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12月5日Blu-ray & DVD発売記念!『コードギアス 復活のルルーシュ』キャラクターデザイン・メインアニメーター:木村貴宏 スペシャルインタビュー [復活のルルーシュ 集中講座]

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ファン待望の完全新作映画『コードギアス 復活のルルーシュ』のBlu-ray&DVDがいよいよ12月5日に発売!「コードギアス」シリーズを通してキャラクターデザイン・メインアニメーターを務める木村貴宏さんのスペシャルインタビューを実施。伺った本作の制作現場のお話を、貴重な制作資料とともに公開する。

──木村さんが作監を担当されたのはどの辺りのシーンでしょうか?

木村 自分の担当はタイトル前の川べりのシーンからジルクスタン入国までと大監獄での一連のシーン、それとシャムナが出てるシーンほぼ全てです。アクションが好きなので大監獄のシーンは楽しんで作業出来ましたし、作画監督が鈴木竜也さんでしたので安心してお任せしました。シャムナのシーンは石井久美さんが作画監督で、緻密な装飾や微妙な表情芝居をキッチリ描いていただけて美しい画面になりました。また、中谷(誠一)くんにはメカのみならずレイアウトのチェックをかなり助けてもらい、おかげで自分はルルーシュとC.C.の描写に集中することができました。あとは物語が一通り終わって、ルルーシュが目を覚ますシーンを、千羽さんに監修していただいた上で担当しました。

──原画は具体的にどのあたりのカットを担当されましたか?

木村 一から原画をやったのは、ED後のL.L.とC.C.のエピローグのシーンです。ちなみに前述の、ルルーシュがナナリーの前で目を覚ましてからED前までの一連のシーンは、レイアウトと演技のチェックを千羽さんにまずお願いしたんですね。そこでカットの内容、キャラクターの演技的なものは全部決めていただいて、最終的な絵的なチェックだけ総作監として自分がやるというかたちを取りました。

──メインアニメーターの方々と実際に作業はどのように分けられたのでしょうか。

木村 千羽さんや中谷くんが担当したパートは基本的に総作監として自分は見ていません。カフェゼロのパーティーのところとか本編冒頭はずっと千羽さんの担当シーンだけど、途中スザクとシャリオの戦闘シーンは中谷くんが原画として入っているので中谷くんのスザクだったりします。ルルーシュが川べりで顔を出してからは自分の担当なので、OPあたりは自分の絵柄になっていますね。安ホテルからはまた千羽さんで綺麗なルルーシュが見れるという…。担当シーンは結構入り組んでます。

──今回、C.C.の変化が一番大きかったように感じました。

木村 TVシリーズの時に、お客さんがC.C.を良いキャラだなと思った部分っていうのはまずルルーシュとの共犯者としてのC.C.なのではないでしょうか。そこを踏襲して「復活のルルーシュ」を見ていると、ん?なんか違う?となるんじゃないかと思います。「反逆のルルーシュ」のときのルルーシュの側にいるC.C.というのは、自分を抑えて、ある部分では本来の自分を隠してずっと気張っていたというところがありましたからね。ある意味そこは「反逆」のときのルルーシュと同じ感情の出し方や行動だったんだと思います。それが「復活のルルーシュ」ではルルーシュもC.C.もそういう枷がなくなった状態ですからね。

──C.C.は前半とナナリー奪還作戦が始まった時では、更に印象が変わったように感じました。

木村 戦闘がはじまって、復活したルルーシュの側にいるC.C.に関しては、やっぱりそれまでのノリを自分でも取り戻そうとしているところはあったかもですね。どちらかと言うと「反逆のルルーシュ」の時のC.C.に寄っているのかなと思いました。自分のわがままでルルーシュの復活はかなったものの、かつての仲間達といるルルーシュを見て、自分の気持ちに正直でいることにまた躊躇してしまってますからね。

──その他でも、今回はそれぞれのキャラクターの関係性が変わっているように思いました。

木村 個人的にはTVシリーズが終わってから、特典や外伝の作業もあり、日本人もブリタニア側も一緒にいるシチュエーションのものを描くことが多かったので、あまり違和感がなかったんですよね。たとえばカレンとスザクが一緒にいるとか、コーネリアとルルーシュが素直にしゃべるとか、扇たちが一緒にブリタニアの人たちに交じっているとか。そういうシチュエーションを絵にすることも多かったので全然違和感なくできたんですよ。それはもうちょっと本当は違和感を持ちながら作業をしなくちゃいけなかったのかもしれないんですが…。

