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Blu-ray & DVD 2月27日(木)発売!舞台「幽☆遊☆白書」荒木宏文(コエンマ役)×平田裕香(ぼたん役)スペシャル対談 [舞台「幽☆遊☆白書」BD&DVD特集サイト]

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「週刊少年ジャンプ」で連載された冨樫義博の大人気漫画を舞台化した、舞台「幽☆遊☆白書」のBlu-ray & DVDが2月27日(木)発売。それに先がけて、舞台でコエンマを演じた荒木宏文さんと、ぼたんを演じた平田裕香さんによる対談をお届けする。コエンマ・ぼたんの役作りはもちろん、座組の雰囲気のよさが伝わるエピソードなど、舞台の裏側についてたっぷり語ってもらった。

──出演が決定する前から「幽☆遊☆白書」はご存じでしたか?

荒木 リアルタイムでアニメを観ていた世代なので、コミックスも集めていました。実家にはコミックス全19巻があるし、今でもときどき読み返しますね。

平田 私もリアルタイムな世代なので、いまだにカラオケでは「微笑みの爆弾」や「デイドリーム ジェネレーション」(エンディングテーマ)を歌います!

──演じられたコエンマやぼたんの印象、役作りについて教えてください。

平田 コエンマ様はさすがだなって思いました。

荒木 自分がやったキャラクターについて語るんじゃないんだ(笑)。

平田 アニメでコエンマ様の声をされている田中真弓さんは女性ですよね。私は2.5次元作品をやる場合、原作やアニメに寄せてしまうタイプなんですけど、男性があの声を出すのは不可能じゃないですか。そんななかで荒木くんの答えの出し方が素晴らしいなと。私は世代だから当然アニメのコエンマ様の印象が強いんですけど、荒木くんのお芝居を見ても「コエンマ様だ!」って自然に思えるんですよ。しかも今回、舞台上で最初に声を発するのがコエンマ様なんです。お客さんを巻き込む役割だし、アドリブもすごかった。すごく複雑な役作りをしなきゃいけなかったと思います。

荒木 台本に書かれている台詞は「おお、幻海」からだったのに、その前にもアドリブでたくさんしゃべってたからね(笑)。僕としてはそこまで深くは考えてなかったけど、コエンマの自由さをどれだけ表現できるんだろうというのは意識してました。原作とアニメのコエンマを見て、アニメオリジナルの部分で足されているコエンマについて考えたときに、彼はいろんなパーツを繋げることのできるポジションとして作られているキャラクターだと感じたんです。作品に必要な足りないピースを埋めることができるキャラで、その自由さが結果的にコエンマを作っているんだろうなと。脚本・演出の御笠ノ(忠次)さんもそう思っていたからこそ、舞台でコエンマをストーリーテラー的な立ち位置にしたんだと思います。だから、舞台をひとつの作品としてまとめるために、コエンマはなるべく自由なキャラクターにしようというのを重視しました。

平田 私が演じたぼたんちゃんは、幽助の相棒なんですね。最初は幽助を悪の申し子だと思っているところからスタートして、だんだん信頼関係を築いていくんですけど、舞台の短い時間でその移り変わりをどう表現するかは考えました。最初から信頼しているように見えると違和感があるので。それから、ぼたんちゃんはヒロインじゃないからこその自由さがある役柄なんです。友達でもなく、相棒というポジションをやらせてもらえるのはすごく嬉しかったので、そこは楽しんでやろうと思っていました。女性としての魅力を出すんじゃなくて、ぼたんというキャラクター自身の魅力を表現したいなと。コエンマ様とのシーンでは、長いこと上司と部下としてやっている信頼関係が出せればと思っていたんですけど、荒木くんとはもともと10年以上前からお仕事をさせてもらっていたので、私が何をやっても返してくれるし、本番で動きを変えてもすぐにわかってくれるので、安心できましたね。荒木くんがコエンマ様でよかったです。

──ぼたんはネット上の原作ファンの間でも、再現度が高いと話題になっていました。演じるにあたってとくに意識されたことや、大変だったことを教えてください。

平田 最初は完全にアニメに寄せた役作りをしてたんですけど、私の相棒は崎山くんがやっている幽助だし、アニメとはテンポも全然違うから、どんどんそれに合わせた舞台版のぼたんになっていったとは思います。稽古が始まって舞台版ぼたんちゃんがだいぶできていたときにアニメを観たら、すごく引っ張られちゃったこともありました。テンポはアニメのほうがゆっくりなんですが、「舞台でももっとゆっくり伝えたほうがいいかな?」と悩んでしまったり。自分でも、こんなに引っ張られるんだと驚いたので、途中でアニメを確認するのはやめました。もちろん、そのおかげで立ち返ることができる部分もあったんですけど。あとは振袖の動きに慣れていなかったので、衣装付き稽古をして初めて「こういう袖の動きになるのか」といったことがわかって、お芝居が変わった部分はあると思います。それから、福岡公演では劇場の関係でできなかったんですが、登場シーンで飛ばせてもらったのが嬉しかったですね。アニメのオープニングも、飛んでいるぼたんちゃんが画面に入ってくるところから始まるので、フライングをやらせてもらえたのは役者冥利につきるなと思いました。

