インタビューココだけ | ストラトス・フォー
「ストラトス・フォー CPL. BD-BOX」発売記念 いつもの飛行機野郎4人による座談会【令和版】
今年2003年のTV放送20周年を迎えた『ストラトス・フォー』のCPL. BD-BOXの発売が2024年2月28日に決定!こちらを記念して、山内則康さん(キャラクターデザイン・メカニカルデザイン・総作画監督)、岡部いさくさん(軍事評論家)、二宮茂幸さん(原型師・モデラー)、バンダイナムコフィルムワークス・杉山潔プロデューサーによる「いつもの飛行機野郎4人による座談会【令和版】」が実現!作品の魅力はもちろんのこと、作品に関わった経緯や当時のファンを賑わせた特典映像についてのエピソードなども飛び出した濃密トークをお届けします!
元ネタは成形炸薬弾なんですよ。レンズ効果やモンロー/ノイマン効果などを参考にした、爆発力を一点に集中するウソネタですが、アニメ的には説得力があるんじゃないか思いました。(山内)
──まずは『ストラトス・フォー』の企画経緯からお聞かせください。
杉山私がバンダイビジュアル(現バンダイナムコフィルムワークス)に転職後、『AIKa』(1997)のDVD化を担当することになったんです。そこで『AIKa』全話をあらためて視直したら、飛行機の表現があまりに格好良くて感動したんですよ。それで不遜ながら「この人、飛行機のことわかってる!」と思い、調べたら『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(1987)のフライントコントロールチェックのシーンの原画をやっている。それで「ぜひ、この人と飛行機アニメを作りたい!」と思い、スタジオ・ファンタジアさんを訪ねて話をさせていただきました。その後、山内さんから一枚のイメージイラストが届いたんです。
山内女の子がバイクのようにまたがるコックピット案を描いてお見せしました。
杉山それが決め手になり企画がスタートしました。
山内でも、あそこで「ギャグは辞めて、普通に座らせてください」と言われたら普通に座らせましたよ(笑)。
杉山いや、あれが今までにないキャッチ―な絵で良かったんですよ。それにイギリスでも似たような実験をした前例があるのでまったくのウソでもないし。グロスター・ミーティア戦闘機の鼻先に寝そべり型コックピットをくっ付けて研究していましたからね。
山内そうですね。アメリカの全翼機XP-79も寝そべり型コックピットでしたね。
岡部でも寝そべり型にするとキャラクターの顔を見せるのが難しいじゃないですか? そのへんは考慮されたんですか?
山内寝そべりつつもキャラクターの表情や芝居はわかるよう意識はしました。バイクのように頭を上げた体勢にしても良いですからね。またスピード出すときに前のめりにするなど、動きが見えるような作りにはしました。
杉山そして監督のもりたけしさんが入ったところで「女の子が飛行機に乗って殺し合いをする話にはしないでください」とお願いしたんです。標的が彗星に決まったのはいつでしたっけ?
山内彗星を迎撃するってネタは最初からありましたよ。
杉山ちょうど『アルマゲドン』(1998)が公開された頃でしたね。『アルマゲドン』は小惑星の地下に爆弾を設置して破壊する作戦でしたが、我々はSFっぽく三方向からの爆発による衝撃波で切断する「トライデントミサイル」にしました。
山内元ネタは成形炸薬弾なんですよ。レンズ効果やモンロー/ノイマン効果などを参考にした、爆発力を一点に集中するウソネタですが、アニメ的には説得力があるんじゃないか思いました。
杉山そうですね。私と山内さんのスタートはそんなところです。
岡部なぜTSR-2を選んだんです? TSR-2なんて開発当時(1960年代)に日本の飛行機雑誌に写真が載っただけで、それを最後に日本から忘れ去られた機体じゃないですか。僕が「エアワールド誌」にいた頃にイギリスから資料を送ってもらい、江畑謙介さんに記事にしてもらったので鮮明に覚えています。
杉山TSR-2を推したのは私で山内さんはCF-105アローを推していました。そもそも『AIKa』のMiG-21を見たのがきっかけなのでレシプロ機のイメージはなかったですね。あの当時で私が見たことがあるのは「脚が出た状態で斜めに上昇している白黒写真」だけでしたが、実験機ばかりを集めたビデオを買ったら動いているTSR-2が映っていたんですよ。それを見て「TSR-2ってカッコイイな!」って思ったんです。
──二宮さんが本作に関わられた経緯をお聞かせください。
杉山主役機の選定でTSR-2とアローが残り、もり監督が「カッコイイ」と言ったTSR-2に決まりました。そして山内さんが「作画資料用に立体物が欲しい」と言ったんです。
山内う~ん、言ったかなぁ?
