インタビュー | 大室家 dear friends
『大室家 dear friends』公開記念 加藤英美里(大室櫻子役)×三森すずこ(古谷向日葵役)スペシャルインタビュー
「コミック百合姫」(一迅社刊)にて連載中の人気漫画『大室家』を映像化した劇場中編アニメーション第2作『大室家 dear friends』が、いよいよ6月21日(金)より公開。そこで今回は、大室家三姉妹の次女・大室櫻子役の加藤英美里さん、櫻子と同じ中学校に通う古谷向日葵役の三森すずこさんに、『大室家 dear friends』の見どころはもちろん、自身が演じるキャラクターについて、『大室家 dear sisters』の好きなエピソードなどを伺った。
家族愛と、それとはまた別の愛の形が描かれているなと思いました。(加藤)
──『大室家 dear friends』のアフレコを終えてどんなお気持ちでしたか。
加藤今回は大室三姉妹と向日葵のキャスト、4人で一緒に収録できたことが一番嬉しかったです。『大室家』という作品において、特に『dear friends』の要になるのがこの4人かなと勝手に思っているので、その4人が集合して収録できるということはきっといい作品にできるんじゃないかなと思いました。『大室家』の空気感をそのまま持っている4人ですし、現場でも和気藹々といろんな雑談をしたりと、楽しい時間を過ごしながらアフレコできましたね。
三森私は三姉妹と一緒に収録させていただいて、とても得した気分になりました(笑)。あの3人が現場で揃っているところって、実は今まで見たことがなかったんですよね。本当の大室家の雰囲気みたいなのを感じることができて、とても貴重な一日でした。
──龍輪直征監督は、お芝居的に向日葵は大室家の一員として考えているそうです。
三森嬉しいです! 確かにあんなに頻繁に家に出入りする友達ってなかなかいないですよね。
加藤ちゃんと律儀にピンポンを押して入ってくるところは、さすが向日葵だなって思う。櫻子ならいきなりガチャって開けて「おい向日葵〜!」って言いながらズカズカ古谷家に入っていくところが想像つくよね(笑)。
──『dear friends』のストーリーはどんな印象でしたか?
加藤前作『dear sisters』は、三姉妹のふんわりとした家族愛をメインに、あと小学生チームのやりとりも多く見られましたが、『dear friends』はさらに日常に近い感じが出ているなと思いました。特に三姉妹と向日葵とのやりとりが増えましたね。高校生チームのときめく日常がたくさん描かれるんですけど、向日葵も頬を赤らめる場面があるので、いろんな意味でドキドキ度が上がったなと思いました。
三森やっぱりタイトルの「friends」が表す意味の深さというか。特に高校生組は(一瞬溜めて)friends……みたいな(笑)。濃厚なストーリーで、収録しながらも頭の中でずっと考えてましたね。今回は撫子の恋人が誰なのかという推理ができる作品でもあるので、「誰だ? 誰なんだ?」ってつい考察したくなりました。前作よりも大人な内容ですね。
加藤『大室家』は『ゆるゆり』からのスピンオフなだけに、百合の要素がちょっと強くなったかなと。家族愛と、それとはまた別の愛の形が描かれているなと思いましたね。
今回は撫子さんにからかわれて、向日葵の素の部分がフォーカスされます。(三森)
──櫻子、向日葵の活躍についてもお聞かせください。
加藤向日葵がギャーッて言ったタイミングに合わせて、櫻子もギャーッとなるシーンがあるんですけど、そこが個人的にはツボでしたね(笑)。ギャーッていうやりとりだけで面白い二人なんだなって。櫻子は、自分が向日葵に対してどう思っているかについては、無自覚タイプだと私は思っているんです。その無自覚な中、向日葵と一緒にいられないってわかって落ち込んだりもするので、「さくひま・ひまさく」好きにはたまらないんじゃないかなと思いました。
三森櫻子は相変わらず元気いっぱいで、小学生組と一緒になって遊ぶシーンがめちゃくちゃ可愛かったですね。もともと裏表のないタイプだと思うんですけど、家にいるとさらにリラックスしてる。家モードの櫻子ってすごく可愛いなって思います。
加藤向日葵が撫子お姉ちゃんと会話をするところはすごく新鮮でした。この組み合わせって珍しいですからね。向日葵って大人だなと思っていたけど、撫子姉ちゃんはかなり落ち着いている。2人の絡みを見ると、やっぱり向日葵も中学生なんだなって感じますね。
三森撫子にちょっとからかわれて、やけになっちゃう向日葵に子どもらしさを感じて可愛かったですね。私も、やっぱり向日葵も中学生なんだなって思いました。いじられることにあまり免疫がない感じが出ていて、隠そうとするけど隠せていない(笑)。
加藤撫子お姉ちゃんもそれをわかった上で、向日葵をいじって(笑)。
三森完全に撫子さんの手のひらの上ですよ。最終的にはムキになって、声がデカくなって(笑)。なんで思春期ってあんなに声がデカくなっちゃうんでしょう?
