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TVアニメ第2期『ブルーロック VS. U-20 JAPAN』浦 和希(潔 世一役)×海渡 翼(蜂楽 廻役)インタビュー全文掲載

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“ブルーロック(青い監獄)”のメンバーとU-20日本代表との激戦が繰り広げられる、テレビアニメ第2期『ブルーロック VS. U-20 JAPAN』。そのBlu-ray第2巻(全2巻)が5月28日(水)にいよいよ発売! それを記念して、主人公・潔 世一役の浦 和希さん、その相棒・蜂楽 廻役の海渡 翼さんの対談をお届けする。アフレコ現場の裏話や、Blu-rayを観るときに注目してほしいポイントなどをたっぷり語ってもらった。

──潔、蜂楽ともにアニメ第1期で大きな成長を遂げましたが、ご自身が演じるキャラクターの印象やお芝居の取り組み方について、第1期と第2期で変化はありましたか?

成長した姿を見せなきゃいけないという気持ちはすごくありましたが、それと同時に潔という人間の軸は絶対にぶれちゃいけないとも思っていましたね。それに、成長したとはいっても、第1期の最終話の潔と繋がっていないといけないなと。急にお芝居を変えてしまうと「誰?」となるので(笑)。

海渡第1期の直後から始まるからね。

そうそう。だから、あくまで地続きの潔として、これまでの経験を糧にして新しい物事に取り組むときの姿勢や、メンタルが変わったという意識でお芝居を変化させていきました。でも、第2期では烏や乙夜など、“ブルーロック(青い監獄)”内で今まで戦ってこなかった強敵たちと対峙するので、新しい壁にぶちあたる新鮮さというのも感じていましたね。

──浦さんから「地続き」という言葉が出ましたが、アフレコ収録は第1期から間隔が空いたと思います。第2期のアフレコに入って、すぐに感覚は取り戻せたんでしょうか?

それは不思議と大丈夫でしたね。たぶん第1期が終わった後も、いろんなコラボや、ゲームの収録など、ずっと潔を演じる機会があったおかげだと思います。ただ第1期のときはまだコロナ禍で、スタジオに最大4人までという状態での分散収録だったんです。だから第2期はいきなりスタジオに人がいっぱいいて、ちょっと緊張しました(笑)。

海渡アフレコの雰囲気が全然違ったよね(笑)。

新しいキャラクターが増えたのはもちろん、解説や実況など大人のキャラクターも増えたので、大先輩たちに見守られながら芝居するのは、また違った緊張感がありました。蜂楽についてはどうだった?

海渡僕も第1期から時間が経ったことへの違和感はまったくなかったです。浦さんが言ったように、いろんなところで蜂楽を演じる機会があったのが大きいのかな。ただ、蜂楽は主人公の潔と違って、活躍したと思ったらしばらく出番がなかったりして、その間を自分で想像して繋いでいく必要があるので、難しかったです。しかも、成長スピードが早すぎるんですよ。それに追いつくのが大変で、実は焦りや不安があったんです。第1期で覚醒して、第2期はその状態で始まるんですが、物語は潔の視点なので蜂楽は登場しないシーンがたくさんある。そこを僕は演じていないので、急に強くなって出てきたように感じてしまうというか……。そういう意味で、蜂楽の強さを出していくのは、大変な部分もありましたね。

──アフレコで印象的だったディレクションはありますか?

特定のシーンやセリフの話じゃないんですが、第1期を踏襲しつつ、新しい『ブルーロック』を生み出そうとしている感覚が、ディレクションからも伝わってきたのが印象的でした。僕らに直接言葉を届けてくれるのは音響監督の郷 (文裕貴)さんなんですが、収録のたびにアフレコ資料の中に監督からのメモが入っていたんです。「このシーンはこういう意図で作っているので、こういうお芝居が欲しいです」というふうに、ロジックで説明してくれたんですね。他の作品で、監督から事前に細かく「こういう方向性にしたい」といったメモをいただいたことはなかったので、すごく印象に残っています。ある種の監督のエゴみたいなものが詰まっていて、それに応えたいという気持ちが強くなりましたね。

