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TVアニメ『魔神創造伝ワタル』市川蒼(ショウ役)×土岐隼一(マイガー役)スペシャルインタビュー後編
『魔神英雄伝ワタル』TVシリーズから35年、新世代へ贈る「ワタル」シリーズとして放送された『魔神創造伝ワタル』。そのBlu-ray BOX 第1巻(全3巻)が好評発売中! 発売を記念して、ショウ役の市川蒼さん、マイガー役の土岐隼一さんのスペシャルインタビューをお届け!
後編では、改めて作品のみどころや、ワタル・カケルのキャラクターの魅力についてたっぷりと語ってもらった。
インタビュー前編はこちら
──なるほど。ワタルのお話も出たところで。市川さんはワタルについてはいかがですか?
市川底抜けに明るくて、人を引っ張っていく力がすごく強い子。ワタルがいないとカケルは成り立たないし、その逆も然り。なんか、双方にうまいように作用していくキャラクターだなと思っています。ワタルの良さは最初から人を信じるベースがあるところ。疑うことを知らないというか、仮に何かトラブルがあったとしても、なんか説得できるだけの、人の心を動かす力を持っているところが印象としてすごく大きくて。素直で、嫌味がないし、揺らがない強い心がある。実は僕自身、「ワタル」シリーズに触れるのは本作が初めて。本作を通して「ワタル」という作品を観る、というよりも体感することになったのですが、代々続いてきた歴史、支持される理由がすごく分かる主人公だと思いました。
──「ワタル」シリーズの大ファンである土岐さんから見た今回のワタルはいかがでしたか?
土岐どの時代にもワタルのような子っていると思うのですが、今回のワタルにはそれを特に強く感じました。今までのワタルを踏襲しつつも、僕が観てきたワタルとは違っていて…。
市川へーーー!
土岐子どもの頃、(『英雄伝』の)ワタルに対して「どうしてこの子の言葉はまっすぐに届くんだろう」って思うことがあって。よく、主人公然としているキャラクターに対して、「そんな人間いないよ!」みたいに言ったりするじゃない?
市川ありますね。
土岐でも「いるじゃん!」って思わない?
市川アハハハ。
土岐脳と口が直結していて、嘘偽りがない、慮りがないなって子いますよね。大人になってからも実はいたりするけれど(笑)。そのタイプのど真ん中の子がまさにワタル。どの時代にもある“ワタル”という人間性は、若干の変化はあるけれど、いるからこそ今の子達にも刺さるのだと思うんです。実際、今回の『創造伝』が放映されるまでは「みんなに観てもらえるかな?」とかって思ったりもしていました。
市川なるほど。
土岐でも、みんな観てくれて。子どもだけでなく大人にも刺さっている。お父さん、お母さん目線で見る「こういう子、いるよね」みたいなところを楽しんでもらえた気がします。
市川いろいろな方向からの「ワタル」シリーズの楽しみ方があって面白いです!
土岐カケルみたいな子が増えてきたからこそ、「こういう子もいるよね」と大人たちも思うんじゃないかな。ワタルもカケルもそれぞれに共感できるキャラになっているんじゃないかなって思います。
市川見え方は、年代によっても変わってきますよね。子どもの頃に見ていた主人公と大人になってから見る主人公では、感じ方も違うし、大人だからこそ俯瞰して、例えば子どもの強引さやまっすぐさが見えたりもする。これって僕は表裏一体だと思っていて。自己中心的なマイナスのイメージを持つ場合もあれば、強引さでみんなを巻き込んでいい方向に進んでいくようなプラスに見える時もある。『魔神創造伝ワタル』を観ている子どもたちが大人になった時に、主人公に対してどう思うのか、何を感じるのかも気になりますね。
土岐そういう感想って聞きたいよね。ちなみに蒼くんはワタルタイプだった? カケルタイプだった? 絶対カケルだよね?
市川え? 絶対なの(笑)?
──途中からタイプが変わるパターンもありますよね。
土岐僕は最初ワタルタイプだったかもしれない。
市川みんなを巻き込んでいくみたいな?
土岐巻き込んでいくチームの真ん中にいたかも。
市川いつから完全にカケルに移行したんですか?
土岐え? 僕、今、カケルかな?
──ワタルを脱した時期はいつ頃か覚えていますか?
土岐僕以上にワタルっぽいヤツに出会った時!
市川主人公っぽいヤツ、出てきちゃいましたか。
土岐保育園、小学校、中学校って進んでいく中で、「オレより主人公がいる!」みたいなのなかった?
市川ありますね。分かります。
土岐そうなった時、喧嘩をするわけじゃないけれど、主人公がいるなら、僕は別のところで…みたいになってどんどんニヒルになっていく(笑)。
市川闇落ちした世界線のカケル(笑)!
土岐そうかもしれない。
──ポジション替えとかではなく闇落ちという表現で大丈夫ですか(笑)?
土岐親に言わせれば、小学校の時に、ひとしきり闇落ちしたことになっているので大丈夫です(笑)。
市川誰しもワタルだった時期があると思うんです。
土岐あるね。
市川それはやっぱり自我の芽生えだったりもするし、大体環境が作用することが多いのかな。土岐さんが言っていたように、保育園、小学校、中学校…と環境が変わって人格というか性格がそれぞれの道に分かれていく。道が分かれているだけで、みんなワタルだった時期がある。僕自身、明確にそうだった時期はあまり覚えていないけれど、間違いなくワタルだったと確信できる時期はみんなそれぞれにあると思います。だからこそ、惹かれるのかもしれないです。あの頃の自分に重ねたり、今の自分にワタルのようなところが残っているのかと探したり。
土岐そう思うとカケルってすごくない?この頃からもうそのタイプなんだもんね。
市川彼もまた主人公だし。
土岐引っ張ってもらいたいタイプと助けてあげたいタイプ。今回はその2パターンの主人公がいるシリーズになっているんだなぁ…。
──贅沢ですよね。
土岐&市川確かに!