杉山言ったんですよ! それで模型を探したのですが当時はダイナベクターという日本のオーディオ機器メーカーさんが出しているバキュームフォームキットしかありませんでした。でも以前、「モデルグラフィックス」で「バキュームフォームキットは誰でも作れる」という記事を読んでいたので思い切って注文したんです。でも届いた箱を開けたら白いプラスチックの板がいっぱい入っていて、自分では無理だと思って「航空ファン」の現編集長の神野(幸久)さんに作れる人を紹介してもらいました。それが二宮さんです。でも最初に電話したときの二宮さん、やたらと不機嫌だったんですよ。
二宮コマーシャルや映画のミニチュアやセットを作る仕事をしていたので、プロデューサーという肩書きの人にあまり好ましい印象が無かったんです。それで身構えてしまいました(笑)。プロデューサーといえばお金を渋るクセに無茶ばかり要求する人という認識だったので。
岡部テレビ業界のプロデューサーって聞くとね(笑)。
──プロデューサーアレルギーになられていたんですね。
二宮そう、まさにアレルギー(笑)。で、当時のバンダイビジュアルがあった稲荷町で杉山さんとお会いしたんです。最初はプロデューサー=当時流行っていたシステム手帳を持ってカーディガンを羽織った銀縁眼鏡の人が来ると思っていました。そうしたらジャンパーを着た少年のような杉山さんが現れたんです。最初はバイトの高校生かと思いましたからね(笑)。その後、互いに飛行機好きということで2時間ぐらい飛行機の話をしていました。
杉山その時点で完成済みのTSR-2を持っていらしたので、それを送っていただいてスタジオ・ファンタジアの会議室に置いたんですよ。自分が買ったキットを代替品としてお渡ししてね。二宮さんとはそこからのお付き合いです。
──二宮さんは具体的にどのように本作に関わられたのでしょう。
杉山DVDの初回特典のミニチュア飛行機の原型をお願いしました。あと人形劇「オー!シモヂジマ」の人形も二宮さんです。
二宮ミニチュア飛行機は映像製作用の3Dデータをお借りしたんですよ。当時は3,000万円くらいした、フィギュア製作会社が持っていた3Dプリンターで原型の素体を出力してもらい、形を整えたりスジボリなどを加えて仕上げました。あくまで「特典」なのでコストとの擦り合わせが大変でしたね。パネルラインのスジボリにスミイレすると、スミイレした数だけ「一本いくら」でコストが上がるんです。すべてのパネルラインを再現すると予算オーバーするのでバランスを考えました。
杉山二宮さんは3Dプリントが普及する前から3Dデータが扱える方だったので助かりました。
岡部ストラトス・ゼロのような架空機もありますし、ヴィッカースType 559は実在機ですがミニチュア化は初めてでしょうね。
二宮ですから作り甲斐がありました。
杉山さすがにMiG-31のキットはありますよね?
二宮旧東側にあるメーカーが出していました。「これ売れんのか?」って機種ばかり出すんですよ。僕の知る限りYak-28はナントカというメーカーしか出していませんね。ただ左右の胴体パーツを合わせた瞬間に心が折れました(笑)。
山内ピッタリ合わなかったんだ(笑)。
杉山ナントカに限らず昔の海外キットは精度が低いものが多かったですからね。昔、B-17Gのキットを買ったけど左右のパーツが反っていて、接着剤を大量に付けてゴムで縛って放置しといたんですよ。「もう良いだろう」と一週間後にゴムを剥がしたら「ペリペリペリ……」って剥がれました(笑)。反っているだけならまだ良い。左右で長さが違うのもありますからね。
杉山さんの顔を見るなり「TSR-2が出るアニメがあるらしいのですが何かご存じですか?」って尋ねたんです(笑)。(岡部)
──岡部さんが本作に関わられたきっかけを教えてください。
岡部杉山さんとは『ストラトス・フォー』以前からの付き合いで、最初にお会いしたのは松島のT-4ブルーインパルスの取材でしたっけ?
杉山T-4ブルーがアメリカに行く前だから1996年頃の松島基地ですね。お仕事の依頼は『青の6号』(1998)に出てくる潜水艦のスペックなどを考えていただいたのが最初です。その後もちょくちょくお会いして、『ストラトス・フォー』の放送が始まる直前の忘年会で……。
岡部杉山さんの顔を見るなり「TSR-2が出るアニメがあるらしいのですが何かご存じですか?」って尋ねたんです(笑)。
杉山「しめた、引っかかった!」と思いましたね(笑)。
岡部TSR-2が描かれたポスターに釣られました。でも単にTSR-2が描かれただけなら僕は釣られませんでしたよ。フラップはフルダウンしているし、下りた脚部も接地前なのでストラットが伸びて後部が垂れ下がっているし、補助インテークまで開いている。「これは只事ではない!」と思いました。
杉山どの部品が何のためにあって、どう動くのかを知らないと描けない絵ですね。
山内補助空気取り入れ口は飛行機の美味しいポイントですよ(笑)。
杉山山内さん、三菱のF-1とか好きでしょう(笑)。
山内T-2/F-1ですか。あれにも補助取り入れ口がありますが、外に出るんじゃなく引っ込むタイプですからね。あれってバネ仕掛けでしたよね?
杉山そうそう、エクステリアチェックのときにパイロットがパカパカさせてチェックします。
山内ほとんどの飛行機はあのタイプですが、TSR-2はどうやって動かしているんでしょう?
二宮パカって開きますからね。
杉山空気抵抗を利用してるのでは?