──荒木さんから見た、平田さん演じるぼたんの印象はいかがでしたか?

荒木 一言で言うと、うまい。

平田 うわー、怖い(笑)。絶対褒められてない!

荒木 いや、褒めてるよ(笑)。何をやってもぼたんとして成立するんです。これってすごいことだと思うんですけど、全部に意味を持たせることができているんですね。演出されていない動きや身体の使い方に関しても、「ぼたんはこういうキャラクターです」と、ちゃんと考えたうえで表現されているんですよ。でもそれくらい頭がいい一方で、どこか不器用さも持っている人なんですよね。それで、小道具をいっぱい用意してもらってた(笑)。

平田 御笠ノさんの遊び心で、私を追い込むためにいろいろな小道具があって(笑)。

荒木 ピーポーピーポー鳴るパトランプや、双眼鏡もそう。舞台では使われなかったものも含めて、稽古中からたくさん小道具が用意されていて、それにあたふたしてしまうユカコ(平田裕香さん)がどこか愛らしく見えるというか……。その不器用さが、優秀なのにちょっと抜けていて可愛らしいぼたんっぽくて、御笠ノさんはそこをすごく上手く活用されてるんだと感じました。

── コエンマは本番中もずっとおしゃぶりをされていたり、霊界バージョンの姿を人形で表現したりと、こちらも小道具が活用されていましたね。

荒木 おしゃぶりはコエンマを演じる限りするものだと思ってました。おしゃぶりをくわえていないと、おしゃぶりしている人の台詞回しにはならないから、しないという選択肢はなかったです。アニメの田中さんの表現も、おしゃぶりをくわえているからこその表現だと感じました。最初は小道具さんがマウスピースにおしゃぶりをつけて、口を開いてしゃべっても落ちないようにしてくれたんですけど、それだとやっぱり違うというか、ちゃんとくわえていないとコエンマが成立しなくなるんじゃないかと思って。落ちないようにするより、落ちてもいいからちゃんとくわえてしゃべったほうがコエンマになれるんだろうなと、そこで確信しましたね。御笠ノさんとも「くわえてしゃべるのがコエンマだよね」という意見が一致したので、あのかたちになりました。よだれが飛んでも、それはそれでいいかなって。原作でも、おしゃぶりが宙に浮いて、唾を飛ばしながらしゃべっているシーンがあったので、気にせずバンバンしゃべりました。ただ、1日かけて劇場でリハーサルをやる場当たりのときに、ずーっとおしゃぶりをくわえていたら頬の筋肉がつりそうになることに初めて気づいて(笑)。1日2回公演の日はやばいかもって、ちょっと心配になりましたけど。

平田 場当たりから2~3日は、荒木くんの笑顔がひきつってました(笑)。

荒木 子ども姿のコエンマの表現に関しては、小道具を使ってもいいし、大人のままでもどっちでもいいと言われていたんですけど、やっぱりやったほうがいいと思いました。「やつらが強くなるために何が必要なんだろう」とモニターで幽助たちをチェックしているコエンマは大人の姿でもいいけど、幽助と直接会話するコエンマが大人姿だったら、原作に忠実じゃないですよね。それにモニターを見ているときなのか、コエンマ自身もモニターの中にいる過去の芝居なのか、その差別化をするためにも、姿が変わったほうがいいと思ったんです。その結果、早替えになる場面もあったんですけど。

平田 めちゃくちゃタイトなところがありましたよね。

荒木 大変だった。大人姿と子ども姿で、とくに意識して芝居を変えた部分はないですね。かっこいい大人姿を見せる場面は原作では後半なので、今回の舞台のコエンマはかっこいい姿じゃないと思ったんです。緩急をつけてストーリーを繋げていく役割だと思ったので、今回は落ち着いた大人の雰囲気を出すよりも、コメディ要素を優先しました。

──コエンマとぼたんは上司と部下の関係ですが、舞台で2人の関係性を表現するにあたって、何か意識されたことはありますか?

