70歳の高橋龍三は、引退した元ヤクザ。“鬼の龍三”と畏れ慕われた時代はもはや過去のもの。現在は家族にも相手にされず、社会にも居場所がなく、息子の家に肩身の狭い思いで身を寄せながら、「義理も人情もありゃしねぇ」と世知辛い世の中を嘆いている。ある日、オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに、元暴走族の京浜連合と因縁めいた関係になった龍三は、「若いヤツらに勝手な真似はさせられねぇ」と、昔の仲間に招集をかける。集まったのは、プルプルと震える手で拳銃を構えるジジイ、足下がおぼつかないジジイ、未だに特攻隊気分のジジイなど7人。どうせ先は長くないのだからと盛り上がった龍三たちは勢いで「一龍会」を結成し、京浜連合のやることをことごとく邪魔しまくる。当然、京浜連合のチンピラたちは、調子に乗り始めたジジイたちを疎ましく思うようになる。そして一龍会vs.京浜連合の対立は、龍三や子分の家族を巻き込んだ一大騒動へと発展する……!
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前回の抗争から5年後。先代亡きあと会長が交代して新体制となり、関東の頂点を極めた暴力団【山王会】は、ついに政治の世界にまで手を伸ばし始めた。巨大ヤクザ組織の壊滅を企てる警察組織は、山王会の過剰な勢力拡大に業を煮やしていた。そこで目を付けたのが、関西の雄である【花菱会】だ。表向きは友好関係を保っている東西の巨大暴力団の対立を目論み、刑事・片岡(小日向文世)は裏で策略を仕掛けていく。そんな中、驚愕の事実が持ち出される。なんと前回の抗争中に獄中で死んだはずのヤクザ、大友(ビートたけし)が生きていた!突然出所を告げられた大友。明らかに何かを企み、彼を出迎える片岡。「俺が死んだって噂流したのはお前か」「誰がまたヤクザやるって言ったよ」警察が仕掛ける巨大な陰謀と抗争の足音が着々と近づいてくる――。そのとき大友はどう出るのか?
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裕福な家に生まれた少年の真知寿(まちす)は“画家になる”夢を持っていた。しかし突然両親が亡くなり、環境が一変してしまう。ひとりぼっちになった真知寿は、画家になることだけを人生の指針として生きるしかなくなった。そんな愛に見放された真知寿の前に、ひとりの理解者が現れる。絵を描くことしか知らない彼の純朴さに心惹かれた幸子である。やがてふたりは結ばれ、真知寿の夢は夫婦の夢となった。愛と希望に満たされ、様々なアートに挑戦するふたり。しかし作品は全く評価されない。ふたりの創作活動は、街や警察をも巻き込むほどにエスカレートしていき、家庭崩壊の危機にまで直面してしまう・・・・・・。うまくいかなくても前に進むしかない人生の中で、ふたりが確かに手にしたものは・・・・・・。
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その日、三組の旅人が同じ宿場町に入った。まずひとりは金髪頭に朱塗りの杖を持った盲目の居合いの達人・座頭市。街道筋でヤクザたちにからまれるが、一瞬にして三人を切り捨てる。二組目は服部源之助と妻おしの。浪人の身だが腕は立つ服部は、殿様の師範代の身分を訳あって捨ててきた男。病気のおしののために用心棒の働き口を探していた。そして三組目は、旅芸者のおきぬ、おせい姉妹。彼女たちの三味線には仕掛けがあった。糸がはずれて、人の首を絞められるようになっているのだ。宿場町を仕切っているのはヤクザの銀蔵一家と、金持ち商人・扇屋。銀蔵一家の賭場に入った市は、そこで知り合った遊び人、新吉と荒稼ぎをする。新吉は、市が助けたきっかけで、その家に厄介になっている野菜売りのおうめの甥だった。その頃、浪人・服部は飲み屋「的屋」で飲んでいた。的屋の親父に金を要求しにきたヤクザに剣の腕を見せつけ、用心棒となる服部。同じ店で、服部と市は初めて出会う。「お前、ただのあんまじゃねぇだろ」「あんたも、血の匂いがするぜ」──とんでもなく腕が立つ二人は、その抜きん出た強さゆえに、やがて命をかけて対決せざるをえない宿命にあった。ひょんなことからおきぬ・おせいの姉妹と知り合った市は、おせいが実は男だと見抜く。二人は親の仇を探すために、旅芸者に身をやつしているのだった。銀蔵一家の用心棒となった服部。銀蔵とつるんでいる扇屋を仇の一人と踏んで近づくおきぬとおせい。銀蔵一家が仕切る賭場で大立ち回りを演じた市──同じ日にこの町にやってきた、訳ありの三者の運命の糸はやがて絡み合う。銀蔵一家、そして服部との壮絶な戦いに挑む座頭市。問答無用の戦いが幕を開けようとしていた・・・!
