『攻殻機動隊 新劇場版』Blu-ray&DVD 発売直前!! 最高の部品<パーツ>たちによる生コメ上映会 イベントレポート
『攻殻機動隊 新劇場版』Blu-ray&DVDの発売を目前に控えた10月23日(金)に、TOHOシネマズ 日本橋にて開催された「最高の部品<パーツ>たちによる生コメ上映会」。『攻殻機動隊 新劇場版』を生み出した最高のスタッフ陣、総監督・キャラクターデザイン:黄瀬和哉さん、監督:野村和也さん、スーパーバイザー:藤咲淳一さん、製作総指揮:石川光久さんが、アニメ評論家の藤津亮太さんの司会のもと本編映像を見ながら生でコメントをしていくという、豪華&貴重なイベントの模様をレポート!
25周年プロジェクトも一区切り。今4人は何を思う?
上映に先駆け登壇した4人に、まずは、25周年記念プロジェクトの集大成である本作についての感想・心境を尋ねる藤津さん。総監督・キャラクターデザインを務めた黄瀬さんは「もう忘れてしまっている部分も多いですが…かなり喪失感みたいなものはありますね」と、現状の気持ちを率直に語り、監督に抜擢された野村さんは、「劇場作品というだけでそれなりの密度が求められるのに、それが更に攻殻機動隊となると、より密度を求められているような気がして……。どうすれば、その厚みが出るのかを考えるのがとにかく大変でしたね」と制作当時を振り返った。
写真左から野村和也さん、黄瀬和哉さん、藤咲淳一さん、石川光久さん
また、月刊ヤングマガジンにて連載中の『攻殻機動隊ARISE 〜眠らない眼の男 Sleepless Eye〜』や、11月5日より公演される舞台『攻殻機動隊 ARISE : GHOST is ALIVE』の脚本を執筆するなど多くの企画に関わっている藤咲さんは「このメンバーの中で唯一まだ『攻殻機動隊』に関わっている者です」と現在も作品に関わり続けているという状況や、スーパーバイザーとしての作品への関わり方を語ってくれた。
そして最後は製作総指揮、そしてプロダクション・アイジー代表としてプロジェクトを牽引してきた石川さんが「新劇場版も終わって何ヶ月か経ちましたが、次への目標が間違いなく見えてきました!」と今後の展開への含みを持たせるコメントで締めくくった。
ここでしかきけない制作秘話・裏話が満載! 生コメ上映会
イベントのメインとなる生コメ上映会では、ストーリーを補足する詳細な設定や、製作時の苦労話など貴重なエピソードの数々が披露された。冒頭、楽園〈エデン〉をイメージしたという幻想的なアバンタイトルを一人で担当したという黄瀬さんは、あえて素子の顔・表情を隠したのはその行動だけを観る人に追って欲しかったからと語り、野村さんは初めて仕上がった原画を見た時は、その美しさに感動の声を上げたと大絶賛した。
本編も中盤〜終盤に差し掛かると話題はより濃くディープな内容に。ストーリーを理解する上でも重要な用語となる“デッドエンド”に関しての質問には「ちょうど当時、windows XPのサポートが終了する時期だったので、そこから着想を得ました。このままいくのか? 変わっていくのか? 素子とクルツたちの差を描く上で必然的に出てきた要素ですね」と藤咲さんが答えてくれた。
もうひとつ、ARISE全四部作からシリーズを通して重要な鍵を握る言葉である“ファイア・スターター”に関して、野村さんは「何もないところに突然化学反応が起こって“炎”という生命を感じる現象が起きる。それと同じように無機質な電脳世界にも生命が生まれることもあるのではないか? 名前は物騒ではあるけど、クルツたちにとっては希望が持てるワードだったのではないか」との持論を語ってくれた。
そして最後は登壇者4人が会場に足を運んでくれたファンに感謝のメッセージを贈り、大盛況のうちにこの日のイベントを締め括った。
『攻殻機動隊 新劇場版』
Blu-ray&DVD 好評発売中
攻殻機動隊 新劇場版 公式サイト
©士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会