独占入手!映画版積算資料公開中!![前田建設ファンタジー営業部 V-STORAGE広報資料室]
『前田建設ファンタジー営業部』のためだけに作成された映画版積算資料を、V-STORAGE広報資料室が独占入手! 果たして、どのような過程を経て、この資料が出来上がっていったのか。資料作成に携わった張本人である佐治幸宏プロデューサーと前田建設さんにお話を伺い、この資料から本作の魅力を読み解いて行こう。
光子力研究所 マジンガーZ格納庫兼プール構築工事
本体土木工事見積総括表
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光子力研究所 マジンガーZ格納庫兼プール構築工事
機械設備工事費および汚水処理工事費
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──映画版の積算資料はどのように活用されましたか?
目に見える部分はなるべく実際のものを使うという監督のこだわりがあるので、設定資料だけでなく、オフィス内にあるものも当時のものを使用しています。もちろん実際に本物が残っている訳ではなく、伺った情報を元に近いものを美術チームが作っています。また、紙資料だとまだいいんですが、今の最新の設備でモデリングを作成してしまうと当時と違ってくるので、当時のパソコン上で動くグラフなどは前田建設さんにわざわざ作って頂き、本当に助かりました。きちんと映り込む美術の一部として、結構な量を前田建設さんのお力をお借りしました。活用どころかなくてはならない存在でした。
──積算資料以外にも多くの撮影品や、撮影場所を提供されたとお伺いしております。中でも思い出深い撮影品や撮影場所があれば教えてください。
撮影品で思い出深いものをどれか一つというのは難しいので、あえて言うならオフィスのシーンに出てくる沢山の小道具全般でしょうか。前田建設さんにご協力頂き、当時の資料の内容や状況を思い出して頂き、また当時の関係者にヒアリングさせて頂き、再現しました。撮影場所で思い出深いのは、やはりトンネルとダムの撮影です。通常は入れない、撮影がなかなか出来ない場所ということもあり、キャストやスタッフのみんなも驚きと興味と共に撮影出来たのは、とても貴重な経験でした。
──映画版積算資料作成についてはどのように依頼があったのでしょうか?
映画の見せ場の一つである「積算」部分で、キャストの皆さんのセリフには出てこない細かな部分の詳細までリクエストがありました。例えば岸井さん演じるエモトが説明する「掘削の1.137憶円、ズリ出し・運搬の1.206+0.669憶円、吹付・ロックボルトの0.801憶円」ですが、これのさらに詳細な項目とその金額の依頼があったというわけです。また高杉さん演じるドイが担当する「格納庫の機械設備」についても作成してほしい、とのことでした。こういう観客の皆さんの目に触れない部分にまでこだわるスタッフさんの情熱こそ、この映画の面白さの源泉だと思っています。
──作成にあたり御社内で新たにヒアリングなどされたのでしょうか? 作成中大変だったこと、印象的だったエピソードなどがあれば教えて下さい。
原作版ファンタジー営業部の積算は本来の業務と比べれば、やはり概略の数字と言わざるをえません。なぜなら簡略化のため過去の実績を流用しているからです。しかも、この積算の単価は今から16年も前のもの。今とは全く異なります。そこで前田建設の腕利きのベテランで発想力と遊び心も併せ持つ、土木の林幸一先輩と機械の森山茂先輩に泣きつき16年前の積算の細分化を行っていただきました。打合せ時間が取れず、大学生が賑やかな夜中のサイゼリヤで、良いオヤジ二人がこの作業の詳細打合せを行ったことは内緒です:笑。最後の最後まで、技術者の矜持に助けられた本作品、おそらくお二人の詳細数値は「積算」シーンのキャストの皆さんの紙ファイルに挟まれていたものと確信しています。
──佐治プロデューサーのインタビューの中で、積算資料以外にも多くの撮影品や、撮影場所を提供されたとお伺いしております。中でも思い出深い撮影品や撮影場所があれば教えてください。
【撮影品】
○まえだくん:原作でのキャラクター「まえだくん」を映画でも利用するため、30年以上前に作って社内でも在庫がない「まえだくん」を集めました。どれもマジックで眉毛を書くなど色々な化粧がされていたり、汚れがひどかったりしたのですが、映画スタッフの方々がきれいにしてくださったところ、オリジナルの色の鮮やかさがわかり、社員も驚く結果となりました。
○作業着:出演者が着ている作業着は実際に前田建設の社員が日々着用しているものです。撮影にあたり、リアリティを出すために着古したものが良いということで、社員が着ているものをかき集めました。一方、撮影スタッフにはチームウェアとして新品を提供させていただいたところ、動きやすさなど撮影にピッタリということで評判も良く、他の撮影現場でも着ている人がいると聞いています。
○備品類:土木関係の書籍や写真・広報誌・ポスターなどの実物から、パソコンに映っている図面や資料などに至るまで当時の様子を再現するよう、物品やデータを集めました。リアリティを追求する英監督をはじめとする映画スタッフのこだわりに驚くとともに、ものづくりにかかわる企業の社員として、共感する部分が多くありました。特に、出演者の顔写真がプリントされた2003年当時の社員IDカードに、社員から懐かしいとの声が上がりました。
【場所】
○J.CITY:撮影の本拠地ともいえるオフィスシーンは当社の社屋の一部です。本物に見える窓や柱は撮影用に本物そっくりに作ったセットで、その向こうに照明設備があり、昼夜いつでも撮影できるようになっています。建設のプロである当社社員も撮影セットだと気が付かず、映画スタッフの再現技量に驚かされました。
○前田製作所、栗本鐵工所、日立造船:2003年当時に技術や積算でご協力いただいた3社に今回の映画撮影においてもご協力をいただきました。いずれもお忙しいところ、撮影のために気持ちよく時間や労力を割いていただき、全面的に力を貸してくださりました。担当者は変わっても、その丁寧な対応ぶりから変わらぬ社風を残されていることを感じ、我々もこうありたいものだと感動しました。
前田建設ファンタジー営業部 公式サイト
©前田建設/Team F ©ダイナミック企画・東映アニメーション