──櫻子、向日葵を長く演じてこられた2人から見て、櫻子と向日葵の関係に変化は感じましたか?
加藤櫻子は基本的に大きくは変わってはないんですけど、落ち込むこともあるんだなと。私としては、櫻子もちょっと成長したんだなって思いました。そんな櫻子を見て察しのいい花子が慰めたりするんですけど。櫻子もちょっとぐらい成長しているといいなぁ、と思いながらアフレコしましたね。でもいつもと変わらず元気な櫻子のままです。
三森『ゆるゆり』をやっていたときは、向日葵って優等生なイメージが強かったし、あまり取り乱すこともない子だと思っていたんですけど、今回は撫子さんにからかわれて、向日葵の素の部分がフォーカスされます。そうやってムキになるっていうことは、向日葵の中で櫻子の存在が大きくなっていることを認めたくないのかなって思いました。
加藤家に来た向日葵が櫻子を目で探すところがすごく好き。いつもならすぐに櫻子が「おー」って出てくるはずなのに出てこない、あれ?って戸惑っちゃう向日葵。
三森飼い犬を探す感じにも近いかも(笑)。「あれっ、櫻子どこ行った?」って。
──ちなみに前作『dear sisters』での櫻子と向日葵といえば、風邪をひいた花子のために、櫻子が向日葵にたまご粥のレシピを聞きに行くというほっこりエピソードがありました。
加藤たまご粥を作りすぎちゃった櫻子が、すぐに向日葵におすそ分けしに行くのを見て、本当にご近所さんなんだなぁと思いました。鍋のまま持っていっていましたからね。鍋を出されて向日葵も困惑(笑)。
三森優しさをうまく伝えられないところが可愛いんですよね、櫻子は。あとはやっぱり小学生チームのお話がどれも可愛かった!
加藤私が好きだったのは、みさきち(高崎みさき)とこころ(小川こころ)が2人になるシーン。こころが「花子様もみさきちも、どっちも好きだもん」って言って、驚くみさきちに向かって、「こころの勝ち」ってニヤッとするという。
三森こころ、雰囲気ありますもんね。
加藤小学生なのに、一瞬すごく大人な顔をするんですよ。こころはすごい大人になりそうだなと思いました。
三森私は、みさきちというあだ名を聞いた櫻子が、ずっとみさきち=犬だと思ってるのが面白かったです。「みさきちって噛むの?」って、花子たちと会話がずっとズレてるのも最高でしたね。あぁ、もう1回観たくなってきました。
加藤高校生チームは、シーンは短いながらも濃い。「あーん」のやりとりは、スタッフさんたち力入りまくりだな!と思いました。口元と手のアップとか、ちょっとゆっくりになるところとか。すごくこだわりを感じましたね。
三森急に雰囲気変わりましたもんね。『dear friends』を予感させるやりとりで。
加藤『dear friends』を見たら、きっと『dear sisters』をまた見返したくなるよね。撫子姉ちゃんの電話のシーンもじっくり見たらまた発見があるかもしれない。電話のシーンは脚の動きとか衣擦れの音とかもリアルなので、ぜひお家でヘッドホンをつけて聴いてほしいです。
──お2人にとって櫻子、向日葵はどういう存在ですか?
