1994 年にオリジナルビデオアニメーション(OVA)が発売され、1999 年4 月に劇場版が公開。テレビシリーズは、1996年、1999 年、2001年、2007年と放送され人気を博したアニメ『逮捕しちゃうぞ』。
この度、3月1日(土)に1994年~1995年に制作されたOVA『逮捕しちゃうぞ』全4話のスペシャルトークショー付き上映会を実施しました。トークショーには、玉川砂記子(辻本夏実役)、平松晶子(小早川美幸役)が登壇し、30年前の思い出や作品の魅力などを語りました。
そして、3月7日(金)より『逮捕しちゃうぞ the MOVIE』の再上映がスタートします。
◆『逮捕しちゃうぞ』アニメ化30周年記念上映会◆
■開催日:2025年3月1日(土)
■会場:新宿ピカデリー スクリーン1
■登壇者:玉川砂記子(辻本夏実役)、平松晶子(小早川美幸役)

▲写真左から 平松晶子、玉川砂記子
<オフィシャルレポート>
藤島康介先生の人気漫画を原作とする『逮捕しちゃうぞ』のアニメ化30周年を記念して、3月7日(金)より『逮捕しちゃうぞ the MOVIE』の再上映がスタート。3月1日(土)には、新宿ピカデリーにてOVA『逮捕しちゃうぞ』30周年記念上映会が行われ、辻本夏実役の玉川砂記子さん、小早川美幸役の平松晶子さんが登壇。懐かしい思い出話で大いに盛り上がったイベントの模様をお届けする。
OVA全4話の上映後、突然音楽が流れ、スクリーンには“カラオケしちゃうぞ”の文字が映し出された。ざわめきが広がるなか、ステージに登場した玉川さんと平松さんは、自身が実写で出演しているカラオケ風ミュージックビデオの映像をバックに、OVAのオープニング主題歌である「100mphの勇気」をパフォーマンス。そんなビッグサプライズに、客席は息の合った手拍子で応え、ラストは2人が背中合わせでポーズを決めてみせた。
続いてはトークパート。会場への質問タイムでは、作中に登場するモトコンポに乗ってきたり、作中の名物キャラクター・ストライク男に扮した熱狂的な男性ファンがいると同時に、遠方から来た女性ファンや今回初めてOVAを観たというファンも多数いることがわかり、改めて幅広い層に支持される作品であることが感じられた。そして、30周年を迎えた心境について聞かれた平松さんは、「出てくる機器が今だったら……と懐かしさを感じる一方で、30年も昔に作られたとは思えないクオリティを感じました」と、自らが演じる美幸の視点を交えつつ、平成から令和へ時代が移り変わっても色褪せない作品の力を褒めたたえた。
『カラオケしちゃうぞ FILE. 2 1/2』の実写映像(※OVAシリーズ発売時期にVHS・LDでリリースされた)について聞かれた玉川さんは、とにかく撮影現場は寒くて大変だったといい、「平松さんは根性があるのでちゃんときれいに制服を着ているんですけど、私はガンガン着込んで“寒~っ!”と言いながらモトコンポにまたがっていました(笑)」と過酷だったロケの様子を回想。また、冒頭のサプライズ歌唱は玉川さんの発案だったようで、それを聞いた平松さんは「さっこちゃん(玉川さん)は歌が得意なんですよ。でも私は“え~!?”と思って(笑)」と、当時楽曲をレコーディングしてくれたスタッフにアドバイスを求め、カラオケボックスで練習をしたというエピソードを披露。イベント前にも、始まるギリギリまで2人で練習していたそうで、ファンを喜ばせようという熱い思いに、客席からは大きな拍手が巻き起こった。
その後の話題は、本作のオーディションについて。平松さんは、夏実と美幸の両方を受けて「どっちがやりたい?」と聞かれ「夏実」と答えたことや、「声を作っている」と指摘されて、混乱したことを明かした。「地声でお芝居をするとはどういうことか、表現者として一番大事にするべき部分をオーディションのときに気づかされたような気がして、この役はダメだったかもしれないけど、実りのある時間だった」といい、だからこそ美幸役に選ばれたときは驚きが大きく、アフレコ収録も緊張していたと振り返った。それを聞いた玉川さんも、「今までOVAの1~4話を続けて観ることがなかったんですが、こうして観ると(自分の声が)1話目って緊張してるのね(笑)。周りの共演者の方やスタッフの方がいて、だんだん作られていったキャラクターだなと改めて思いました」と感慨深げな表情。また、2人の掛け合いシーンについての質問では、「平松さんとは舞台などで以前からご一緒させてもらっていたので、どんな球を投げても絶対に拾ってくれるという安心感は大きかったですね。だから、自由に思いきりやらせてもらえた」と、玉川さん。平松さんは「(玉川さんの)お芝居のバラエティの豊さに憧れがあったので、さっこちゃんが相手役に決まったと聞いたときはめちゃめちゃうれしかったんですけど、足を引っ張らないようにしなきゃという緊張もありました」と話し、玉川さんが「ずいぶん伸び伸びやってたと思いますよ!」とツッコミを入れるシーンも。
