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『しんちゃん通信』 スペシャルインタビュー「野原ひまわり役 こおろぎさとみ」

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しんちゃん同様、毎回どんな一面を見せてくれるのか、楽しみな野原家の長女・ひまわり。 ひまわりが大人に成長した姿で登場する「超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」 で、ひまわりを演じるこおろぎさとみさんが困った出来事とはー?!
(取材・文 / 大山くまお)

――映画『クレヨンしんちゃん』が25周年を迎えました。大変な偉業だと思いますが、現在のお気持ち、感慨などがありましたらお教えください。

私は参加してから20年ですが、この作品に参加できて本当にラッキーだったと思います。野原ひまわりという役は私の代名詞になっているので、もし、これがなかったら、どんな声優人生になっていたかと思うとゾッとします(笑)。スタッフ、キャストの方たちとの出会いも宝物です。

――シリーズが25年続いた要因、秘訣はどのようなところにあるとお考えでしょうか?

作品自体が面白くて力があることが第一だと思います。家族がいて、友達がいて、ご近所さんたちがいて、ときどき不思議な世界もある。みなさんの実生活とかけ離れすぎていないので、親近感を持ってくださっている気がします。だから、いつの時代になっても面白いんでしょうね。

――こおろぎさんは96年からの参加ですが、参加されたときはどのようなお気持ちでしたでしょうか?

私、映画は『暗黒タマタマ』からの参加なんですが、みんなが「1本前の作品(『ヘンダーランドの大冒険』)にも猿の役で出てたよ!」って言うんですよ。私の『クレヨンしんちゃん』デビューはどうやらそこらしいです。出演したこと自体、ぜんぜん覚えていないんですけどね(笑)。

私はオーディションではなく、「明日からひまわりだから」と言われて、ポンと入った感じです。すごい番組に参加するんだな、と思ってましたが、あまり深く考えると緊張しちゃうので、なるべく考えないようにしていました。仲良しの友達がキャストの中に大勢いたし、赤ちゃん役は大好きな分野だったので、好きな人たちと好きな役ができるっていうのが、ひたすら楽しかったです。

――ひまわりを演じるときに心がけていることは、どのようなことでしょう?

可愛く演じようと思っていないことですね。赤ちゃんを演じるとき、「可愛い声を出さなきゃ」と思っている人もいるかもしれませんが、実際の赤ちゃんの泣き声はガッサガサだったりするんですよ(笑)。ただ、何年もやっていると赤ちゃんの0歳と自分の年齢がどんどん離れていくので、声を維持するのが大変。「負けないぞ!」と日々頑張ってます(笑)。

――『超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁』では成長したひまわりの姿が登場しました。

赤ちゃんを演じてるときと普通の役を演じているときは自分の中でチャンネルが違うんです。だから一緒に出てくると非常に困る!(笑) ちょっとやめてほしいです。

――映画『クレヨンしんちゃん』25作の中で、こおろぎさんがお好きな作品、あるいは印象的だった作品とその理由をお教えください。ベスト3を挙げていただけると幸いです。

4つでもいいですか? 『ロボとーちゃん』、『歌うケツだけ爆弾』、『オラの引越し物語』、そして『戦国大合戦』です。

『ロボとーちゃん』は、ロボとーちゃんが最後に動けなくなるシーンが目に焼きついて離れませんでした。ひまわりは「たいたい」しか言えないんですが、すごく心を込めて言ったシーンです。『歌うケツだけ爆弾』はシロのけなげさ! 私、シロとしんちゃんの関係が大好きなんです。桜のシーンの映像の美しさも印象的でした。

『オラの引越し物語』は、私、友情ものが大好きなんですが、離れていてもかすかべ防衛隊とつながっていたというラストにウルッと来て拍手でした。『戦国大合戦』はストーリーが大好きです。人の気持ちって今も戦国時代も変わらないんだな、って思いました。みなさんの気持ちは脈々と今に受け継がれてますよ、って戦国時代の人たちに言いたいですね。

――映画『クレヨンしんちゃん』にはたくさんのユニークなキャラクターが登場しますが、こおろぎさんが最もお好きなキャラクターとその理由をお教えください。

ぶりぶりざえもんです。強い者の味方で、長い物に巻かれろ、という誰も言わないことを良い声で言い放つところが最高ですね(笑)。私、人間でもエースで四番タイプより、ちょっと変な人のほうが好きなんですよ。

――そもそも『クレヨンしんちゃん』にはエースで四番タイプの人が出てきませんね。

映画の収録は人の出入りが多いんです。とにかく必死で時間との戦いが多いですね。人数が多いのにマイクが4本しかないので、導線を考えなければいけなかったり。物理的なことの思い出が多いですね。

――『クレヨンしんちゃん』の人気の根っこには野原一家の魅力があると思います。「25年間、変わらない野原一家の魅力」とは、どのようなものだとお考えでしょうか?

それも長く続いている秘訣かもしれませんね! 変な人たちに共感する変な人たちのおかげで保っているんじゃないかな(笑)。

――映画『クレヨンしんちゃん』の収録にまつわるエピソードがありましたらお教えください。

映画の収録は2日間続くのですが、2日間みんなといられるのがすごく楽しいです。収録が長くなるとテンションがブチ上げになる時間帯があって、お互いの台本に落書きしあったりするようになるんですよ。お手洗いに行った隙に絵を描くとか。いたずら好きなのは佐藤智恵ちゃんですね。でも、智恵ちゃんに聞いたら「さとみちゃんです」と答えると思います(笑)。

――『クレヨンしんちゃん』の人気の根っこには野原一家の魅力があると思います。「25年間、変わらない野原一家の魅力」とは、どのようなものだとお考えでしょうか?

家族の安心感ですね。時代によっていろいろな家族のかたちがありますが、『クレヨンしんちゃん』にはそれを飛び越えた安心感があると思います。今なら血のつながらない家族もおかしくありませんが、それでも家族ですよね。野原一家を見ていると、家族にとって大切なものは血じゃないんだ、ということがよくわかります。だから視聴者のみなさんも、そこに帰ってきてくれるんだと思います。

――あらためて、『シリリ』の見どころをお教えください。

子どもって垣根がないんだ、ってところですね。宇宙人でも友達になれるんですから。でも、大人はなかなかそうはいかない。じゃ、垣根ってどこでできるんだろう? と思った作品です。野原家は大人でも垣根がないんですよね。それがこの作品のとても良いところだと思います。あと、しんちゃんとシリリとシロの3人のシーンが大好きです。最後のシーンも大笑いしました。ドンガラガッシャン! って感じで(笑)。

PROFILE

こおろぎさとみ
11月14日生まれ、東京都出身。ぷろだくしょんバオバブ所属。少女役、動物役などを中心に活躍中。代表作に『チーズスイートホーム』チー役、『ドラゴンボール超』全王役、『フレッシュプリキュア』シフォン役、『少年アシベ』ゴマちゃん役などがある。

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映画 クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ
2017/11/10発売
BD ¥4,800(税抜)/DVD ¥3,800(税抜)

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映画 クレヨンしんちゃん DVD-BOX 1993-2016
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