加藤私にとって櫻子は太陽です。櫻子との付き合いが長くなって、収録する機会も多いんですが、自分の中に櫻子がちゃんと生きているなと思えるぐらい。櫻子の明るさが私の人格の中にもいい影響を与えてくれているので、出会えてよかったと思います。私は人見知りなところもあるんですけど、櫻子を演じていると人との会話もテンション高めになるし、マインドも「まぁいっか!」ってポジティブになるんですよ。私の人生には欠かせないキャラクターの1人ですね。
三森デビューして初期の頃に出会ったキャラクターが向日葵なので、その頃はドギマギした距離感が向日葵と私の間にはありました。すごく特徴があるキャラクターではないので、ずっとふわふわしていて、演じるたびに、「ちゃんと向日葵をできてるかな」という気持ちに戻ってばかりで。でも『大室家』で久しぶりに演じて、向日葵との距離が近づいた気がしたんです。ビクビクしながら演じていたあの頃と比べると、自信を持って自分の中から向日葵を出すことができた。とはいえ『dear sisters』は1人での収録だったので、「(加藤)英美里さんいないのに向日葵になれるのかな」って不安がまたあったんですけど、演じてきた年月のおかげですね。英美里さんが演じる櫻子の声が脳内再生されたんです! 長い間演じてきてよかったなって思いましたし、三森すずこの成長も感じられましたね。
加藤嬉しい! 私もみもりん(三森)がいない収録で、櫻子と向日葵の掛け合いが仮にあったとしても、脳内でみもりんの声が再生されると思う。お互い、キャラとしてちゃんと出来上がっているんだよね。
三森嬉しいです~!
──『dear friends』の公開を楽しみにしてくださっている『大室家』ファンのみなさんにメッセージをお願いします。
加藤『dear sisters』を観てくださった方はきっと『dear friends』ももちろん楽しみにしてくださっていると思います。まだ観ていない方も大丈夫です。先に『dear friends』から入って、後で『dear sisters』を観ても楽しめるのが『大室家』なので。『dear friends』は、いろんな愛が見られるところが私の中でのポイントです。友達同士の複雑な関係や、それぞれが抱えている思いを、キャラクターのセリフと音楽、演出などすべてのところから読み取れるようになっていると思いますね。私たち声優としては声のニュアンスでキャラクターの心情を表現しているので、そちらもじっくり堪能していただけたらなと思います。何よりこれは劇場で見ていただくのが一番だと思うので、ぜひ劇場で楽しんで、帰ってからおうちで余韻に浸ってもらえたら嬉しいですね。
三森『ゆるゆり』も『大室家』も、会話のテンポや間の取り方が絶妙で大好きなんです。それを大きなスクリーンで味わえるっていうのがこの映画の醍醐味だと思いますね。『dear friends』は、今まで謎に包まれていた高校生組のエピソードが盛りだくさん。どれもかなり濃厚なので、きっと何回も観たくなるんじゃないかなと思います。私も何度も観たいなって思うぐらいとても素敵な作品なので、ぜひ皆さん楽しみに待っていてください。そして推理もしてくださいね? 絶対に推理しがいがありますから!
PROFILE
加藤英美里(かとう えみり)
11月26日生まれ。東京都出身。出演作に『SPY×FAMILY』ベッキー・ブラックベル役、『グランブルーファンタジー』シェロカルテ役など。
PROFILE
三森すずこ(みもり すずこ)
6月28日生まれ。東京都出身。出演作に『ラブライブ!』園田海未役、『ヒーリングっど♥プリキュア』風鈴アスミ/キュアアース役役など。
<発売情報>
『大室家 dear sisters』(特装限定版)
Blu-ray
好評発売中
税込価格:¥8,580
品番:BCXA-1899
<上映情報>
『大室家 dear friends』
6月21日(金)より公開
▼映画『大室家』 公式サイト
https://ohmuroke.com/
▼映画『大室家』 公式X
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©なもり・一迅社/「大室家」製作委員会