海渡本当に事細かに書かれていたからね。実際に収録してみたら、予想外のすごくいい化学反応が起きることもあるので、いろいろ試行錯誤されていた気がします。

役者として今まで潔のキャラクター作りに関わってきたので「想像の範囲内」では終わりたくない気持ちが強くて、敢えてメモの事は忘れてやったりもしましたね。

海渡それはチャレンジしてるってことかもしれないね。

──なるほど、浦さんとしては「こういうチャレンジをしても監督を納得させられるか」といった気持ちがあるんですね。

そうなんです。「こうしかできません!」とか「やりたくないです!」ということじゃなく、監督が目指す方向性を意識したうえで、「こういうエッセンスをプラスしてもいいんじゃないかな?」とやってみて、判断してもらうんです。それが採用されたり、されなかったりするという(笑)。

海渡そういったトライ&エラーで、何度も修正していった気がしますね。とくに『ブルーロック』の現場は、監督の意図にプラスして自分が思い描くものを提示される先輩方しかいないので(笑)。みんなで集まって収録できるようになったことで、掛け合いから生まれるお芝居やキャラクターのよさが、より出たんじゃないかな。だから、監督のイメージの先にあるものが生まれていたと思います。

監督のメモという道しるべがあったので、自信をもっていろんなチャレンジができて、細かい部分までしっかりと考えながら進めたと思います。

──それでは、潔と蜂楽について詳しく聞かせてください。全員がナンバー1を目指し、時にはチーム内でもボールを奪うような“ブルーロック(青い監獄)”で相棒とも呼べる関係の潔と蜂楽ですが、浦さんから見た蜂楽、海渡さんから見た潔の魅力はどんなところでしょうか?

自由、獣(笑)。あれだけ自由でいられるのは、すごく羨ましく感じますね。しかも彼の場合、他人をリスペクトする心をちゃんと持っているんですよ。いろんな人に自分から話しに行くこともできるし、実はコミュニケーション能力が高いんだと思います。そのうえで、自由な発想がプレーにも表れているので、普通にサッカースクールで習っているだけでは出てこない才能だなって。「いいなー。天才で羨ましいなー!」といつも思います。

海渡あの“ブルーロック(青い監獄)”という環境だからこそ、生まれた〝かいぶつ〟かもしれない。

そうだね。自分にもあのエッセンスが欲しいなって思っています。

海渡本当に? 浦さんこそ、自由な感じがしますけど(笑)。僕からすると、最近の潔は……怖いです。第1期のころは試合のたびに何か1つ学ぶという感じで、成長スピードがまだ緩やかだったと思うんです。何か壁にぶつかったときに、自分には何ができるかを考えて次の試合に生かすというのは、まだ理解できます。でもU-20日本代表との試合では、成長が爆速すぎて、今まで右肩上がりに上昇していたグラフが、突然垂直になったみたい(笑)。これがたった1試合の中で起こっているということに、もはや恐怖さえ感じるんです。これまでは潔のことを共感しやすい、温かな雰囲気があるキャラクターだと感じていたんですが、最近は単純に怖い(笑)。潔こそ、恐ろしい怪物になり始めていると思います。もちろんそれだけの伸びしろがあったから、“ブルーロック(青い監獄)”という環境に適応して、ものすごい成長を遂げているんでしょうけど。

──「俺が日本をU-20W杯で優勝させます」と宣言するまでになりましたね。

あの劇的なゴールを生みましたから! あそこでそう言えるメンタルもすごい。

海渡強くなったよね。すごいよ。今まで僕が観てきたいろんな主人公の中でも、もっとも我が強いというか、意志が強い。

しかも口だけじゃないのがいいよね。

海渡行動でちゃんと示すからね。それを言えるだけの行動をしてから、口に出す。そこも尊敬できる部分だなと思います。

──ちなみに、試合には潔と蜂楽の家族も応援に来ていましたが、潔の両親はすごくおっとりした雰囲気ですよね。

確かに、ちょっと意外かもしれない。

海渡きっと、“ブルーロック(青い監獄)”が変えたんじゃない? 潔の中に眠っていたものを引きずり出した。もしかしたら、潔の両親もああいう特殊な環境だったら、潔みたいになっていたかもしれない(笑)。