山内それだと開きっ放しになりますよ(笑)。
二宮たしかイラストにはアクチュエーターが付いていましたよ。
岡部それなら電気か油圧ですね。
杉山私はてっきりパイロットがいちいちワイヤーを手で引くんだと思っていました(笑)。
一同(笑)
──今回発売される「CPL. BD-BOX」にはDVD発売時の特典映像が収録されますが、こちらの映像では二宮さんと岡部さんも大活躍されていましたね。
岡部僕が入ったときは既に手遅れで本編に関わることはできず、その代わりDVD特典の「賑やかし」として参加させていただきました。
杉山たしかSPECIAL FAN DISCの「メカニック菜單・ライブ版」が最初でしたね。
岡部面白がって色々と出させてもらったので、どれが最初だったか覚えていません(笑)。
杉山ライティングもそれっぽい間接照明で、いかにもTVに出ている軍事評論家という感じで撮りましたね。本物の軍事評論家なのに(笑)。
岡部1990~2000年代におけるTVの軍事評論家の正しい映し方です。モニターにそれらしい映像を映して、やたらと難しい顔をして喋るんです(笑)。
杉山アニメのウソに対して鋭いツッコミを入れるスタイルが大好評で、それに伴い私の図々しさが増していったんですよ(笑)。岡部さんに色々と無茶を言うようになりました。
岡部それに乗じて、私のキャラも次第に変になっていきましたね。こうして日本最初の「ファンディスク芸人」が誕生した訳です(笑)。
杉山そして『X-1』の映像特典で「マニアによるパンピーのための飛行機放談会」にこの4人で出たんですよ。ファンタジアの近くにある居酒屋さんの2階を借りてね。
二宮山内さんだけ緑のプレッシャースーツを着ていましたね(笑)。
山内その写真、未だにネットで見かけますね(笑)。
杉山その横にアメリカ海軍の飛行装具とヘルメットを着けた私がいるんですよ(笑)。そんな感じでエスカレートする映像特典に皆さんもお付き合いをいただきました。
--岡部さんは山内さんと一緒に『アドヴァンス』の新キャラ3名を演じる声優さんに飛行機の操縦方法を教えていましたね。
杉山「岡部いさくのひこーき教室」ですね。声優さんたちが飛行機をまったく知らないので、「これは教育しなければなるまい!」ということになりました(笑)。たしかバンダイビジュアルの会議室で撮ったんですよ。
山内「君たちが飛行機に詳しくなれば、アニメでの活躍が増えるかも知れない」なんてテキトーなことを言うヤツですね(笑)。なにぶん「笑い」に関しては素人なので、はたしてお客さんに楽しんでもらえたかどうか。
岡部何をしているのか分からない面白さはあったと思います(笑)。
杉山映像特典の『向日塔子のなんにもない一日』はそれを狙った企画でしたからね。オペ子こと塔子が3機の航空機を捌いて、彼女の指示で飛行機がアプローチルート上にキチンと並ぶんですよ。それを見て彼女がホッとするという。こんなの見て誰が分かるんだ?って内容でした(笑)。
山内専門用語ばかりの台詞で、役を演じた木村美佐さんは「今までの仕事で一番大変だった」と言っていました。
──山内さんは作画スタッフとして本作に関わりながら、芸人のように扱われることに抵抗はなかったのでしょうか?
山内問題ないです。この作品の前に『ナジカ電撃作戦』(2001年)で色々なことを要求されたので(笑)。
杉山じゃ慣れた体だったんですね(笑)。
二宮僕はけっこう抵抗ありましたよ。
杉山二宮さんには「SPECIAL FAN DISC II」収録の「浜松の休日」から出演していただきましたが、自己紹介シーンの二宮さんの表情がすごく固いんですよ(笑)。
二宮当たり前ですよ。あのときは岡部さんがバスガイド役までやられていましたね(笑)。
岡部自己紹介でマイクが回ってきたとき、ただ「岡部です」と言っても面白くないと思ったんです。それに、あのときは妙にピリピリした空気を感じたので。
杉山たしかに。我々としてはキャストの方々を外にお連れするのは緊張するんですよ。制作スケジュールのことで悩んでいる時期でもありましたからね。でも岡部さんのジョークのおかげで和んだ空気になりました。
岡部本当に和みましたか? 変な方向に行ったのではなく(笑)。
二宮それまで軍事評論家は怖い人だと思っていましたが、あの浜松旅行ですっかりイメージが変りましたね。しかも現地では皆のお弁当まで運ぼうとしたし。
杉山私、あわてて止めたんですよ。キャストの田坂秀樹君と吉野裕行君が速攻で駆け付けましたよね。仕込みじゃないかと思うくらいすごいスピードで(笑)。
二宮「岡部さん、やめてください! 俺らがやりますから!」って(笑)。その瞬間の写真撮りましたよね。「コキ使われる軍事評論家」という体で(笑)。
杉山TVに出演されているときのイメージが強かったから、「岡部さんって怖い人じゃないんだ」って皆が言ってましたよ。
岡部僕は杉山さんやキャストさんたちのように作品に携わっていませんからね。言わばアウェイなんですよ。ですから、なるべく打ち解けるよう心掛けました。
杉山軍事評論家に飛行機を解説してもらえるなんて、キャストの皆さんは貴重な経験をしたと思いますよ。ヒコーキマニアからすれば。
岡部はたしてキャストの皆さんが求めていた解説が出来たのでしょうか?
