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新たな伝説の幕が開く!『コードギアス 復活のルルーシュ』谷口悟朗×中川幸太郎インタビュー[後編][復活のルルーシュ 集中講座]全文掲載

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ファン待望の完全新作映画『コードギアス 復活のルルーシュ』が、2019年2月9日(土)より大ヒット公開中! そこで今回は、谷口悟朗監督と音楽を担当した中川幸太郎さんのインタビューを前後編の2回に別けてお届け。後編では、本作の楽曲制作におけるエピソードや、キャスティングについてなど、ここでしか聞けない話が盛りだくさん! お二人の本音トークを見逃すな!

●インタビュー前編はこちら


楽曲の納品が済んでも、作品が完成するまではいつまで経っても心配ですね[中川]

──TVシリーズが終わった段階で、物語の続きを作る余地は敢えて残されていたのですか? どこまでの展開を想定されていたのか教えてください。

谷口こういう形を想定してはいなかったんですけど、プロジェクトが上手くいったら何らかの形で映画は作りたいねという話はしていました。ただ、監督にその権利はなくて、それはあくまで製作委員会が決めることなので。物語の続きを作る余地については考えていなかったですけど、シリーズ展開ができるだけの余地は作ったつもりでした。

──楽曲制作の面で、試行錯誤した点などがあれば教えてください。

中川監督は自分のイメージをきちんと言葉にして伝えてくださるので、それを受け取ることでゴールが見えやすくなるんですよ。ただ、あくまでゴールは漠然としたものだから、それでも楽なことは全くないんですけど(笑)。あとは、映画はセリフが入った映像をもらえるんですけど、もちろん効果音も付いていないし、まだどんなシーンになるのか分からないので、どこまで音楽でパンチを加えるのかという度合いが難しいんですよ。映画の音楽はある程度決め打ちして作っていくので、その場面に適した温度感をもっと感じられればよかったなと思います。『コードギアス 復活のルルーシュ』(以下『復活のルルーシュ』)は割と各シーンに合わせて作っていったので、どのくらいそのシーンに合っているのかが気掛かりです。楽曲の納品が済んでも、作品が完成するまではいつまで経っても心配ですね。

──監督は、実際に中川さんの楽曲を聴いてみた印象はいかがでしたか?

谷口曲の良し悪しよりも、まずは映像全体のコンセプトと外れていないかを確認しつつ、効果音や音のバランスを含めた完成版を頭の中で想像して、そのシーンに使えるかどうかを確認する作業を行います。そこから具体的に楽曲の調整をお願いしていく感じですね。

──TVシリーズの時と比較してみて、『復活のルルーシュ』の音楽が異なっている部分はありますか?

中川基本的にはTVシリーズの時と同じ流れでやったつもりです。時間の経過が良い方に転んでいるのか、それとも悪い方に転んでいるのか、それが一番心配です。もしかしてまだできることがあるんじゃないのかなとか、いつまでもその気分は収まらないですね。

──監督としては、『復活のルルーシュ』の音楽はイメージ通りのものになりましたか?

谷口大筋イメージ通りでした。あとは、10年前と比べると音楽編集がやりやすくなっているのは大きかったと思います。それと、これは中川さんの良いところでもあるんですけど、その曲のメインのテーマが来るまでが長いことが結構あって。そのテーマが来ない内にシーンが終わってしまうことがあったので(笑)、そういった部分で調整のオーダーはしました。

「コードギアス」の楽曲はどれも特徴があって、
そのどれもが中川さんにしか作れない面白いものだなと思っています[谷口]

──多くの方にとって大切な作品になっている「コードギアス」の新作を作る上で意識された部分を教えてください。

谷口『コードギアス 反逆のルルーシュR2』(以下『R2』)までの展開は別ものとして、再構成と再編集をした劇場総集編3部作からの流れに今回の『復活のルルーシュ』があるということです。『R2』の続きとして今回の『復活のルルーシュ』は作っていません。そうなると人間関係や心理が全然合わなくなってくるんですよ。当時の想い出を踏みにじる気はないので、それはそれで正しいこととして、新作を作ることが私の精一杯でした。

──谷口監督作品には初参加となるシャムナ役の戸田恵子さんら、キャスト陣には豪華な顔触れが本作に多数出演されています。今回のキャスティングについてお聞かせください。

谷口唯一、シャムナ役の戸田さんは指名でお願いしたんですけど、その他の方はみんなオーディションですね。フォーグナー役の大塚(明夫)さんやビトゥル役の(高木)渉さんも、オーディションで自分の役を取っていかれました。

──「コードギアス」は、お二人のフィルモグラフィー上においてどのような位置付けの作品になっていますか?

