本作の主題歌は尾崎裕哉の歌う『Glory Days』。本作のために、尾崎さん、いしわたり淳治さん、蔦谷好位置さんの手によって書き下ろされた楽曲だ。
尾崎さんが主題歌を担当するにあたって発表したコメントには「僕はレントンと境遇が似ているところがあって、レントンの『父親に会いたい』という気持ちを想像しながら作りました。」というくだりがある。歌詞を聞くと確かに、尾崎さんが自分自身の体験を手がかりに、アドロックとレントンの関係を想像しながら作った曲であることがよくわかる。
そんな『Glory Days』はのびのびと開放的な曲で、レントンの少年時代の終わりを明るく締めくくっている。
『エウレカセブン』は劇中に登場する専門用語が音楽用語から採用されていることからもわかる通り、音楽とは縁の深いタイトルだ。当然ながら『ハイエボリューション1』も音楽的に聞きどころが多い。本作では映画を構成する要素に対応するように主題歌・挿入曲が使われている。
先述したとおり、レントンの心を代弁する『Glory Days』が主題歌として採用されている。本編中では、TVシリーズでもチャールズのテーマとして使われたHIROSHI WATANABEの『GET IT BY YOUR HANDS』の新バージョンが流れ、さらに『エウレカセブン』の作品世界を象徴するともいっていいHardfloorの『Acperience7』が冒頭の「サマー・オブ・ラブ」のシーンを飾っている。
3つの楽曲がそれぞれの“切り口”で『ハイエボリューション1』を表現する一方で、TVシリーズから関わる作曲家・佐藤直紀の劇伴が映画全体に情緒とスケール感を与えている。
音楽という観点でも、非常に楽しめる要素が多いのが『ハイエボリューション1』なのだ。