【映画クレヨンしんちゃんなんでも図鑑】第19回「3分後の世界」[しんちゃん通信]
1993年に上映が始まった『映画クレヨンしんちゃん』は、今年30周年! これまでDVDでのみ発売されてきた旧作映画19作品のブルーレイ化プロジェクトが始動! 2022年12月から約1年間をかけて隔月で全19作を発売予定です。「映画クレヨンしんちゃんなんでも図鑑」第19回は、映画クレヨンしんちゃん 第13作『映画クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃』(ブルーレイ8月30日発売)から、あの特撮作品をパロディ化した設定「3分後の世界」を紹介!
※紹介文には本編のネタバレを含みます。
【映画クレヨンしんちゃん 第13作】
映画クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃
3分後の世界
『ゴジラ』、『ウルトラマン』、『仮面ライダー』など、ムトウユージ監督がこよなく愛する日本の特撮作品やアニメ作品のパロディがこれでもかと詰め込まれた本作。
野原一家が思い思いのヒーローに変身して怪獣たちと戦うという、ある意味シンプルなストーリーに奥行きを与えているのが「3分後の世界」という設定だ。この設定があることによって、『ウルトラマン』のカラータイマーのような“縛り”になっている。
未来からやってきた時空調整員ミライマンによって、怪獣と戦うことになった野原一家が向かうのが「3分後の世界」。そこで時空の歪みから現れる怪獣を3分以内に倒し(倒された怪獣はミライマンが吸収してしまう)、元の世界に戻ってくれば世界が滅びることはないのだという。
例を考えると、0時00分の現実から3分後である0時03分の世界に行き、怪獣を3分で倒して戻ってくれば、ちょうど現実は0時00分から3分経った0時03分となる。怪獣はすでに倒した後なので、現実の0時03分には怪獣は現れない。これで怪獣の出現を未然に防ぐことができる……という理屈なのだろう(たぶん)。そのため、野原一家は3分以内で怪獣を倒さなければならず、スリルが生まれることになる。
とはいえ、ムトウ監督は「ストーリーはシンプルというか、話がなくたっていいや、ぐらいの気持ちでしたね」と振り返っており、そこまで深く考えることなく、野原一家が次々と登場する怪獣と戦うさまを楽しめばいいんじゃないだろうか。怪獣たちの元ネタに思いをめぐらすのも一興だろう。
なお、特報に出てくる「尾形サルベージ」という看板の元ネタは、初代『ゴジラ』に登場する主人公・尾形の名と彼が働いていた「南海サルベージ」を掛け合わせたものだという。マニアック!
参考『クレヨンしんちゃん大全』(双葉社)
<発売情報>
Blu-ray
2023年8月30日発売
税込価格:¥5,280
品番:BCXA-1798
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©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2005