──結婚式のビデオなどで外伝のキャラクターが出ていましたね。

木村 外伝のキャラクターは各シーンでそれぞれの担当の人が描いています。ビデオの中の「双貌のオズ」のキャラクターは千羽さんが描いていますし、「戦渦の天秤(ライブラ)」のキャラが写真に映っていたりとか。「亡国のアキト」に関してはEDイラストに小ネタを仕込みました。そういえば劇場総集編三部作の「興道」の冒頭で足した日本へ向かうルルーシュとナナリーの見送りのシーンに関しては、皇族や貴族たちの中でジノがルルーシュをあそこで既に見ているっていうのだけが、後々引っかかるので、あのシーンでの子供のジノはルルーシュ達に対して全然興味なさそうにしています。

※このシーンはこちらの作品で観られます
コードギアス 反逆のルルーシュⅠ 興道』 Blu-ray&DVD 好評発売中

──器状態のルルーシュに関しては、事前に打ち合わせ等はありましたか?

木村 演技付けに関しては、どんな感じなんだろうねっていう話は、一番最初の総作監打ち合わせでやりました。前述のシーン以外で冒頭のルルーシュが川べりではじめて顔を見せて、オープニングが終わってジルクスタンに入るまでが自分が総作監担当なんですが、そのあと安ホテルで襲撃があったあたりは千羽さんの担当だったんですね。その後、実際に復活してからはまた自分の担当になるっていうことで、そこはちゃんと合わせないといけないので、記憶が無いときのルルーシュはどんな状態なんだろう、ゾンビみたいなのか幼児みたいなのか動きの付け方をどうするっていう打ち合わせは結構密にやっていましたね。

──器状態の時もルルーシュはCの世界で、身の回りで起こったことを見知っていたと監督がおっしゃっていたようですが。

木村 私も考えとしてはそう思っています。たとえば自分が2歳・3歳の小さいときの記憶をおぼろげながら覚えている、くらいの覚え方はしているのかなと思って描いてます。

──最終的にはどういった方向に落ち着いたんでしょうか。

木村 なんとなく方向性としてこうじゃないかってなったのは、意識はあるんだけど身体を動かそうとしてもままならない、遠くから自分の身体を動かそうと、動かない身体を動かそうとしているようなぎこちなさじゃないかって話には落ち着きました。激しい襲撃を受けたり、かつて知っていた人たちに囲まれたり、強い刺激を受けることで大監獄に着く頃には少しずつ動ける状態になっていってるという考えです。

──EDイラストは谷口監督から何か明確なオーダーがあったんでしょうか?

木村 ありましたね。今までは、口頭で監督と話しながら自分が作っていったんですけど、今回は絵コンテにちゃんとあって本編に組み込まれています。本編で描けていないエピローグ的な部分でこれだけは表現しておきたいっていうのが監督の中にもきっちりあったんでしょうね。

──劇場総集編三部作から「復活」までを終えての感想をお願いします。

木村 お話としては綺麗に締めくくられましたが、私としてはまだ「やりきった」という感覚はないんです。画面外のことを想像したり、もっと描き続けたい気分でいます。どこかでまた描ける機会があることを願っております。

PROFILE

木村貴宏(きむらたかひろ)
福岡県出身。アニメーター、デザイナー。多くの作品で原画、作画監督を手がける。キャラクターデザインでは『勇者王ガオガイガー』『ベターマン』『BRIGADOON まりんとメラン』『神魂合体ゴーダンナー!!』『SDガンダムフォース』『GUN×SWORD』などがある。

<Blu-ray&DVD発売情報>





コードギアス 復活のルルーシュ
2019年12月05日発売!
Blu-ray[特装限定版]:¥8,800(税抜)
DVD[特装限定版]:¥7,800(税抜)
Blu-ray:¥6,800(税抜)
DVD:¥5,800(税抜)
Blu-ray[A-on STORE限定版]:¥10,300(税抜)

コードギアス 復活のルルーシュ 公式サイト

コードギアス シリーズ特集サイト  「コードギアス 復習のルルーシュ」

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