杉山意味が分からずポカンとした顔も含めて良い画が撮れたと思います(笑)。あと岡部さんにメテオスイーパー機のウソ開発史を語っていただく「MS航空機開発史1」も面白かったですね。「1」と言いながら「2」は作られませんでしたが(笑)。
岡部あれ良く出来ていましたね。あのコーナー大好きなんですよ(笑)。
二宮キャノピーの傷に太陽光が乱反射している演出がリアルで良かったです。
杉山3DCGディレクターの河野達也さんがステンレス流しを金ダワシで磨いて、それで出来た傷を写真に撮ってテクスチャーとして使ったそうです。よく考えますよね。あと『完結編』の直前に出した「LOG BOOK」では皆で模型屋さんに行きましたね。ヒコーキマニアが買い物をするだけという内容の映像を撮るために。
二宮当時神保町にあったオリオンモデルズさん。ロシアで入手したらしい戦車の履板まで売っていたという(笑)。
杉山そして「ヒコーキマニアたちのラストフライト!」。最後なので本物の飛行機に乗ろうぜ!ということで、阿見飛行場(当時)さんにご協力いただきセスナ172を2機チャーターしました。ただの遠足みたいな企画でしたね。
二宮空撮してて無線で「前の機(カメラシップ)を追い抜きつつ45度バンクでブレイクしてください」って杉山さんがもう一機のパイロットに伝えるとその機に乗っていた山内さんたちの「ふざけるなぁ!」って声が無線越しに聞こえて(笑)。
杉山「綺麗な画が撮れなかったので、もう一度お願いします」って頼みました(笑)。
お客さんもそういう人たちが多かったですからね。幸せな作品だったと思います。(山内)
--何を言っているのかは分かりませんが、杉山さんが無茶を言っていることだけは分かりました(笑)。
杉山「知らない話をしているから面白くない」ではなく「知らない話で盛り上がっている変な人たち」という面白さがあったのだと思います。変なこだわりを持った人の集まりなんだと。
山内お客さんもそういう人たちが多かったですからね。幸せな作品だったと思います。
--皆さんが一番楽しかった特典映像企画は何ですか?
山内ヒコーキマニアとして嬉しかったのは「浜松の休日」ですね。浜松基地で飛行機を身近に感じることができたので。
杉山山内さんと岡部さんがT-2のフライトシュミレーターに挑戦し、お二方とも成績が良かったんですよ。岡部さんは撃墜数が多く、山内さんは着陸が綺麗でした。
山内後部座席で『トップガン』のグースごっこをしていたのに誰も気付いてくれませんでした(笑)。あと下地島旅行も豪勢で良かったですね。
杉山下地島にはロケハン含めて2回行ってますが、ロケハンのときは大変でした。監督が突然「管制塔が見たい」とか言い出すので、空港の看板に書いてあった番号に電話しましたからね。「見学させてください」って。
岡部その場でですか?
山内そうそう、「今どちらにいらっしゃいますか?」と訊かれ「空港ビルの玄関前です」と答えていました(笑)。
岡部本当に? 本来なら航空局に申請出さないと通りませんよ。
杉山ロケハンだったので特別に許可していただいたんです。後の「下地島の休日」は運輸省交通局の大阪事務所に取材申請を出しました。下地島って大阪の管轄なんですよ。そのときはキャストと一緒にお伺いしてDVDを寄贈させていただきました。第一声を言うのが辛いんですよ。「アニメなんですけど取材させてもらえませんか?」って。おかげで色々な耐性が付きました(笑)。
二宮私の中のプロデューサーのイメージが変りましたよ。「一生懸命に仕事している人がいるんだ」って。
杉山特典映像以外の特典も気合入れましたよ。二宮さんが作ってくださったミニチュア飛行機のほか、「REMOVE BEFORE FLIGHT」と書いたセーフティピンとフラッグの実物大レプリカとか。自分が持っていた実物を複製して、デカすぎて絶対に携帯電話をなくさない携帯ストラップにしたんです。あと岡部さんにも着ていただいたプレッシャースーツ型エプロン。内側の胸ポケットに風船パッドが入っていて、それを膨らませると誰でもボインちゃんになれる仕様でした。今だとコンプライアンス的に作れないと思います(笑)。このように本編映像を中心に色々なことが出来た楽しい作品でした。それをファンが受け入れてくれたことが大きいですね。
一言だけの台詞なのに10回以上も撮り直しました。和菓子が効きませんでしたね(笑)。(二宮)
--二宮さんと岡部さんは声優としても参加されましたね。
二宮「CODE:205」に登場した岐阜基地の掃除夫Bですね。柄が切られたモップを見て嘆くという『ライトスタッフ』(1983)のネタです(笑)。監督から「次は出てもらいますから」と予告されてから一年後で、一介のモデラーでしかない自分がちゃんと喋れるか不安でした。そんな中、他作品の打ち上げで声優の氷上恭子さんにお会いしたので相談したんです。「音響監督はどなたですか?」と訊かれたので「鶴岡陽太さんです」と応えたら、「あの方は素人さんにも厳しい方ですよ」と脅されました(笑)。でも和菓子が好きという情報を聞いたので、スタジオに差し入れを持って行ったんです。でも一言だけの台詞なのに10回以上も撮り直しました。和菓子が効きませんでしたね(笑)。
杉山岡部さんは「CODE:201」で本人役で出ていただきました(笑)。