なにそれ(笑)。

海渡そういう種はもともとあって、特殊な環境に適応したことで、芽吹き方が親とは違ったんじゃないかなって(笑)。

逆に言えば、ああいう穏やかな両親だからこそ、潔はおっとりした人たちともうまくやれるというか、気づかいができる性格で、繊細な面がちゃんと育まれたのかなとも思いますね。

──U-20日本代表との試合ではいろいろなキャラクターが活躍しましたが、ご自身が演じたキャラクター以外で注目のキャラクターを教えてください。

みんなMVPみたいなものですけど……僕は正直、我牙丸が誰よりも化け物だと思ってるんですよ(笑)。

海渡確かに。ゴールキーパーの練習なんて全然していないもんね。

本当にそう! それなのにとんでもないセーブを決めまくっているし、「鯱(シャチホコ)」なんて、ふざけてるように見えるのに、ちゃんとボールを止めていて。

海渡身体能力おばけだよね。

“ブルーロック(青い監獄)”の理念とは反している存在かもしれないんですが、「ストライカーじゃなくても生きる道はある」というのを体現しているキャラクターだと思うんですよ。そういう意味では、ディフェンダーに面白さを感じ始めている二子もなんですけど。『ブルーロック』は潔たちが世界一のストライカーを目指す作品ですが、実はそれ以外のポジションの大切さも描かれている作品なんじゃないかなと感じるんです。だって、金城先生はとにかくサッカーが大好きだから。ストライカーだけじゃ、サッカーはできないですよね。だからストライカーを描きつつ、「他のポジションをおろそかにしていいという意味じゃない」ということも同時に伝えているんじゃないかなって。そういう意味で、我牙丸や二子の活躍は、縁の下の力持ちとして注目してもらえたらうれしいなと思います。


──そういう視点で観ると新たな発見がありますね。海渡さんはいかがでしょう?

海渡選ぶのが本当に難しいんですが……1人選ぶとしたらどうしても潔になってしまいますね。今までの潔は、どちらかと言えば俯瞰して盤面を見て人に指示を出したり、周りを動かすタイプだったと思うんです。でも彼は誰よりもエゴイストなので、ゴールという最終目標を常に忘れない。今まで培ってきた結果を、あの大舞台で最後に出せる勝負強さというのは本当にすごいなと感じました。みんながいてこそ最後に自分が決められたということもわかっているから、インタビューで最初は「俺たち」という言葉が出たんでしょうが、そこから自分がやるんだと思いなおして「俺が日本をU-20 W杯で優勝させます」と決意表明をしたときは、ゾワッとしましたね。

え、うれしい! 潔だって言われると思わなかった。

海渡フラットな気持ちで第2期を観てみたときの感想が「やっぱり潔ってすごいんだな」だったんだよね。もちろん冴や愛空もすごい。でも試合の最初から最後まで、これだけ頭をフル回転させて、どうやって点に絡むかを貪欲に考え続けている人はなかなかいないんじゃないかな。

やっぱり潔がナンバー1です!

海渡あなたが言うのね(笑)。

──ちなみに、潔と蜂楽以外に好きなコンビや、今後の活躍を期待するコンビはいますか?

海渡U-20日本代表の閃堂と愛空ですね。日本代表チームのキャプテンの愛空が、エースの閃堂を鼓舞して支えるという関係性は、“ブルーロック(青い監獄)”側にはないものじゃないですか。すでに活躍していて、日本代表に選ばれたから、背負っているものの重みが違うと思うんですよ。だからあの2人のやり取りをもっと見たいです。浦さんは?

