『しんちゃん通信』 スペシャルインタビュー「風間くん役 真柴摩利」
今回登場するのは、カスカベ防衛隊の知性派、風間くん! 『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~』でも、カスカベ防衛隊のみんなと一緒に修行に励みました。しんのすけといつもケンカしているようで、実は厚い友情で結ばれている風間くんのことを風間くん役の真柴摩利さんにじっくりお伺いしました。
「暴力は嫌いだ」なんて言ってました(笑)
──『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~』の台本をご覧になったときの感想はいかがでしたでしょうか?
最初は「あ、カンフーものなんだ」と思ったのですが、カンフーの知識がまったくなかったので、ちょっとプロレスや格闘技もののようなイメージだったんです。でも、台本を読んだら「ぷにぷに拳」とかが出てきて、「『しんちゃん』らしいカンフーものになっているんだな、面白いな」と思いました。
──劇中でも風間くんはカンフーのことを何もわかってなかったですね(笑)。
「暴力は嫌いだ」なんて言ってました(笑)。最初は私もまさにそういう感じでしたね。
──風間くんをはじめとするカスカベ防衛隊の見せ場が多い作品でしたが、演じられて印象に残ったシーンがありましたら教えてください。
早口言葉のシーンです(笑)。台本には風間くんが合格すると書いてありましたが、「えーっ、絶対言えない!」って(笑)。「東京特許許可局」がもともと苦手なのに、さらに「許可局長」がついているんですよ! 家で100回は練習しましたね(笑)。テストではトチってしまったのですが、本番は一発OK。練習したかいがありました。
──さすがです! それでこそ風間くんですね。
(マサオくん役の)一龍斎貞友さんは「簡単すぎて間違えられない!」と言ってました(笑)。ボーちゃん役の佐藤智恵さんは「ゆっくりだからよかった」と言ってましたね。
──風間くんのシーン以外で印象に残ったシーンはいかがでしょう?
マサオくんのカッコよさが印象的でしたね。最初はカンフー映画のヒーローのような存在になりたくて頑張っていたのに、そうなれなかったんですよね。でも、地道なことをコツコツやるのもヒーローなんだと思うので、「今回はマサオくん、素敵だなぁ」と思いました。風間くんも素直に「カッコいい」と言ってましたからね。
──作品自体をご覧になったときの感想はいかがでしたでしょう?
とっても良い作品でしたね。正義って不変なものではなく、どんどん変わっていくものなのだと思いました。だからこそ、ぷにぷに拳で心も体も柔らかくしておく必要があるんじゃないかな。「私の正義は正しくて、あなたの正義は間違っている」ということではなく、「あ、あなたの正義はそうなんですね」と柔らかく受け止めて、変化していく。大人はちょっと考えさせられるし、子どもは子どもで楽しめる。とても素敵な映画になったと思います。
収録では「5人で演技する」ことを心がけていた
──収録に際して心がけていたことはありましたか?
カスカベ防衛隊のチームワークですね。今回は5人が揃って何かをするシーンが多かったんですよ。「カスカベ防衛隊、アイヤー!」という掛け声ひとつにしても、5人がそれぞれ違う解釈をすることもありますので、みんなで少し話し合ったり、監督に相談したりしましたね。いつもの作品より「5人で演技する」ということを自然にみんな心がけていたと思います。
──カスカベ防衛隊としてみなさん長年演じてこられましたが、チームワークの良さの秘訣は何でしょう?
みんな、いい意味で干渉しないんですよ。「ここはこう演じてくれない?」と相手に言うような人がもともといないんです。長い年月やってきてますので、お互いを認めあってますし、細かいことは何も言わないですね。年齢も近いですし、お風呂に入っているようないい具合です(笑)。
──真柴さんから見たカスカベ防衛隊のみんなの魅力を教えてください。
みんなそれぞれ欠点もあるけど、今回、風間くんがセリフで言っているように「防衛隊はやめられても、友達はやめられない」んですよ。お互いをそうやって見ているんだろうな、と。疲れるところもあるけど、嫌いじゃないんですよね。
──では、真柴さんがお好きな劇場版を教えていただけますか?
風間くん目線で考えると、『オラの引越し物語 サボテン大襲撃』ですね。エンディングのタイトルロールが終わった後のシーンは、実は台本に書かれていなかったんですよ。収録当日に追加シーンのセリフが書かれた紙をもらって、「こんなシーンがあるんだ!」と驚いたんです。だから収録の最後まで、まったく気が抜けなかったですね。
紙をもらったのは私とあっこちゃん(矢島晶子さん)だけだったので、私たちのテストの様子を見た藤原(啓治)くんが「知らなーい!」と大声を出したのが面白かった(笑)。最後の決め手がカスカベ防衛隊のバッジだったのも良かったですね。一緒にいないのに、ずっと一緒に戦っているようで、とても素敵でした。
もう一つ、風間くん目線でいえば、『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』。風間くんが保安官になった作品ですね。いつもと違う風間くんを演じるのが、ちょっと大変でしたね。演出の水島(努)さんは「声が違ってもいい」とおっしゃっていました。あの風間くんは、記憶は残っていたけど、悪ぶることで西部の街で生き抜こうとしていたんじゃないかな。そんな気がします。
最後はやっぱり『爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~』で。カスカベ防衛隊がみんなで力をあわせてピンチを乗り切るわけですからね。
──最後にファンの方にメッセージをお願いします。
「再見(ツァイツェン)」ですね! ずっと愛してください。そして、次の映画でまた「再見」しましょう!
PROFILE
真柴摩利(ましばまり)
11月21日生まれ、群馬県出身。ぷろだくしょんバオバブ所属。少年役などを中心に活躍中。代表作に『ザ・シンプソンズ』ロッド・フランダース役、ラルフ・ウィガム役、『おそ松くん』ハタ坊役、カラ松役、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』シーマ・ガラハウ役、『21エモン』リゲル役などがある。
<Blu-ray&DVD情報>
映画 クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~
2018年11月9日発売
Blu-ray:¥4,800(税抜)/ DVD:¥3,800(税抜)
映画 クレヨンしんちゃん 公式サイト
バンダイナムコアーツ 『クレヨンしんちゃん』Blu-ray&DVDサイト
映画 クレヨンしんちゃんシリーズ 特集サイト 「しんちゃん通信」
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2018