岡部光栄ですけど、どうせなら大塚明夫さんにやってもらいたかったです。
一同(笑)
岡部アフレコは喋る尺の長さが決まっているのが難しいんですよ。決められた尺で喋ることは慣れていましたが、話す文言が決まっているのが難しかったです。
杉山そんな苦労の甲斐もあって、ファンの方も喜んでいましたからね。これも監督の粋な計らいですよね。
山内そうですね。こういうファンサービスを嫌う監督さんもいらっしゃいますが、もりさんはエンターテインメントに積極的な方だったので。
岡部もりさんってウィットに富んだ方なんだと思いました。僕らが関わった映像特典、作中で描かれる人物関係、そして『ライトスタッフ』の小ネタなど、これら監督のウィットが活かされた作品が『ストラトス・フォー』なんでしょうね。
杉山海外の映画やドラマとかたくさん視ている方なんですよ。すごく勤勉な監督さんです。声優さんたちとのチームワークも良かった。
山内「もり組」みたいな結束感を感じましたね。
杉山おかげで僕も覚えてもらえましたからね。つい先日、交差点でかかずゆみさんに「杉山さん!」って声かけてもらったんです。凄く嬉しかった。
実は最も好きな飛行機演出はオープニングの紙飛行機が飛ぶシーンなんですよ。(二宮)
--本編映像で皆さんがお好きなシーン、飛行機演出はどれでしょう。
杉山「CODE:103」です。ダイバート(航空機が目的地を変更すること)に1話まるまる使いましたからね。高高度に上がり過ぎて下地島に戻れなくなり、グァムのアンダーセン基地に向かう話。燃料節約のため台風外縁部の風を追い風に利用したり、アレスティングフックを使ったノーフラップランディングしたり……プロデューサーとして好き勝手にやらせていただきました(笑)。
山内ちゃんとした飛行機ものになっていましたね(笑)。
--専門用語ばかり飛び交っていましたが、沙也華たちのリアクションで大事であることは伝わりました(笑)。
山内彼女のツッコミが良いんですよ。あの面白さは高山カツヒコさんたちの脚本ともり監督演出の賜物ですね。
杉山女の子&メカものって世の中に数多くありますが、もりさんはずっと「子供たちだけで解決する話にはしたくない。彼女らを導く大人も描こう」と言ったんですよ。そこから生まれたのがレイノルズ司令やリンさんで、自分も他作品で物語を作るときの参考になりました。司令とリンさんの関係とか好きでしたね。
山内あの関係は良いですよね。もりさんはずっと「おじさん、おばさんの話もやらなきゃダメだ」と言っていました。
二宮実は最も好きな飛行機演出はオープニングの紙飛行機が飛ぶシーンなんですよ。翼端から出ているベイパーが本物の飛行機の様に翼端渦に沿っているんです。あれは当然、山内さんの指示ですよね。
山内おそらく僕だと思いますが、もう覚えていません(笑)。CGの河野君も飛行機を理解している人なので実現できた演出ですね。
二宮あと飛行機のちゃんとした旋回がアニメで見られたのは良かったです。飛行機がバンクしてクッと曲がるところですね。
杉山そこはこだわってもらって良かったですね。
二宮あとロケットエンジンの燃焼テストの話(CODE:107)。燃焼テストに一話分使った話ですよ。最初は主人公の寝床だったエンジンがレストアされ、最後にそれをくっ付けた飛行機に乗って飛ぶ。主人公の成長とエンジンの修復が繋がっているのが良かったです。
岡部ほぼ二宮さんに言われてしまいましたが、僕は飛行機のシーンすべてが好きです。飛行シーンはもちろん離陸や着陸も良かった。「CODE:103」のノーフラップランディングなんて普通のアニメでは見られませんよ。特に好きなのはTV最終回、全力出撃でTSR.2MSがタクシー(地上走行)するシーンです。
二宮このアニメって何気ないシーンで良いカットがありますよね。そういうのだと「CODE:207」の滑走路のゴミを拾うシーンも好きです。あれも飛行機を知らないと描けないシーンですから。
杉山FOD(異物吸入による機体の損傷)対策ですね。やっぱり私はダイバートに1話まるまる使った「CODE:103」が好きです。あとゼロ距離発進(ZELL)と空中発進を描いてくれたことも嬉しかった。空中発進シーンはYB-60のベアメタルのギラギラした質感を表現してもらえたのが良かったです。あれは実機映像を観た人でないとわからないポイントなので。河野さんや山内さんのように飛行機に詳しい人たちが集まって、それを赦してくれた監督のお蔭で本当に純度の高い飛行機アニメを作ってもらえました。
山内昔の話なので、どんなシーンがあったか忘れてしまいましたが、一番やりたかったのは「CODE:102」で美風たちのTSR.2MSがロケットブースターを切り離すシーンです。ブースターがなくなって推力が落ちるので、コクピットの美風たちがドーンと前につんのめるんですよ。その後にロケットモーターが噴射するので、今度はシートに押し付けられるんです。そのように飛行機の飛び方で中がどうなるかを描けたのは良かったです。ぶっちゃけ『アポロ13』(1995)にあったシーンなんですけどね(笑)。
杉山真似と言ってしまえばそれまでですが、飛行機好きならではの着眼点ですね(笑)。
岡部ところでダイバートは『戦略空軍命令』(1955)を意識したのでしょうか?
