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【映画クレヨンしんちゃんなんでも図鑑】第16回「吹雪丸」[しんちゃん通信]

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1993年に上映が始まった『映画クレヨンしんちゃん』は、今年30周年! これまでDVDでのみ発売されてきた旧作映画19作品のブルーレイ化プロジェクトが始動! 2022年12月から約1年間をかけて隔月で全19作を発売予定です。「映画クレヨンしんちゃんなんでも図鑑」第16回は、映画クレヨンしんちゃん 第3作『映画クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』(ブルーレイ好評発売中)のヒロイン「吹雪丸」を紹介!
※紹介文には本編のネタバレを含みます。

【映画クレヨンしんちゃん 第3作】
映画クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望

吹雪丸

タイムマシンで戦国時代にやってきた野原一家が出会った15歳の剣士。凛々しい眉毛に長い髪が特徴の剣の達人で、愛馬エンジを乗りこなす。春日家に代々語り継がれる“3人と1匹の勇士”として野原一家を歓迎した。

雲黒斎によって滅ばされた春日城の主、春日兵部守秀綱の嫡男と名乗っていたが、実際は女性である。初期の『映画クレヨンしんちゃん』で恒例となっていた“しんのすけを助けて戦うお姉さん”の一人と言っていいだろう(戦う理由があるのは吹雪丸のほうなので“しんのすけに助けられて戦う”と言ったほうが正解かもしれない)。しんのすけは直感で女性だと思ったが、股間の「タマタマ」を確認して男だと納得した。

跡継ぎとして育てられたため、自分が男でいなければいけないと強く意識しており、口ばかり達者な武士を撃退したときは「男なら腕で来い! 剣で来い!」と怒りをぶちまけた。将来はお殿様になる身分であり、いきなりみさえの胸を揉んで「小さき胸だの」と言うなど、庶民の感覚とは少しズレている部分もある。早くに両親を亡くしており、家族、特に母親への思いが強い。又旅猫ノ進に「お前の母親は俺が斬った」と言われると平常心を失って斬りかかっている。

露天風呂でしんのすけに裸を見られて女性だとバレたのだが、特に怒りはしなかった(「タマタマ」は隠していたビー玉だった)。男でいなければいけないと強く思っていた一方で、女性としての身体の変化も理解しており、いつかは女性として生きることになるとも思っていたようだ。女性であることをしんのすけに知られてからは、吹っ切れたような快活な面を見せるようになった。

雲黒斎が倒された後は、春日城が元に戻り、両親も生きている世界に戻ったが、吹雪丸は武将の姿になっていた。元の世界に戻るということは、春日城の跡取りとして生きることを意味する。しんのすけたちと一緒に雲黒斎と戦った期間は、吹雪丸にとって女性であることを隠さずに済んだつかの間の時間だったのかもしれない。

本作で絵コンテと演出を担当した原恵一さんは「しんちゃんを描くより、吹雪丸を描くことに夢中になりました」と振り返っている。初めての時代劇ということもあって、資料を集めてのめりこみ、キャラクターにギャグをやらせる余裕もなくなってしまったとか。「吹雪丸のセリフや考え方を描くのが楽しくて、正直しんちゃんが邪魔でしたね(笑)」。このときの経験が、後の『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』につながったのだろう。

ちなみにタイムパトロール隊員のリング・スノーストームは訳すと「吹雪丸」となり、本郷みつる監督は「吹雪丸の子孫」と明言している。

【設定】吹雪丸<キャラクターデザイン:原 勝徳>

出典『クレヨンしんちゃん大全』(双葉社)

 

<発売情報>

Blu-ray
好評発売中!
税込価格:¥5,280
品番:BCXA-1788

関連記事:『しんちゃん通信』 映画作品ちょこっとレビュー第4回 “SF編”

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