中川TVシリーズの放送が終わった頃は、どこに行っても「コードギアスの中川さん」と呼ばれていました。

谷口それで何か好い目にあったりしました?

中川好い目というか(笑)、「今回は引き受けて頂いてありがとうございます」と言ってもらえたりしましたね。どこに行っても「コードギアスの中川」と言ってくださる方がいるんですけど、音楽をやっている僕らの立場はそんなに表に出てくるものでもないので、戸惑うことの方が多いです。でも、そこまで印象に残ってもらえていることはものすごく嬉しいですね。

谷口お弟子さんの話は?

中川ああ、そうですね。今回は、大学卒業したての23歳の男の子に色々とお手伝いをしてもらっているんです。彼はTVシリーズの放送を観て僕の名前を知って、学校を卒業した後に勉強をさせてくださいって僕のところに来たんですよ。つまり、それだけ時間も経っているということですし、本当に驚くことばかりです。今まで僕のところにそういう人が来たことはなかったですから。

谷口それは、よっぽど偏屈者だと思われていたんでしょうね(笑)。

中川いや(笑)、僕は監督と違って表に出る機会が全くないんです。特に自分から発信している訳でもないので、そこまでして探してくれたことにビックリしました。当時はSNSがなかったのでTVを観ている方の声が分からなかったですし、手応えを残していることに全く気付いていませんでしたが、それぐらい作品を観た方にインパクトを残してきているんですよね。「コードギアス」は代表作の一つだと思っています。

谷口私にとって「コードギアス」そのものに関しては、良い部分も悪い部分もあります。ただ、音楽の面で捉えると、これはやっぱり中川さんじゃないと難しかっただろうなと思います。王族が出てくることを考えるとクラシックの素養が必要になりますし、それとは別に軽い曲も作れるといった音楽的な幅がないと担当するのは難しいです。以前ご一緒した『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』(谷口さんが総監督、中川さんが音楽を担当した2016年放送のTVアニメ)は、中川さんの中で一番楽しいタイプの音楽だったと思いますが、「コードギアス」はとにかく特定ジャンルと言うより総合力が要求されるジャンルの作品です。あまりクラシック的な技法に偏り過ぎてしまうと若々しさがなくなってしまうんですよね。戦隊ものもやっていた訳だからそういう感覚も分かりますよねと、無茶なオーダーもしていました(笑)。「コードギアス」の楽曲はどれも特徴があって、そのどれもが中川さんにしか作れない面白いものだなと思っています。そういう意味で「コードギアス」の楽曲は、どのくらいの幅広さで楽曲を作れるのかが分かる、作曲家・中川幸太郎のメニューみたいなものですね。「コードギアス」を作り上げていく上で、中川さんに音楽面で色々と協力頂けたのは本当に良かったなと思っています。

PROFILE

谷口悟朗(たにぐちごろう)
10月18日生まれ。愛知県出身。アニメーション監督、演出家。監督としての代表作に『無限のリヴァイアス』『スクライド』『プラネテス』『ガン×ソード』『ID-0』などがある。2019年1月よりオリジナルTVアニメ『revisions リヴィジョンズ』が放送中。

PROFILE

中川幸太郎(なかがわこうたろう)
2月7日生まれ。東京都出身。作曲家、編曲家。ドラマやアニメ、特撮作品の劇伴音楽を多数手掛け、代表作に『百獣戦隊ガオレンジャー』『仮面ライダーオーズ/OOO』『牡丹と薔薇』などがある。その他、『監獄学園 プリズンスクール』『妖狐×僕SS』『博多豚骨ラーメンズ』など。

<上映情報>

コードギアス 復活のルルーシュ
大ヒット上映中!

コードギアス 復活のルルーシュ 公式サイト

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