そしてここで、OVAの古橋一浩監督、劇場版を手掛けた西村純二監督、さらにシリーズのキャラクターデザイン・総作画監督である中嶋敦子さんから、スペシャルコメントが。古橋監督は、湾岸エリアのロケハンをしたことや当時感じていたプレッシャーについて振り返り、西村監督は劇場版のネタバレを考慮した結果、伏字だらけになったコメントで会場の笑いをさそった。中嶋さんは車やバイクを手描きした本シリーズについて「アニメーターのマンパワーで、作り上げた作品です」と綴りつつ、今は亡きメカニックデザインの村田峻治さんを偲んだ。さらに、原作者の藤島康介先生による記念イラストも公開。玉川さんが、藤島先生が会場に来ていることを暴露し、客席からは感謝の拍手が贈られた。
フォトセッション後は、集まったファンへメッセージを届けていく。まずは平松さんが「初めましての方も、30年ぶりの方も、本日はご来場いただきありがとうございした。『逮捕しちゃうぞ』がこんなに長く愛され続けているのは、みなさんの応援あってこそです。私にとっても、いろんな世界に触れさせてもらえた大事な作品ですので、今後とも末永く愛してもらえるととてもうれしいです」とコメント。最後は玉川さんが「共演者、スタッフ、いろんな人に支えられてこの作品ができました。そして、ここにお集まりいただいているみなさんの情熱、愛情を今日改めて感じて、とてもありがたいことだと思っています。私や平松さんはあまり公の場所に出ない2人なのでレアな時間だったと思うんですけれども、『逮捕しちゃうぞ』の思い出に、また1ページを刻んでいただけたらうれしいです」と語り、イベントを締めくくった。
◆『逮捕しちゃうぞ』アニメ化30周年 お祝いイラスト&メッセージ◆
<藤島康介先生 描き下ろしイラスト>
<OVA『逮捕しちゃうぞ』 監督・古橋一浩さん>
思い出深いのは湾岸エリアのロケハンですね。開通したての虹の橋、船の科学館にあった二式大艇、羽田空港 等。舞台が同じアニメの『こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)』、『パトレイバー』との差別化の為に、管轄外まで出張る内容にして。藤島先生原作のアニメ『あぁっ女神さまっ』の成功に続かねばならぬ重圧に全身全霊で臨みましたが間が悪く、同時期、同レーベルの『マクロスプラス』の影に隠れてしまった感が。
それから10年ほどして『アフタヌーン』誌上の藤島先生との対談で、新海誠監督がアニメ『逮捕しちゃうぞ』の光の表現を誉めてくれていて。後の新海映画に影響を与えた作品の中のひとつであったのなら、甲斐があったのかなと思えます。
苦労を共にしたスタッフ、これまでに観賞いただいた方々、そしてこれから観賞されるすべての方々に絶えざる感謝をいたします。
古橋一浩
<『逮捕しちゃうぞ the MOVIE』 監督・西村純二さん>
OVA『逮捕しちゃうぞ』&『逮捕しちゃうぞthe MOVIE』を現在の映像、音響設備を持つ最新の映画館で上映しちゃうぞ!
という企画、素晴らしい。
少し前から、高画質、高音質での『機動警察パトレイバー 劇場版』、『ガメラ 大怪獣空中決戦』、『ジョーズ』と、映画館で観る機会がありました。みんなとにかく面白く、映像作品は、技術革新とともに成長する…と確認しました。
『逮捕しちゃうぞthe MOVIE』もぜひご覧になってください。
横十間川密売案件、桜橋○○事件、墨東署重大○○事件、東京○○から東京○○に続くトゥディVS ○○○○ターが…
美幸と夏実の捨て身の戦いが…(伏せ字だらけですいません!)
皆さんをお待ちしてます!!
西村純二
<『逮捕しちゃうぞ』シリーズ キャラクターデザイン・中嶋敦子さん>
『逮捕しちゃうぞ』OVAから始まり30周年なんですね。
まだ、車やバイクは手描きの時期でしたね。
今だったら、CGかしら?