平田 原作でもう2人の関係がちゃんと見えていたので、そこは難しくなかったです。荒木宏文という人を信頼しているので、へっぽこ霊界案内人のぼたんと、やんちゃくれのコエンマ様の距離感というのはすごく楽しんでやれました。

荒木 コエンマとぼたんの関係性が濃い設定ではないし、幽助とぼたんという組み合わせが重視されるべきだと感じていたので、僕たちがそこについて改めて話すことはほとんどなかったと思います。それに、今回舞台化した部分は原作でいうと、ぼたんがどれくらいコエンマにビビっているのか、懐いているのか、慕っているのかを探っている序盤の巻数だと思うんですよ。コエンマとぼたんの関係性をしっかり描くにはまだ早い段階だったので、あまり気にしなかったというのはありますね。それに要所要所で、欲しい画がはっきりしていたと思うんです。例えば、初めて幽助にコエンマを紹介するところは、前フリとして怖いことを匂わせないといけないから、ぼたんもコエンマにビビっているという芝居の流れがあるわけで。

平田 「生き返るどころか、地獄へ落とされちまうからね!」のところだね。

──おふたりで話し合って関係性を作っていくというよりは、物語の要請を受けて関係性が自然と作られていったということですね。

荒木 そうですね。とくにコエンマとぼたんに関しては、御笠ノさんもそういう役割を期待していたんだと思います。サポート役として、芝居のテンポを上げたり下げたり調節して、見やすい舞台にするために2人でうまくコントロールしてほしい、欲しい画もうまく前フリで繋いでほしいって。気持ちのいい緩急とグラデーションで物語を進めてほしいんだろうなというのが、台本と演出から汲み取れたので、その役割を優先していました。

平田 私たちはコエンマとぼたんというより、幽助とコエンマ、幽助とぼたん、というベクトルなんです。2人とも幽助ありきで動いているサポート役の意識がありました。

荒木 休憩前の2人のシーンも、とくに打ち合わせをしなくて大丈夫だったんですけど、それはユカコの芝居の作り方やスキルを信頼しているからできることだった思います。やってくることが全部ぼたんだから、その発言に対してコエンマとしてどう感じるかを素直に返せばよかったんです。

──おふたりともこれまで様々な舞台に出演されてきたと思いますが、舞台「幽☆遊☆白書」はどんな座組でしたか?

荒木 芝居が上手い人しかいない(笑)。2.5次元作品だと、芝居経験がない子や、まだ経験の浅いこれから活躍していく子たちが、絶対と言っていいほどの確率でキャスティングされてるんです。でも今回はメインキャストが経験豊富で実力も人気もある人ばかりだったし、1番若い螢子役の未来ちゃんも言われたことを吸収するのがすごく早い子だったんですね。だからアンサンブルに稽古時間を使えたし、これが作品のクオリティをすごく上げてくれたと思います。メインができていなかったらそこにまず時間を使うので、アンサンブルの稽古が軽視されてしまう場合もあるんですけど、この舞台はそこが違ったなと。

平田 そうそう。今回はアンサンブルに初舞台という子が多かったんです。しかも初期の稽古の段階では、桑原の取り巻きや先生を誰がやるかが決まっていなくて、いろいろ回しながらアンサンブルオーディションをして。それで役がついたときに、メインの人たちとアンサンブルの子たちが一緒にお芝居を考えていくことができたんですね。そういうやりとりは、他の舞台では見たことがなかったです。だからこそ一体感はすごかったですね。普通、経験豊富な人たちばかりだと各々で完結しちゃいそうな気がするんですけど、女子は未来ちゃんという1人若い子がいたので、彼女がムードメーカーになってくれて、みんなが仲良くなれました。男性陣も個性派ぞろいなんですけど、すごく楽屋が楽しそうで、本当にいい座組でした。

荒木 座長の(崎山)つばさがすごく頑張ってたんだと思います。男性キャストは個々でそれぞれのペースを持っている人が多いし、普段からみんなで出かけるタイプの人たちでもなかったので。

平田 崎山くんは主演をはるということで、アンサンブルの子たちをつれてお風呂屋さんへ行っていたり、意識して交流してましたよね。すごく珍しいことなんですけど、キャスト・スタッフそろってごはんを食べましょうという会が頻繁にあったんです。それでスタッフさんたちがものすごく作品を愛してくれて、「この子がこう動くなら、こういう光作りをしよう」といったふうに、常にアップデートして舞台を作ってくれていると感じました。愛情が伝わってくるんです。

