──リレービジュアルコメンタリーの収録を終えて、いかがでしたか?
岩谷翔吾(以下、岩谷)久しぶりに本編を観ましたが、クランクインまで3か月、クランクインしてから1か月と、合計半年近くみんなと一緒にいて本当に濃い期間だったから、久々に会っても違和感がないんですよね。兄弟みたいというか、役を超えて繋がってる感じがあります。映画にも各々の関係性から出る芝居が映し出されているなと改めて思いました。
菅原健(以下、菅原)映画が完成してから舞台挨拶を幾度も重ねて、ファンの方と一緒に観たりもしましたが、今日、監督と弦と3人で映画を観ながらいろいろ話せたのは新鮮でした。特に弦とは7人のなかでも一番関係が深かったし。
岩谷だね。特にイチローと弦が感情をぶつけ合うシーンは、菅原健がイチローだったからこそ、ここまで引き出せてもらったな、と思う。
──お二人はそれぞれ、演じた役柄に近いですか?
岩谷弦は自分に近い部分が多かったです。挫折を体験している、という役柄だったので、監督にも自分の挫折経験などを腹を割って話して、どんどん役と近づいていく感じがありました。
菅原僕は全然イチローと違うんです。僕、繊細なんですよ。ホントですよ?(笑)僕とイチローの共通点は、身体能力が高いところくらい。僕はイチローみたいに自分から人に話しかけたりできないし。デリカシーのないことも言ってないつもりでいるんですけど。
岩谷ククク・・・・・・(声を殺して笑う)
菅原僕は翔吾が日頃からパフォーマーとして仕事をしているのを知っていたけど、それを意識しちゃうと、幼なじみという設定なのに僕の性格からして緊張したり、敬語が抜けなかったり、もうひとつ壁を越えられない気がしたんです。だからその壁を壊さなきゃと思って、あえてそういう話もせず、友達みたいに話せるように努力した。それに流星と翔吾は同級生でしょ?
岩谷高校のね。
菅原実際にそういう二人がいるなかで、翔吾と自分の「幼なじみ感」をどう出せばいいかな、って考えましたね。ボディタッチの感じとか、席に座ったときの距離感とか。遠目でも会話が通じ合ってる感じとか。
岩谷でも身体は完璧にイチローだった。
菅原僕はもともと身体鍛えるのが趣味なんです。撮影中は監督に逆に「筋トレは控えてね」って言われました。
岩谷最初からバック転ができたの、ゴリラだけだもんね。
菅原ゴリラいうな!(笑)
岩谷僕はバック転できなかったんです。ダンスとバック転ってまったく別ものだから。練習してできるようになって「やった!」と思うと、できなくなっちゃって。波があるんです。これは僕だけじゃなく、みんなそうだった。
菅原本番前にいきなり、できなくなっちゃうとかね。
岩谷そう、僕は本当に最悪のタイミングでスランプになっちゃって。でも本番は気合いでなんとか成功したからよかった! あれはここ何年かで一番緊張した日でした。
菅原合宿とかでは、流星が一番負けず嫌いでしたね。バック宙の練習してると、ジーッと見られていたり。
岩谷まあ、みんな負けず嫌いだったよね。イチローが最初に練習にきたとき、それまで1カ月間僕たち練習してて誰もできなかったバック転をいきなり目の前でやられて「え!」ってなった。あの感覚は映画にそのまま生かされてますね。
──チアを最初に見たとき、演技をすることに不安を感じませんでした?
菅原めっちゃ怖かったですよ。最初にSHOCKERSの練習を見せていただいたとき、端のほうに包帯グルグル巻きの人がいて「ど、どうしたんですか?」って聞いたら「バック転のやりすぎで・・・・・・」って。そりゃ怖っ!って思いますよ。
岩谷僕がSHOCKERSの練習を見学したとき、トップがバンッ!て落ちてケガするのを見てしまったんです。それを目の当たりにして「え?ホントにやるのか?」って思った。怖さを克服できたのはみんなとの信頼関係ですね。最初は怖かったんですけど「絶対に受け止めてくれる」って。みんなの息が合うときって、わかるんですよね。逆に一人でも躊躇しちゃうと、変な力がかかったりバランスが崩れて危ないんです。だからお互いの信頼関係がすべてだった。
菅原ほかの撮影現場だと、例えば自分のなかで生まれた「ちょっと違うな」っていう気持ちを押し殺したりもするんですけど、チアを通じてだと「いまのタイミング、遅くない?」とか「悪い、オレがまずった」とか「もっとこうしようよ」とかを正直に言えたんです。それを言い合える仲になれたのが、大きかったですね。そうしないとケガも防止できないし。
岩谷練習のときはめっちゃ集中してました。頭も身体も同時に使うようで、撮影が終わると「ふうっ」って感じ。チアのシーンはけっこうみんなの表情、ガチだもんね。
菅原そうそう。
岩谷ズシッと重みを感じて「うっ」となる顔とか、演技じゃなく出てくるんですよね。僕ら初心者が段階を経てラストチアに向かっていく様子が、リアルに撮れてたんじゃないかな。イチローと僕が衝突するシーンとかも、二人で練習したよね。
菅原セリフの読み合わせとかしたね。
岩谷でも本番になったらとにかくイチローがすごくいい顔してたから、それに引き出されて僕も演技ができた。感謝してます。
菅原(照れ笑い)
──身体作りといえば、撮影後もみなさんの間で筋トレが流行ってるようですね。
菅原流星の腹筋、あれホンモノですよ。撮影中、僕に筋トレの仕方、聞いてきましたもん。
岩谷この間ちょうど流星と話してたんです。流星もいま筋トレがんばってて、僕もいまTHE RAMPAGEのツアーに向けてめっちゃ筋トレしてるから「もう一回、あの銭湯のシーン撮りたいねえ!」「そうそう、いまのこの身体で!」って(笑)
