『しんちゃん通信』 スペシャルインタビュー「志田未来」
念願のクレヨンしんちゃんへの出演に泣いて歓喜したという志田未来さん。
Blu-ray&DVD発売を目前に控えた今、改めて『シリリ』の見どころ、
好きなしんちゃん映画作品について、野原一家への想いなどたっぷり伺いました!
(文 / 大山くまお)
――まず、『クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ』への出演オファーがあったときのお気持ちをお聞かせください。
「『クレヨンしんちゃん』の映画に出演したい!」というのが私の夢で、それを目標に頑張ってきたので(笑)、すごくうれしかったです。今までいろいろなお仕事の話をいただきましたが、『クレヨンしんちゃん』のお話をいただいたときが一番感動しました(まっすぐな目で)。
――出るならこんな役がいいな、とか想像されていましたか?
いえ、そういうことはまったく。ただずっと、「出たい!」と思っていました(笑)。まさか本人役で出演させていただけるとは思っていなかったので、「しんちゃんに名前を呼んでもらえるのかな……?」とか勝手に妄想して楽しんでいましたね。
――今回はしんのすけが大好きなアクション女優という役柄でしたが、セリフの練習などはどのようにされたのでしょうか?
なかなか普段自分が発することのない過激なセリフや叫び声があったので、「しっかりお腹から声を出さないと!」と思い、家で練習して本番に挑みました。「せっかくいただいた役なのに、恥ずかしがっていても何の得もない!」と、思い切り演じさせていただきました。
――完成した『シリリ』をご覧になった感想をお聞かせください。
自分が『しんちゃん』の映画の中に存在していることに、すごく喜びを感じました(笑)。あと、やはり野原一家の絆はすごいな、と感じました。野原一家はピンチを笑いに変えるところがすごいと思います。
――ゲストキャラクターのシリリに関してはいかがでしょう?
まず、ビジュアルに衝撃を受けました(笑)。キモ可愛いというか、「怖いキャラクターなのかな?」とも思ったり。でも、見れば見るほど愛くるしく感じてきて、このお尻のような頭の形がやみつきになってきました(笑)。最初は「この子は何を考えているんだろう?」と思うのですが、野原一家とのふれあいを通して成長していくんですよね。すごく素敵で可愛いらしいキャラクターだと思いました。
――志田さんは『クレヨンしんちゃん』の大ファンとお聞きしていますが、最初にご覧になったきっかけはどのようなものだったでしょうか?
物心ついたときから好きだったんです。成長していく過程で、ずっとしんちゃんがそばにいた感じです。映画版も小さな頃から毎年、家族で観に行ってました。
――では、映画『クレヨンしんちゃん』で好きな作品がありましたら3本教えてください。
2つは決まってるんです! 『ロボとーちゃん』と『ヤキニクロード』ですね。もう1本は悩みますね……。『オトナ帝国』もすごく好きですし、『嵐を呼ぶジャングル』も面白かったし、『カスカベボーイズ』も大好きで……(笑)。じゃ、『カスカベボーイズ』にします!
『ロボとーちゃん』は、ロボとーちゃんに感情移入してしまって映画館でも大号泣しましたし、DVDで観ても泣きました。しんのすけを想う親の愛って大きいんだなぁ……って。今、こうやって話しているだけでも感動します! 一番好きな作品です。
『ヤキニクロード』は、次に何が来るのかわかっていても笑える作品です! 「焼肉のために、ここまで頑張る?」という野原家のパワーを感じますね(笑)。でも、その熱さがカッコ良く思えてきて、とっても好きです。
『カスカベボーイズ』は、みんなの記憶を戻すため、しんちゃん一人が諦めずに奮闘する姿が印象的です。やっぱりしんちゃんは諦めない心を持っている5歳児だな、と。それに心を動かされる代表作だと思います。最後の別れのシーンは悲しいんですけど、しんちゃんが持っている引き寄せるパワーでどんどん新しい出会いがあるので、「悲しいだけじゃないんだ……!」と自分に言い聞かせてます(笑)。
――野原ひろしが大好きとお聞きしていますが、ひろしの良さとはどんなところだと思いますか?
やっぱり家族想いのところが一番です。女の人にデレデレしちゃうとか、足が臭いとか、ちょっとダメダメなところもありますけど(笑)、理想の父親像だと思います。特に映画では「自分を犠牲にしてでも家族を守る!」という強い気持ちが出てくるのでカッコ良いですよ。家族を想う気持ちを、言葉にしてくれるし、態度にも表してくれるから、わかりやすくて良いです(笑)。
――ひろしにまつわる好きな場面やエピソードなどはありますか?
テレビシリーズですが、幼稚園のバザーでみさえが作ったマフラーがなかなか売れなくて、みさえが席を外している間に、ひろしが買いにくるというエピソードがあるんです(「幼稚園でバザーだゾ」)。何も言わずに、朝、そのマフラーをこっそりつけて会社に行くところを見て、ひろしのことがさらに好きになりました!
――いいエピソードですよね。みさえは編み物が下手で。
いつも強気なみさえのマフラーが売れ残ってせつなくなるんですけど、それをひろしがカバーして、何も言わないところが男らしさだな、と思いました。
――あらためて、野原一家の魅力を教えてもらえますか?
みんな個性が強くて、ぶつかり合うんですけど、しっかり相手を受け止めるところが素敵です。
――みさえも、しんのすけをしっかり受け止めてますよね。
やっぱりみさえがいないと野原家は回らないんです。みさえが一家を手のひらの上で転がしているイメージがあります(笑)。みさえがひまわりを産むために入院するお話がありますが、しんちゃんとひろしだけではまとまりがないというか、何かが足りないんですよ(笑)。やっぱりみさえは、なくてはならない存在なんです。
――志田さんは将来、野原一家のような家庭を築きたいと思いますか?
はい。でも、しんちゃんのような子が産まれたら、育てる自身がありません(笑)。ひろしとみさえだからできることなんじゃないかな……。でも、理想の家庭です!
――野原一家以外で好きなキャラクターを挙げるとすると、誰でしょうか?
うーん……(しばし考えて)あ、ミッチー・ヨシリンが好きです。あの強い野原一家をハチャメチャにひっかき回してしまうところがすごいですよね。礼儀もないですし、ひろしを振り回すところも好きです(笑)。
――では、最後に『シリリ』の見どころを教えてください。
子どもの姿に戻ってしまうひろしとみさえの姿がすごく可愛らしいんです。いつも怖いはずのみさえも、すごくキュートに見えて、心がキュンとする作品です。お子さんが観てもすごく楽しめると思いますが、メッセージ性が強い作品なので大人が観てもいろいろ考えさせられると思います。本当の幸せを見つけたり、自分が本当にやりたいことを発見できたりする作品だと思いますので、ぜひご覧ください。
PROFILE
志田未来(しだ・みらい)
1993年神奈川県生まれ。ドラマ『女王の教室』(05年)のレギュラー出演で注目を集める。『14才の母』(06年)ではドラマ初主演を務めた。代表作に『正義の味方』(08年)、『小公女セイラ』(10年)、『ウツボカズラの夢』(17年)など。2018年には映画『伊藤くん A to E』(1月12日公開)、映画『ラプラスの魔女』が公開予定。
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 1993 - 2017