うーん……千切と蟻生のロッカーでの会話をもっと知りたいかな。絶対にトリートメントとか、髪の毛の手入れの話をしてるじゃないですか(笑)。サッカーから離れた、日常が見えるようなやり取りもいいなって。

──“ブルーロック(青い監獄)”内でも、まだあまり絡んでいないキャラクターの組み合わせがたくさんありそうですね。

そうなんですよ。例えば二子は、他のキャラクターと全然絡んでいない。だいたい潔に突っかかっているところばかりなので(笑)。斬鉄との会話は「あでぃしょなる・たいむ!」で描かれましたが、他のキャラクターとのやり取りも気になりますね。

──アフレコ現場での印象的なエピソードについても教えてください。

第1期のときは人数が少なかったから、「あでぃしょなる・たいむ!」の収録などは第2期になって、みんなでバカやってる感がすごくありましたね。

海渡本当に男子高校生の集まりみたいというか、アットホームな雰囲気があって。くだらないことに対しても、温かくみんなで盛り上がれる雰囲気がうれしかったし。

よく覚えているのは、梶原(岳人)さん演じる狐里が蜂楽と対峙するシーン(32話)ですね。「ぶんぶん蜂さん」というセリフがあったんですけど、最初は「ぶんぶん、蜂さん♪」と、リズミカルに童謡みたいな感じで言っていて、ちょっとかわいかったです(笑)。

海渡言われてる僕はすんなり受け入れちゃってて、気づかなかった(笑)。

梶原さんは歌が上手いから、ミュージカルでも始まるのかなって(笑)。それから「あでぃしょなる・たいむ!」の収録でとくに笑ったのが、「凡でも鑑定団」の回。雷市が司会で烏が鑑定士なんですが、勢いあまって雷市役の松岡(禎丞)さんが烏のことを「鳥さん」って呼んでいて(笑)。

海渡烏と鳥で、漢字の横棒が増えちゃったんだ(笑)。まあ、見間違える気持ちもわかる。

『ブルーロック』の現場は、勢いや熱量をすごく大事にするので、盛り上がりすぎて漢字が読めなくなる人が続出するという……(笑)。

海渡温かい雰囲気で思わず笑っちゃうこともある一方で、いざ試合などの収録に入ると緊張感がすごかったです。第1期の人数が少ない収録のときは、自分の世界に入り込みやすかったんです。それに比べて第2期は掛け合う相手がいる中で、今までできなかったことをやれる楽しさや、先輩方の姿勢を見て「何でもチャレンジしてみる」という学びが得られたことが大きかったですね。毎回楽しみに思いながら、アフレコに臨んでいました。

──最後に、Blu-rayの発売を楽しみにされているファンのみなさんへメッセージをお願いします。

海渡すでに何回も観てくださっている方も多いと思うんですが、繰り返し観ても飽きないのが『ブルーロック』だと思います。フォーカスを当てる人物を変えるたびに、違う楽しみがきっとあります。主人公は潔ですが、「このキャラクターはこんなことを考えているのかも」と、毎回いろんなキャラに注目してBlu-rayをたくさん観ていただけたらうれしいです。

そうですね! 『ブルーロック』って、実は最高に面白くて……。

海渡実は、ね(笑)。

みなさん面白いのは十分わかっていると思うんですが、僕としてまだまだ知られていない面白さがあるんじゃないかとも感じるんですよ。なぜかと言うと、原作の先生たちはものすごく緻密に計算されていて、細かな描写にもしっかり意味合いを持たせているんです。だから、「なぜ最後に凛が冴に勝てたのか」「なぜ潔があそこに走り出すことができたのか」といったふうに考えながら、いろんなシーンを深掘りしてもらえたら、アニメに関わる人間としてうれしいですし、より楽しんでもらえると思います。ぜひ『ブルーロック』の面白さを、味わい尽くしてください。

PROFILE

浦 和希(うら かずき)
10月18日生まれ。大阪府出身。『ブルーロック』潔世一役で初主演。出演作は『どうせ、恋してしまうんだ。』羽沢輝月役、『多数欠』一之瀬龍太役など。

PROFILE

海渡 翼(かいと たすく)
9月15日生まれ。京都府出身。出演作は『あんさんぶるスターズ!!』桜河こはく役、『ハーフヒーロー』モー役など。

 

<発売情報>
TVアニメ『ブルーロック VS. U-20 JAPAN』2巻
2025年5月28日発売



Blu-ray(初回限定生産)【A-on STORE限定版】:¥22,000(税込)

Blu-ray(特装限定版)¥19,800(税込)

 

TVアニメ『ブルーロック』公式サイト

TVアニメ『ブルーロック』 公式X

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