今回の第2弾について何か事前にお話はあったのですか?

第2弾の予告編のナレーションを収録している時に本編に関わることを喋っていたので、そこで少しだけお話を伺いました。ただ、それは予告編だったので色々考えてもしょうがないからその時を待とうと割り切って、その日はスタジオを後にしました(笑)。収録も3Dパートを先に録って、その後に本編の順番だったので、最初に3Dパートの台本を頂いた段階ではまだ全体像は分かりませんでした。今回はエウレカとアネモネのやり取りが主に描かれていたので、昔できなかったことが本当にできるようになった感慨深さと、この二人の関係がここからどうなっていくのかという期待感がありました。キービジュアル通りに手を取り合い心で繋がった二人のやり取りがとても可愛くて、10数年前にもしもで話していたことが違った形とはいえ実現したので、演じていて凄く幸せでした。

──今回タイトルロールにもなっているアネモネを演じるにあたって、TVシリーズは見直されたのですか?

全シーンが新規カットという訳ではないので見直すやり方もあったんですけど、今回はもしもの選択をして分岐した先の世界だと思っているので、異なる分岐先のアネモネを参考にするのはまた違うのかなと思い敢えて見直しませんでした。TVシリーズはまた別のものとして捉えています。

今回のドミニクはちょっと頼りがいがありますよ(笑)

──ビジュアル的にはTVシリーズの時と大きな変化はないように感じましたが、久し振りにアネモネを演じられてみていかがでしたか?

人間として生まれ、父と母がいて、人としての学びがあったので、笑顔とか人間だったら当たり前に表現できている感情がありました。その後に、父親が行方不明になって背負い込んだ心の闇が、TVシリーズでは「感情の起伏が激しくて不安定」という方向に出ていました。今回は年齢の割に大人びているので、傷付くのを恐れて期待しないような生き方で自分を守ってきたんだなと思っています。本当だったらもっと色々なことに感動したりするんだろうけど、それが常に表現できている訳じゃない危うさがありました。そういう消極的な人間性を持ったアネモネがどうやって未知のものに触れていくか、自分の中で何に決着をつけて、どう成長していけるのかというところが今回の第2弾で描かれています。

──アフレコ現場の様子はいかがでしたか? 何か印象的なエピソードがあればお聞かせください。

(ニルヴァーシュ type)the ENDに乗っているシーンは、当時の絵をそのまま使用してやらせて頂いたので、「この乗り込みスタイル懐かしい〜」と思ったのと、家でVTRチェックをしながらテンポの速さに驚きました。今回は当時と同じセリフではないんですけど、当時の音声も入れて頂いていたので、当時のセリフをこっそりなぞってこの速さでよくやれていたなと思いました(笑)。若い頃は日常的に早いテンポで喋っていたので、急いで言葉を詰め込まなきゃという気持ちがなかったんですよね。これは私が歳を重ねたから速いと感じるんだなと思いました(笑)。それと、当時はテンションをピークにした状態でセリフを言うための準備は何もいらなかったんですけど、今は他の人に分からないところで助走をつけるようになっていて、心の中では「今まではそのままワンジャンプで行っていたけど、実は心の助走をつけているんだぜ」とこっそり思っています(笑)。よく言えば積み重ね、悲しく捉えると年齢ですね(笑)。

──ネタバレにならない範囲で、第2弾の見どころを教えてください。

新しい分岐の話になるので最初から最後まで全てが見どころと言っても間違いないですね。各キャラクターの立ち位置の差も見どころだと思っていて、たった一つの選択が違えば、これだけ世界は変わるんだよと。例えばドミニクで言うと、改めてTVシリーズの時の素晴らしさに気付けるし、今回の立場が変わったドミニクの魅力も新たに発見することができます。本当の意味でキャラクターを愛している者としては、見られなかった顔が見られている嬉しさがあります。そういう楽しみ方を探してもらえたらいいなと思っています。今回のドミニクはちょっと頼りがいがありますよ(笑)。TVシリーズのドミニクは、最後の最後に見せ場があって、彼がいてくれたからアネモネは救われた部分がありましたけど、そうは言ってもヘナチョコはヘナチョコなので。今回は、ヘナチョコの部分はあるけど頼りがいのある面も見られるので、個人的にはオイシイなと思いました(笑)。改めて人生の選択はとても大事なんだなと、自らの人生においても思わせてくれる『エウレカセブン』の世界観に魅力を感じてもらえるんじゃないかなと思っています。

PROFILE

小清水亜美(こしみずあみ)
●2月15日生まれ。東京都出身。主な出演作品に『コードギアス 反逆のルルーシュ』の紅月カレン役、『狼と香辛料』のホロ役、『咲-Saki-』の原村和役、『スイートプリキュア♪』の北条響役、『マクロスΔ』の美雲・ギンヌメール役などがある。


<劇場上映情報>
ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション
2018年11月10日(土)より全国ロードショー!


<Blu-ray&DVD発売情報>
交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション 1
好評発売中
Blu-ray特装限定版:¥10,000(税抜)
Blu-ray通常版:¥7,000(税抜)
DVD:¥6,000(税抜)

ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション 公式サイト

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