杉山あれもダイバートの映画ですが、イメージ的には『今日もわれ大空にあり』(1964)なんです。ダイバートではありませんが、嵐の中をギリギリの燃料で千歳基地に着陸するシチュエーションが。
二宮あとストラトス・ゼロの離陸時、地面を離れる際に主脚が伸びるのが好きです。なくても問題ないカットだけど、あえて入れるのが良かったですね。『サンダーバード』(1966)でも主脚のサスペンションを見せるため、主脚だけのミニチュアをわざわざ作って撮影したんですよ。そのように「分かっている人が作っている」感じが良かったです。
杉山ストラトス・ゼロの離陸ではデルタ翼ならではの滑走距離の長さも表現していましたね。機首が上がっているのに、なかなか上昇しないという(笑)。
岡部「そうそう、飛行機の離陸ってそうだよね」ってことですよね。ただ飛ばせば良いわけではない。そういう意味で『ストラトス・フォー』は日本のアニメの飛行機表現の水準を上げた作品ではないでしょうか。
杉山「アニメでもここまでは出来る」ということを提示できたとは思います。
山内ヒコーキマニアが僕しかいない現場だったら実現しなかったと思います。「こんなシーンを入れたいです」と提案しても「それに何の意味があるんですか」と絶対に言われますよ。でも『ストラトス・フォー』はスタッフが一丸となっていた。こんなアニメには二度と出会えない気がします。
杉山監督が理解してくれたのは大きいですね。普通の作品なら「それは大変だからやめよう」になりますよ。それを実現させるための工夫もしてくれた。その一つがレーダーのモニターなんです。モニターで機体の位置関係を見せることで、飛行機を描かずに何が起きているかを表現できた。そのような現場のカロリーバランスを考えてくれたのは嬉しかったですね。あのモニター表記の設定も山内さんが考えたんですよね。間違ってないように。
山内「月刊エアライン」を見ながら研究しました(笑)。
--ゲスト飛行機はどなたのリクエストですか?
杉山「CODE:205」のヴィッカースType 559は岡部さんのリクエストでしたね。
岡部「新型機を出すなら何が良い」という話が出たとき、ちょうどイギリスの計画機の本を持っていて、それに載っていたヴィッカースType 559を提案しました。そうしたら山内さんが気に入ってくださったんです。
山内一目見て「これはヒドい!」と気に入りました(笑)。
杉山なぜ計画機なのか? その中でなぜType 559を選ばれたのか? これが理解できません(笑)。
岡部だって主役機がTSR.2MSじゃないですか(笑)。
杉山実機は背中の橋箱(センサー)みたいなところにミサイルが付いてるんですよね。たしか翼面積も変えていたはず。
岡部そもそもサイズが違います。実機はTSR-2に近いサイズになる予定だったと思います。
山内空中発進させたのは杉山さんのオーダーでしたね。普通は空中発進とかやりませんよ。やりたい放題ですね(笑)。
杉山どうしても空中発進が見たかったんですよ(笑)。あとZELLも。
山内しかも、あの回って男ばかり活躍する話じゃないですか。よく企画が通りましたよね。
杉山高高度まで飛んだらフラットスピンして、墜落した機体が砂漠の向こうで爆発して、脱出した二人が陽炎の中を歩くという。これ『ライトスタッフ』やん(笑)。
山内監督があの映画大好きなんですよ。「絶対にやるぞ!」って張り切っていました(笑)。
杉山好き勝手にやったのは自分だけじゃないです(笑)。
二宮あの回って冒頭にF-86セイバーやヴァリアントも出てきましたよね。
岡部シャックルトンもいました。
杉山あとヴィクターも。あのへんの機種選択は山内さんですよね?