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夏休みが始まった。しかし正男(関口雄介)には両親がなく、一緒に住むおばあちゃん(吉行和子)もパートで忙しい為、遊んでくれる人が全くいない。そこでどこか遠くで働く母親の元へ、写真だけを頼りに、絵日記と僅かな小遣いを握りしめて飛び出した。心配した近所のおばさん(岸本加世子)は、仕事もなく暇を持て余す旦那・菊次郎(ビートたけし)に母親の元まで送り届けるよう命令するが…。勝手気ままで大人に成りきれていない菊次郎は9才の少年正男の母親探しの旅に付き合うはめになる。様々な人と事件に出会いながら現実の厳しさと人々の優しさにふれていく二人の『少年』の数日間の旅。時に突拍子もない行動に走る菊次郎の後をひたすらついて行くだけだった正男は、やがて横を、ついにはしっかり手をつないで歩き始める。
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聾唖の青年茂は、清掃車の助手の仕事途中で捨ててあったサーフボードを拾う。茂はそれを持って、同じ聾唖の恋人・貴子を連れ海に出かける。必死にサーフィンに挑戦し、練習に明け暮れる茂。それを見つめる貴子。やがて、サーフボードは壊れ、給料日を待って新品を買い、また練習に明け暮れる。ひたむきな茂を見たサーフショップの店長中島は、ウェットスーツとサーフィン大会の出場申込書を渡す。サーフィン大会の当日、茂と貴子は、出場の呼び出しが聞こえなかったため失格となる。茂は、めげずに一層サーフィンに熱中する。二度目のサーフィン大会。腕をあげた茂は、見事入賞。仲間達の祝福を受ける。その数日後、ただ一人海に向かう茂。貴子が駆けつけたとき、浜辺には、サーフボードだけがあった。
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ガソリンスタンドで勤めている雅樹は、野球チーム・イーグルスに所属していた。これといって取り柄のない雅樹は、誰からも煙たがられている存在であった。今日の試合でも、代打にでれば三球三振。コーチャーズボックスに立てば何のサインも出さずにランナーはアウトになってしまう。仲間からいくら文句を言われても顔色一つ変えない無感覚人間だった。試合が終わってガソリンスタンドに戻った雅樹は、暴力団大友組組員・金井の車の洗車を押しつけられる。しかし、トロい雅樹は何をしていいかわからず、ウロウロするばかりで、逆上した金井に殴られてしまう始末。まけじと、雅樹も金井を殴ろうとするが相手は喧嘩のプロ、軽くいなされてしまう。そして突然、金井が騒ぎだした。「手が痛い!骨折したァ!!」雅樹とガソリンスタンドに最大の危機が訪れた。この事件がキッカケで、野球チームVSやくざの全面抗争が勃発することになる。
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ウォーターフロントの倉庫裏、闇の中に浮かび上がる浮浪者の影。それを取り囲む数人の少年たち。少年たちが浮浪者を痛めつける現場を見つめる一人の男……。その男、我妻諒介、39歳。職業、刑事。男は、主犯格の少年宅に押し入り、殴る蹴るの暴行を働いたのち、少年を無理矢理自首させる。すべてにおいてそんな調子の我妻は署内でも異端視されている。ある日、一隻の釣り船で惨殺死体が発見された。男は麻薬売人の柄本。捜査を進めるうち、我妻は青年実業家・仁藤と我妻の親友であり、防犯課係長でもある岩城にたどりつく。岩城は押収したヤクを横流ししていたのだ。そして岩城は、口封じのため、自殺に見せかけられあっけなく死んでしまう。友人岩城の死を事もなげに揉み消そうとする警察、そして麻薬犯罪組織の首領・仁藤とその傘下にある殺人鬼・清弘への狂気に対して、我妻は自らの凶暴さで戦う以外なかった……。
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