──ストーリー展開の魅力についても伺いたいです。最終話に向けて盛り上がってきたところでギャグ回になったり…と塩梅がたまらないなと思うのですが、いかがでしたか?
市川僕は常にショウの出番を気にしていました。「どうなっちゃうの?」って。なので、ショウが不穏な空気を醸し出し始めてから、毎回アフレコ現場で(監督に)「ショウって消えますか?」って訊いてたくらい(笑)。
土岐毎回ね(笑)。
市川監督にははぐらかされるし、本当にドキドキでした。
土岐僕はそんな蒼くんを見ながら「不安だろうな」と思いつつ、王道オブ王道のど真ん中を歩ける気持ちよさを満喫していた感じです。だって、ショウとマイガーが敵になってカケルがしょぼんってなっているけれど立ち直って…みたいなところも含めて、いちオタクとして言わせていただくのであれば、「サンライズ展開!」というのが根底にあったから。途中で魔神の武器が折れたり、強くなって帰ってきたり…。
市川敵側になったらカラーリングが変わったりとか?
土岐そうそう。そうやってそれぞれが強くなって…という。さらにオタクとして言わせてもらえるならば! いわゆるおもちゃ業界(ロボットアニメ)の王道ストーリーを知り尽くしているからこそ、僕のようなオタクは展開を予想するわけです。だからこそショウは一回消えるっていうのも想像できたし。
市川消さないで〜!!
土岐でも、展開的にショウとマイガーのどちらかは消えると思ったから。
市川なるほどね。
土岐でも、王道として終わるのであればショウがこのままいなくなるわけはない、というのも分かっているから。
市川おー、なるほど!
土岐「ワタル」シリーズは、100人の人が観たら、その100人がすべて「あー、面白かった!」と笑顔で終われる作品じゃなきゃいけない。だからショウの展開が読めたというのもある!
──すばらしい分析です!
市川確信があったのか。
土岐そう!
市川僕はもう出ないかもしれないって心が揺らいでいたのに、どっしりとしていたのか…。
土岐エンディングでカケルとショウとマイガーが3人でまた冒険している画が浮かんだからね。
市川すごいなぁ。
土岐エビデンスがあったからこそ、絶対ショウは戻ってくると確信していたから、僕はずっと楽しかったし、気持ちよく終われてよかったと思いました。
市川3人が仲直りした後の感じも描いて欲しいなぁ。せめてドラマCDとか!
土岐僕が予想するに…。
市川エビデンス、ありますか?
土岐プラモデルのハイグレードモデルが出た時に、小冊子がついてその見開きにショートノベルで3人のその後が描かれる展開。
市川細かい!
土岐公式でやらなかったら、その小冊子を僕たちが朗読してSNSにアップしちゃおう!
市川アハハハ、それもいいかも!
──Blu-ray BOXが6月より順次発売となります。おすすめの鑑賞法や、見どころ、個人的おすすめポイントなどを教えてください。
市川ゲストキャラがすごく豪華なので、ベテランの方たちによる遊びのある楽しいお芝居を堪能していただきたいです。何度でも楽しめると思います。東地(宏樹)さんの厚目ニクとか(笑)。東地さんのしゃべり声から、歌になるとめちゃめちゃかわいい声になるというギャップもいいのでおすすめです。セブンブロック役での、梅澤(めぐ)さんのおじいちゃんとか、杉田(智和)さんと小西(克幸)さんのキュルンとしたかわいい女の子とか。
土岐誰がどのセブンブロックを演じるのかは、くじ引きで決めたんですけど…。
市川誰かが仕組んでいないと成り立たないってくらいの面白いくじ引き結果で。
土岐現場の空気の良さや、やっぱり音響監督の藤野さんあってこそのやり方というか(笑)。
市川本当にそうですよね。
土岐あとはやっぱり、「どうなっちゃうの?」っていうハラハラ感がずっと楽しめること。でも、最終話まで一度観た方は大団円が待っていることを知っている。だからこそ、安心感のある中で見返したら、いろいろなものを落ち着いて観ることができると思うし、新しい気づきもあると思います。一生懸命に生きる子どもと、それを一生懸命支える大人たちというところに感情移入もできると思うので、何度でも楽しんでください!
PROFILE
市川 蒼(いちかわ あおい)
10月2日生まれ。福岡県出身。主な出演作は『ガチアクタ』ルド役、『Sonny Boy』長良役、『Just Because!』泉瑛太役などがある。
PROFILE
土岐隼一(とき しゅんいち)
5月7日生まれ。東京都出身。主な出演作は『転生したらドラゴンの卵だった』イルシア役、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』神代類役などがある。
▼魔神創造伝ワタル 公式サイト
https://wataru-anime.net
▼魔神創造伝ワタル 公式X
@tv_wataru
▼魔神創造伝ワタル 公式YouTube「ワタル&カケルチャンネル」
https://www.youtube.com/@watarukakeru_ch
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