山内空気を読みつつ選びました(笑)。
岡部シャックルトンなんか出すから、イギリスの飛行機マニアのブログに「なぜか日本では冷戦時代のイギリス機が大人気だ」なんて書かれるんですよ。
杉山一部の間だけなのに(笑)。
岡部この界隈だけですよね(笑)。『ストラトス・フォー』はもちろん『ナジカ電撃作戦』のバルカンも紹介されていました。
山内『AIKa ZERO』では主人公機をバンパイアにしましたからね(笑)。
--唯一の架空機であるストラトス・ゼロは山内さんのデザインですが、そのデザインコンセプトをお教えください。
山内あれはXB-70ヴァルキリーを小さくして、Tu-144みたいなパーツを付けました。両機の折衷案みたいなコンセプトです。
杉山お腹はB-58ハスラーですよね。
山内そうでした。デザイン作業はプラモデルのパーツ同士をくっ付けるような感じで楽しかったです。嘘にはならないだろうと。
杉山翼断面の形が途中から変わるのが細かいですね。
岡部デルタ翼だからコニカルキャンバー(失速を防ぐために翼端前縁を曲げること)なんですよね。それを表現するアニメってないですよ(笑)。
山内ドループ前縁(揚力を増大させるための翼の曲げ)もまた飛行機の美味しいところですから(笑)。
岡部特典のミニチュアもそうなっていましたね。
山内ちゃんと二宮さんにも伝わっているんですよ。
二宮でも主翼上面にあるXB-70のような稜線の方は気付かなかったんですよ。出力された3Dデータのポリゴンが荒いだけだと思って、滑らかになるように削ってしまったんです。それを山内さんにお見せしたら「違う!」と言われ、それでXB-70と同じと気付きました。
山内こういうこだわりがセールスと結び付くとは思えませんが、やると決めたからには最後までやらないとね。
--ミニチュアと言えば2010年にAIRFIX(イギリスの模型メーカー)からTSR.2MSのプラモデルが発売されましたね。
杉山2005年に発売されたTSR-2にMS仕様のパーツを追加したものです。その通常版も日本に輸入されて、しかも即完売したんですよ。
二宮本当かどうかは知りませんが、AIRFIXはあれを1万個作り、そのうち3千個が日本に輸出されたと聞きました。
杉山ビーバーコーポレーションというAIR FIXの日本代理店の人が『ストラトス・フォー』のファンで、「これは『ストラトス・フォー』バージョンを出すべきだろう」と働きかけてくれたんです。正直、実現は無理と思っていましたが、説得に成功したんですよ。AIRFIXからアニメの飛行機が出るなんて初めての快挙ですよね。
岡部『キャプテンスカーレット』(1967)のエンジェル機は出ましたが、アニメの飛行機は初めてだと思います。
--二宮さんと岡部さんは『ストラトス・フォー』をどのような視点でご覧になっていたのでしょう。
二宮TVシリーズは一視聴者として観ていましたが、最初は自分とまったく無関係な作品だと思っていたんです。「TSR-2が隕石を落とすSFアニメ」としか聞いていなかったので、『謎の円盤UFO』(1970)のようなハードな作品だと思っていました。ところが第1話を見たらミニチャイナ着た女の子が出前をしている(笑)。それで「TSR-2は出ているけど、これは別のアニメだろうな」と思い込んでいたんです。
杉山世の中的にTSR-2を主役機にしたアニメが同時期に作られるとは考えにくいでしょう(笑)。
二宮そう思ったので見続けました(笑)。「やっぱこれだったんだ!」気付いたのはダイバートの回です。以降のOVAシリーズからは作品に関わるようになったので客観視はできなくなりました。
--岡部さんはどのような視点でご覧になっていたのでしょう?
岡部僕はTVシリーズの制作には関わっていませんが、妙な当事者意識が芽生えていたんですよ。「TSR-2の活躍を見届けなければ」という思いで観ていました。まぁアニメらしい無茶はしていましたよね。操縦席がバイク乗りだし、ZELLだし……でもZELLを補うためロケットブースターを付けていたじゃないですか。ちゃんと推力中心線を考えているし。無茶にちゃんと理屈を付けてくれるのは嬉しかったですね。最大のツッコミどころであるバイク乗りも、女の子が可愛いので許しました(笑)。
ここまで作画に気合を入れた作品は後にも先にもないと思います。(山内)
--山内さんは現場側としてどのような思いで作品に向かわれていたのでしょう。飛行機愛に満ち溢れた作品ゆえに作業は大変だったのではありませんか?
山内かなり時間をかけてやっていましたし、途中で体調を崩したくらい仕事しましたね。ここまで作画に気合を入れた作品は後にも先にもないと思います。当時も「ここまで飛行機を表現できる機会は今後ないだろう」と思って、出し惜しみなしで全力全開で描き続けていました。岡部さんが仰っていたアニメならではの無茶も、お客さんと同じ視点で自分でもツッコミながら描いていました(笑)。ツッコまれそうなところは逃げずに対応しましたが、「アレを許してくれるならコレも許してくれるだろう」という判断で嘘をついたところもあります。そのバランスには頭を使いました。
岡部ご自身もヒコーキマニアだからファンから突っ込まれるポイントは分かる訳ですね(笑)。
山内ただ製造工程や強度は僕も分からないので、そのへんに関しては無視しました(笑)。一番目をつぶらなきゃならない部分は、「TSR-2が高高度を飛ぶ機体ではない」ってところですね(笑)。
杉山超音速戦術攻撃偵察機ですからね(笑)。
山内あの小さい翼を見ろ!ってね(笑)。そういうツッコミどころがあったのも楽しんでもらえたわけじゃないですか。
岡部僕が好きなツッコミどころはYak-28が練習機として使われていることです。TSR.2MS同様に腹ばいのバイク操縦なのは良しとして、着陸脚が他の飛行機と違ってタンデム式なんですよ。それで離着陸の練習するのは変でしょう(笑)。あとエンジンポッドが離れているから、TSR-2とは片発停止時の挙動が全く違うハズですからね。
杉山機種選択をした山内さん、何か反論は?