アニメーターのマンパワーで、作り上げた、作品です。
また、夏実や美幸とも、かなり長くご一緒しましたね。
まさか、こんなに長くお付き合いする事になるとは思いませんでしたが、代表作のひとつになりました。私としては、思い出深い作品になっています。
縁とはふしぎなものですね。
『逮捕しちゃうぞ』に参加して、良い作品にしてくれたスタッフには、感謝してます。
メカニックデザインの村田峻治さんは、お亡くなりになりましたが、『逮捕しちゃうぞ』を支えてくれたスタッフのひとりです。
スタッフリストで名前を見るとまだ健在しているように思われます。
中嶋敦子
◆ORIGINAL ANIMATION VIDEO SERIES『逮捕しちゃうぞ』作品情報◆
メインスタッフ
原作:藤島康介「逮捕しちゃうぞ」(講談社「アフタヌーンKC」所載)/監督:古橋一浩/キャラクターデザイン・総作画監督:中嶋敦子/メカニックデザイン:村田峻治/美術:加藤 浩/音楽:大谷 幸/制作:スタジオディーン
FILE.1 脚本:島田 満/演出・絵コンテ:古橋一浩/作画監督:松竹徳幸
FILE.2 脚本:横手美智子/演出・絵コンテ:古橋一浩/作画監督:松本憲生
FILE.3 脚本:横手美智子/演出・絵コンテ:古橋一浩/作画監督:松竹徳幸
FILE.4 脚本:横手美智子/演出・絵コンテ:古橋一浩/作画監督:山田 誠
メインキャスト
辻本夏実:玉川砂記子/小早川美幸:平松晶子/中嶋 剣:島田 敏/二階堂頼子:小桜エツコ/課長:政宗一成/和尚:有本欽隆(#1・#4)/ランチア男:松山鷹志(#2)/城戸:岡田達也(#3)/浩子:伊藤ひろみ(#3)/聡美:廣澤 恵(#3)
あらすじ
FILE.1「そしてふたりは出会った」
夏の陽射しが照りつける朝、新配属になった墨東署に初出勤の夏実は大遅刻、おまけにコンビを組むことになった美幸とはどうもしっくりいかない。それもそのはず、遅刻しそうになった夏実は愛車=モトコンボで法規無視の無謀運転。しっかり見ていたミニパト=TODAYの美幸にさっき違反キップを切られたばかり、こりゃ早々とコンビ解消か? その時、二人の前に現れたFOXと名乗る謎のミニ、そして“H8K2”の暗号と爆破予告。
急げ、夏実&美幸! タイムリミットは、120分-!!
FILE.2「東京タイフーン・ラリー」
大型台風が首都圏に接近。パトロール中の夏実と美幸は、幼稚園児から元気のない猫を預かる。そこに現れた傍若無人に走り回る謎のラリー仕様車=ランチア・デルタ。毎年この季節になると出現し、その走りは年々エスカレート、ついに今年は負傷者を出して走り去る。中嶋は、美幸のチューンしたヘビーレイン仕様カワサキKLEを駆りランチアを追う!
暴風雨で遮断された道路網、夏実と美幸は目指す動物病院に間に合うか!? そして、中嶋はランチアを捕らえられるのか!
FILE.3「恋のハイウェイ・スター」
噂の出どころはまたしても頼子だった。更衣室でふと見てしまった美幸の手帳。
週末の赤丸の意味するところは? 何かワケありの美幸の態度は? いつまでたってもプロポーズをしない中嶋に愛想をつかした美幸がついにお見合か? 美幸を強引に奪えと中嶋にせまる夏実と頼子だが…。
FILE.4「on the road, AGAIN」
えっ夏実が白バイ隊に? 最強のミニパト・コンビは解消か? 抜群のテクニック非力なモトコンポでは不完全燃焼の夏実。白バイ隊への転属は願ってもないが、仲間との別離にはためらいが……。美幸は親友のためと、淋しさを隠して送りだす。そしてやってきた夏実の白バイ・デビューは墨東署内で開催されたマラソン大会の先導役。ところが大会中、1台のバイク炎上に端を発したタンクローリー暴走事故発生! 大丈夫か美幸? 急げ中嶋! このままでいいのか夏実!?
<1994年~1995年制作作品/全4話>
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©1999 藤島康介/TBS・バンダイビジュアル・東映ビデオ・スタジオディーン
©1994 藤島康介/講談社・バンダイビジュアル・丸紅
▼『逮捕しちゃうぞ』アニメ化30周年記念上映 情報サイト:
https://v-storage.jp/taihoshichauzo/