菅原いやいや、イケメンが筋トレして、顔めちゃハンサム身体バッキバキだったら、オレ、どうしたらいいんですか?(笑) 身体の作り方でいうと、トンちゃん役の小平君は本当にがんばってました。最初はバック転もまったく形にならなかったけれど、あの体形をキープしたままで、最終的に一人で形にできるようになりましたから。ラストチアは感動しましたね。
岩谷たしかに。僕は2㎏くらい体重を落としました。トップというポジションもあったし、ちょっとシュッとさせたいな、と。みんなに負担をかけても悪いし。
菅原最初は、僕たちも初心者だったからずっしりくる感じがあったけど、コツを掴んでからは、弦は身体の重さを上手い具合に僕たちに負担がかからないように分散してくれたんだと思う。でも2㎏減ったな、とか全然気がつかなかったな。
岩谷イチローと僕の仲なんだから、そこは気付いてほしかったな~(笑)
──練習中はケガをすることもあったとか。
菅原アザとか、足首、手首の関節痛とかは日常茶飯事だったね。
岩谷僕はトップだったんで、キャッチされたときの、脇の下からあばらにかけてと、二の腕にアザがめっちゃできた。
菅原でもコーチのちんねんさん(こと杢元良輔さん)が僕らの状態をすごくよく見てくれていて、危ない気配を察知したら「今日はこの技はやめておこう」と言ってくれるんです。
岩谷集中力、微妙な空気を見て判断してくれたんだよね。なんとか無事に終わってよかったです。
──いまだからお互いに聞けること、言いたいことなどはありますか?
菅原僕、ずっと気になってるんですけど、さっきのコメンタリーの収録で翔吾が「自分は人とずっと会わないとまた『はじめまして』みたいに人見知りになっちゃうタイプで、でもイチローに対しては大丈夫だった」って言ってたんですよね。でも、翔吾って僕を名前で一度も呼んでくれないんですよ。イチローか「彼は」って言う。
岩谷あっはは。え?だって「健」って感じじゃないんだもん。イチローって感じ。
菅原うう・・・・・・。
岩谷それに合宿でも撮影中も、みんな役名でお互い呼び合ってたし。でも僕は最初、流星をハルって呼ぶのが変な感じだった。高校時代とか「横浜」って呼んでましたから。練習していくうちに自然と「ハル」になったんですけどね。
菅原まあ確かにみんな役名だったけどさあ。
岩谷僕が感動したのは、イチローはクランクアップするまで、僕を弦として見るために、わざとTHE RAMPAGEの情報を一切入れないようにしてたらしいんです。で、クランクアップしたあと、ライブを観に来てくれて。そのあと会ったとき、イチローが携帯でガンガンTHE RAMPAGEの曲を聴いてて「カワイイなあ」って(笑)。
菅原今朝も聴いてましたよ。「今日は翔吾に会える~」って思いながら。
──Blu-ray & DVDを見るときに「ここをストップして見て欲しい!」という場面はありますか?
岩谷自分的に好きなのは初めてバック宙が出来て、みんなにスマホで動画を送るシーン。カメラに向かって「できた~!」と寄っていくところは自分でもカワイイと思うので(笑)、ぜひ何度でもストップして観てください!
菅原そうきたか!(笑)僕のカワイイシーン、ないもんなあ。 僕はBREAKERSという名前が決まって、そのユニフォームを着て、大学のキャンパスを7人で歩くシーンが好きです。7人一人一人の表情を、ぜひスローモーションにして、じっくり観てください。岩谷翔吾の顔もカワイイんで!(笑)
──最後にBlu-ray & DVDを楽しみにしてくださっているみなさんに、メッセージをお願いします。
菅原僕たちが伝えたいことの大きさは、劇場で見ても、ご家庭で見ていただいても絶対に変わらない。この映画は何かを新しく始めたいとき、何かに押しつぶされそうになっているときに、くじけそうになっているとき、観る人を応援してあげられる作品だと思います。そういうときにDVDを手元において、何度も観てもらえればと思います。
岩谷この映画には7人のキャラクターの7通りの人間ドラマがあって、演じる7人それぞれの、そのときの感情が本当にリアルに映っていると思います。特典映像には本編には収録されていないアプローチの仕方も収められています。それを見てからだと、また違った見方ができると思います。この映画を見てマイナスな気分になる人はいないと思うので、元気を出して、明日もがんばろう!って思ってほしいです。
<Blu-ray&DVD情報>
Blu-ray 特装限定版
2019年9月26日発売
価格:¥7,200(税抜)
品番:BCXJ-1488
DVD 特装限定版
2019年9月26日発売
価格:¥6,200(税抜)
品番:BCBJ-4970
映像特典
■予告編
■ラストチア特別版
特典
■特典ディスク1(DVD)
・リレービジュアルコメンタリー(出演:風間太樹監督、中尾暢樹、瀬戸利樹、岩谷翔吾、菅原 健)
・本編未公開シーン集
■特典ディスク2(DVD)
・メイキング オブ チア男子!!
・完成披露試写会
・初日舞台挨拶
・横浜流星・中尾暢樹未公開インタビュー
DVD「公開記念 チア男子!! Road to BREAKERS!!」
好評発売中
2980円(税抜)
【映像特典】
・オフショット動画集
・BREAKERS オリジナルPV(7 人の魅力をたっぷりと詰め込んだPV 集)
【封入特典】
特製ポストカード
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実写映画公式Instagram:@letsgobreakers7
©朝井リョウ/集英社・LET’S GO BREAKERS PROJECT