──仲のよさが伝わってくるお話ですが、公演中の裏話なども教えていただけますでしょうか。

平田 コエンマ様は登場するときに勢いよく出て行くことが多くて、荒木くんは舞台袖で出番の10秒前くらいからクラウチングスタートの体勢をしてました(笑)。あと、私はカーテンコールがすごく苦手で……。

荒木 そうだった、カウントがとれないんだよね(笑)

平田 そわそわして焦っちゃうんです。本番入って3日間くらいは、荒木くんに歌ってもらって「1、2、3…」ってカウントをとる練習をしてました。

荒木 まだセンターにいていいのに、4カウント分、僕を呼び込む時間に使ってくれてたんです。だから僕がすごい堂々と出てくる人みたいになって、コエンマという堂々と出てもおかしくない役でよかったなと思いました(笑)。

平田 あと、私はオープニングからしばらく出番がないので、剛鬼さんのところに行って、大声で歌ってテンションを上げたりしていました。そしたらさっきまで舞台に出ていたはずの飛影役の(橋本)祥平ちゃんが、わざわざ楽屋に戻ってきて何か悪ふざけをしてから、また舞台へ出て行くんです(笑)。祥平ちゃんは黒龍波を出すのもすごく楽しそうだったし、舞台袖に入ったら桑原役の郷本くんと笑顔で肩を組んでいて。人によっては本番前にじっと黙って集中する人もいるんですけど、今回はそういう人が全然いなかったです(笑)。

──最後にファンのみなさまへメッセージをお願いします。

平田 劇場でしか味わえない楽しみも当然あると思いますが、劇場は広いぶん表情を細かく追うことは難しいので、そこはぜひBlu-ray & DVDで楽しんでもらえたら嬉しいです。それこそコエンマ様がどうやってしゃべっているかなど、劇場に来ていても気づかなかった再発見がきっとあると思います。私としても、撮影・編集してくださった人のフィルターを通すとどう見えるのか、すごく楽しみにしています。きっと舞台「幽☆遊☆白書」は続いていくと思いますし、その際は何度も観返してほしいですね。

荒木 今回はチケットが取れなかったという声をたくさん聞いたので、Blu-rayやDVDになったことで、そういう方にもやっとお届けできるのかなと思います。役者としての舞台裏の顔もメイキングで映っていますし、「役者なのかキャラクターなのか、どっちなの?」という企画コーナーもあるので、楽しんでもらえたら嬉しいです。ボリューム的にもお腹いっぱいになると思いますので、ご購入のうえぜひ楽しんでください。

対談中で話題にのぼった衣裳&小道具の秘密に迫るスペシャル企画公開中!
⇒BACK STAGE

<Blu-ray&DVD>


▲スリーブ


▲インナージャケット用新規ビジュアル
※こちらはデザイン前の画像です。

舞台「幽☆遊☆白書」Blu-ray & DVD
2020年 2月27日(木)発売!

2019年8月28日(水)〜東京・大阪・福岡・愛知で開催された舞台「幽☆遊☆白書」が、2020年2月27日にBlu-ray&DVDで発売決定しました。
本編やバックステージ映像に加え、カーテンコール集や“アフタートークinサンリオピューロランド”トークコーナーダイジェストの収録も決定いたしました。

特典映像チラ見せ動画~温子の部屋編~公開中!

発売日:2020年2月27日(木)

Blu-ray ¥8,800(税抜)
BCXE-1495/¥8,800(税抜)/251分(本編ディスク:126分+特典ディスク:125分)
リニアPCM(ステレオ)/AVC/BD50G×2枚/16:9<1080i High Definition>

DVD  ¥7,800(税抜)
BCBE-4972/¥7,800(税抜)/251分(本編ディスク:126分+特典ディスク:125分)
ドルビーデジタル(ステレオ)/片面2層×2枚/16:9(スクイーズ)/ビスタサイズ

収録内容
・本編(9月22日愛知公演大千穐楽の模様を収録)

映像特典
・バックステージ映像
・ビジュアル撮影メイキング(ビジュアル撮影時のメイキング&キャストコメント)
・カーテンコール集(東京千穐楽、大阪千穐楽、福岡千穐楽)
・“アフタートークinサンリオピューロランド”トークコーナーダイジェスト

封入特典
・ビジュアルフォトブック(16P)

発売・販売元:バンダイナムコアーツ

※収録内容、特典、仕様等は予告なく変更になる場合がございます。

▼舞台「幽☆遊☆白書」 公式サイト
http://officeendless.com/sp/yuhaku/
▼舞台「幽☆遊☆白書」 公式Twitter
@yuhaku_stage
▼バンダイナムコアーツBD&DVD 特集サイト
https://v-storage.jp/butai_yuhaku/

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