インタビュー | 「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択
6月11日(金)上映開始!『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』小野大輔(古代進役)インタビュー
『宇宙戦艦ヤマト2199』と『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』両シリーズに新作カット・新録ナレーションを織り交ぜリビルドした本作。『2199』から古代進役という重責を担う小野大輔さんへのインタビューが到着。
──まずは『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』をご覧になった感想からお聞かせください。
小野印象的だったのは、真田さんがインタビューに応える形で物語が進むことです。ともに過酷な航海をした古代進として、とても心に来るものがありました。真田さんはなかなか自分を語らない人ですから、僕自身、「真田志郎という人は、本当はどんな人なんだろう?」と、思いながら旅をしていた気がします。その真田さんが、古代進や、その兄の守、自分のことを語ってくれるのがすごく嬉しかったんです。あんなに論理的な人が、論理を超えるのはやはり古代のような情熱だと考えていることに、グッと来てしまいました。『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』(以下、『2202』)最終話の真田さんの演説を聞いたときも、これまで古代という人間をずっと見てきてくれたこと、そして普段は見せないけれど、あのように人々を動かす情熱が胸にある人なんだなということがわかって、すごく心を打たれたんです。
──『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『2199』)から『2202』に至るまで、古代の演じ方に変化はありましたか?
小野僕のなかでは変化はなくて、あくまで地続きでしたね。『2199』の頃から思い悩んでいたし、なにかと下を向く癖があるんですよ。行動の人なんですが、内省的な人間でもあるんです。横を向けば仲間がいるのに、彼は下を向いて、自分だけでなんとかしようと考えるんですね。本当は、『2199』のときには周りの仲間のことにも気付けていたと思うんです。でも沖田艦長が逝ってしまったあと『2202』の古代は、またちょっと内省的になってますよね。その彼にもう一度上を向かせてくれたのが土方さんだったと思います。古代は土方さんに助けられた。『2202』では、ずっと土方さんの背中を追い続けていたように思います。
──ふたりの艦長が、古代にとって大きな存在だったのですね。
小野僕が『2202』でいちばん大事にした台詞が、「土方前艦長の命令を決行する!!」なんです。何も考えず、とにかく気持ちだけで演じたんですよ。上映後に、ファンの方から『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(以下、『さらば』)での富山敬さんの演技によく似ていると教えてもらったんです。実は僕は、演じる前あえて『さらば』はみていなかったんですよ。すべてが終わってから改めて『さらば』をみてみたら、本当にそっくりで。「ああ、想いを受け取るというのは、こういうことなのかな」と感じました。その想いは、石塚運昇さんからいただいたと思っているんです。改めて今回の総集編であのシーンの自分の演技をみて、こういう言い方は不遜かもしれませんけど、「受け止められた」と感じました。石塚さんにお伝えしたいですね、「受け取りました」って。
──「選択」という言葉もタイトルに盛り込まれていますが、『2202』で古代に課せられた「選択」の重圧を、どのように感じられていましたか?
小野最近、特に感じるんですが、古代進という人間と同一になってきているというか、一体化してきている気がしているんです。小野大輔という人間の生き方に、どこかリンクしたものを感じるんですよ。アテ書きかと思うくらい。だから自分と近すぎて、正直つらかったですね。古代と同じで、役者として偉大な先輩がいて、優秀な後輩もどんどん出てきて、僕は、その中間にいるんです。そういうときに、先輩から受け取ったものを後輩に伝えていく、それを自分がやらなきゃと勝手に思うんですね。この作品であれば主役ですから座長として、しっかりしなきゃとひとりで背負い込もうとする。本当はひとりで背負う必要なんかないのに、勝手にがんばっちゃう感じは、まさしく古代だなと。だからこそ、彼を理解できました。お互いが寄り添っている感じすらあります。生き方はしんどいですけど(笑)。石塚さんがいらしたら、「もっと肩の力を抜けよ」とおっしゃってくれたかもしれないですね。
──『2199』『2202』を振り返って、ご自身にとっての『「宇宙戦艦ヤマト」という時代』への想いをお聞かせください。
小野これまで『2199』『2202』と旅をしてきて、僕らも『「宇宙戦艦ヤマト」という時代』を作ってきたんだなと実感しました。最初のヤマトブームから時代を経て、あの時代を知らない僕たちの世代でも熱くなれる新しい形の「ヤマト」を創れたんだと再確認できました。やってきてよかった、がんばってきたことが報われた達成感を感じますね。今回の総集編は、ずっと『2199』『2202』をみてくれてきたファンのみなさんにとっても、また新たな側面を発見できる作品になっていると思います。
──最後に次回作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』(以下、『2205』)への意気込みをお聞かせください。
小野なによりこの「宇宙戦艦ヤマト」という作品に共感・共鳴してくれて、いっしょに旅をしてくれたファンのみなさんに報いたいですね。『2202』でひとつの大いなる和に到達しましたが、宇宙にはまだまだ困難と危機が待ち受けているようです。ヤマトは希望の船ですので、また未来に向かって旅立ちます。みなさんから受け取った想いをお返ししたいですね。僕と古代がリンクするということでいえば、この先の未来を作ってくれる新しい世代の人たちに、「ヤマト」という作品を伝えていきたい、受け渡していきたい。新たなる『2205』という作品でも、未来に想いを受け渡していくような、そんな希望が描かれると思うので、ファンのみなさんにも共感していただけたら嬉しいですね。
PROFILE
小野大輔(おの だいすけ)
5月4日、高知県出身。O型。主な出演作品は『宇宙戦艦ヤマト2199』『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』古代進役、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ 空条承太郎役、『おそ松さん』松野十四松役、洋画吹替版『パシフィック・リム:アップライジング』ネイサン・ランバート役、など多数。
<公開情報>
「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択
6月11日(金)より全国36館にて期間限定劇場上映!
<作品情報>
【イントロダクション】
アポロ月面着陸から始まる宇宙開拓、2199年イスカンダルへの大航海、2202年ガトランティス戦役に至るまで、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』を中心に再構成した、人類史・宇宙史に刻まれる歴戦の全記録。新作カット・新録ナレーションを織り交ぜリビルドした慟哭の120分!!
【スタッフ】
原作:西﨑義展
製作総指揮・著作総監修:西﨑彰司/構成・監修:福井晴敏/ディレクター:佐藤敦紀
脚本:皆川ゆか・福井晴敏/脚本協力:岡秀樹/設定アドバイザー:玉盛順一朗
新作パート絵コンテ・作画:麻宮騎亜/制作:studio MOTHER/配給:松竹ODS事業室
【キャスト】
真田志郎:大塚芳忠/クラウス・キーマン:神谷浩史
演説の声:スティーブ・W/ナレーション:沢城みゆき
【シリーズメインキャスト】
古代進:小野大輔/森雪:桑島法子/島大介:鈴村健一
土方竜:石塚運昇・楠見尚己/沖田十三:菅生隆之
アベルト・デスラー:山寺宏一/ズォーダー:手塚秀彰
サーベラー:甲斐田裕子/テレサ:神田沙也加
©西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
©2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択 公式サイト
https://yamato2202.net/omnibus2202/
宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会 公式Twitter