山内仰る通りです(笑)。
岡部でもYak-28を出してくれたおかげで、特殊なキャノピーの構造が分かりました。
杉山Yak-28といえば航空祭(CODE:108)でアクロバットをするじゃないですか。最初は機体後部からスモークが出ていたんですよ。それをエンジンポッドから出るようにリテイクしてもらいました。アクロのスモークってエンジンの排気熱で気化したスピンドルオイルなのでエンジン後方から出ないと変なんですよ。
岡部Yak-28にアクロさせるのも無茶ですよね。あんなキツい後退翼で、エンジンだって大したことない推力だし。
--最後にファンに向けてメッセージをお願いします。
二宮飛行機の旋回シーンだけでも見る価値のある作品です。飛行機がどう旋回するのかを確かめてください。ちょっと重たい話になりますが、杉山さんにお会いしたのが以前勤めていた会社を辞めた直後で、フリーとしてどうやって仕事をすべきか悩んでいた時期だったんです。だから『ストラトス・フォー』は僕にとって人生を変えてくれた作品でもあるんです。
杉山じゃ私、恩人じゃないですか(笑)。
二宮そうですよ。でもダジャレ癖は勘弁してください。自分にも感染して周囲にウザがられるようになりました(笑)。
岡部アニメに関わらせていただいたのは『青の6号』の文芸設定が最初でしたが、このような形で関わったのは『ストラトス・フォー』が初めてでしたね。以降、同じような仕事もいただくようになりました。「人生が変わった」ほどではありませんが、このように飛行機が格好良くなおかつ正しく描かれる作品に関れたのは幸せでした。この作品は飛行機アニメの一つの水準点だと思います。20年前に、こんな高水準の飛行機アニメが作られたことを知ってほしいので、これを機にぜひご覧になってください。普通に面白いし格好良いんですよ。
杉山お陰様でTVシリーズとOVAで3年続きました。その3年間は飛行機の事だけを考えて生きていけた幸福な時間でした。9月に『ストラトス・フォー』全シリーズの見放題配信を始めたのですが、多くの方から高評価をいただいています。お陰様で今の時代でも通じる作品であることを認識できました。
山内飛行機が大活躍するアニメですが、ちゃんとドラマもあります。登場人物それぞれに。いさかいがあって、和解があって、人に言えない悩みを抱えている。そんなドラマが飛行機とリンクしています。僕ら飛行機軍団は飛行機を描いていただけですが、脚本家を始めとするドラマ軍団が膨らませてくれました。やはりドラマがあるから飛行機が格好良く見えるんですよ。僕自身も「やはりアニメはお話だな」ということを教えていただきました。本当に良く出来たアニメだと思います。
PROFILE
山内則康(やまうち・のりやす)
北海道出身。スタジオ・ライブ所属のアニメーター。尻と脚線美を意識した作画表現に定評があり、軍用機や銃器などのメカニックにも造詣が深い。『ストラトス・フォー』シリーズではその双方をいかんなく発揮している。代表作は『アイドル伝説えり子』、『女神天国』、『AIKa』シリーズ、『ナジカ電撃作戦』など。また「月刊ホビージャパン」にてイラストコラム『トビモノ・ミュージアム2号館』を連載中。
PROFILE
岡部いさく(おかべ・いさく)
埼玉県出身の軍事評論家。航空雑誌「エアワールド」や艦艇雑誌「シーパワー」を経て現在はフリーで活躍。作家やイラストレーターとしても活動し、岡部ださく名義で「月刊モデルグラフィックス」誌上で『世界の駄っ作機』シリーズを執筆。著書に「世界の駄っ作機」、「クルマが先か? ヒコーキが先か?」など。本作以外にも『青の6号』と『機動戦士ガンダム00』に設定協力として参加している。
PROFILE
二宮茂幸(にのみや・しげゆき)
造形会社で建築模型や特撮用ミニチュア、CG製作に携わり、平成ゴジラ、ガメラ、ウルトラマンシリーズなどの作品でミニチュアを製作。現在はフリーで活躍し、『ストラトス・フォー』などのアニメ作品の作画参考用模型や3Dモデリングなどを手掛ける。主な参加作品は『クロムクロ』(軍事監修)、『荒野のコトブキ飛行隊』(ミリタリー監修)、『劇場版 SHIROBAKO』(戦闘機監修)など。
PROFILE
杉山潔(すぎやま・きよし)
バンダイナムコフィルムワークス所属。航空やミリタリーに造詣が深い映像プロデューサー。代表作は『戦闘妖精雪風』、『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』、『AIKa R-16:VIRGIN MISSION』、『AIKa ZERO』、『青の6号』、『Spirit of Wonder』、『ガールズ&パンツァー』など。また軍事ドキュメントDVD『AIR BASE SERIES』、『FLEET POWER』シリーズにも携わる。
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▼ストラトス・フォー 公式サイト
https://www.stratos4.jp/
▼商品サイト
https://v-storage.jp/sp-site/stratos4/
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